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『よし!卵を運び出すんだ!』
カジロウは馬車を墓地に止めて骨達に卵を地下へ保管させた。
骨達は肉団子を抱えて地下へ歩いていく。
「何です?これ?」
ゼスタは馬車にある肉団子を眺めている。
「中位ダンジョンを攻略した時にスカラベ卵を見つけたんだ、可哀想だからどうにか共存できないかと思ってね」
「へぇ〜」
ゼスタは肉団子を一通り眺めて骨達に目をやった。
「で?何故骨達が増えてるんです?また破りました?」
出たよ……ゼスタの悪い虫が……
「まぁ、そうだね……敵が強くてな……これはお土産だ……」
カジロウは馬車から酒瓶を取り出してゼスタに渡した。
……これ受け取って、とっとと失せな!俺は忙しいんだ!
「随分……用意が良いですね?」
ゼスタは酒瓶の栓を開けてグビッとラッパ飲みした。
「ああ……ダンジョンの近くに酒で有名な村があったから寄ったんだよ、好きだろ?馬車にはまだまだ積んであるから自由にやってくれ」
カジロウは酒を積んだ馬車の布を開けて中身を見せた。
ゼスタは酒瓶達を見て目を輝かせて、手に持った酒瓶を再びラッパ飲みした。
何でそんなに酒が摂取したいのか……
付き合い以外では飲まない俺には、永遠の謎だ……
「じゃあパエリ達にもお土産があるから先に帰るよ?」
「そうですか?」
カジロウは馬車に乗った。
「ああ、カジロウさん」
「ん?」
「葬儀を終えた遺体が結構溜まってきたので、早く処理してくださいね?
医者骨さんに防腐処理してもらいましたが、家族の方々が待ち望んでいるので……」
「ああ、分かった……どの遺体だい?」
やば……マジックポイントどうしようか……
カジロウはゼスタと共に遺体の場所に行き、隊長1骨兵19を作り、わざとらしく頭を抱えた。
「うう……」
「どうしたんです?」
「ダンジョン攻略で少し精神が疲れた……」
「なんか嘘くさいですね?」
「明日からは数をそんなに転生できそうにない」
「そうですか……1日にどのくらい行けます?」
「1日に5体が限界かな……」
「5体……ですか……実は転生を求めるFAXが鳴り止まないんですよ……」
知ってる……メグロ内のいたるところから来てたな……
直ぐにでも国王に進言して通行手形発行させて名工を探しに行こうと思ったけど……
仕方ない……
スカラベの生産が軌道に乗るまでは城下町でスカラベ統率についてゆっくり考えるか……
ああ……スカラベは雑食だったな……餌をどうしようかな……
「ああゼスタ……パエリ達の事だけど、魔法学校に行かせてやらないか?……」
「魔法学校に?良いかも知れませんね……では早速適性を……」
ーーーーーーーーーー
それから一年間の間はメグロ国内の食料を買い漁り、成虫になったスカラベ達や卵にに与えたり、カジロウは内政に勤めた。
スカラベ達は最初こそスケルトン達の世話を必要としたが……
「よし!B2の落とし穴を開けてスカラベ達の一部をB3第一区間へ……よし!よくやった……では魔力回収に写る……」
今では1日に400体ほどのペースなら魔力回収しても自分達で増えていくので問題ない。
食料についてはスケルトン達が害獣や害虫を24時間体制で監視して各地で食料を過剰な程生産していた事もあり、餓死者が出ることもなくメグロの経済は潤い、急成長している。
……しっかし、スカラベを戦力にするのはどうしたら良いのか……
あいつらは体を擦って言葉を出すから意志の疎通が難しい……
聞くことは出来ても、こっちから意志が伝えられない……これでは同士討ちが頻発するだろう……
半年前から子供達は魔法学校に行ってしまった……
最初は死んだ時に有効活用できると思って提案しただけだったけど……賑やかな声が家にないと寂しいもんだな……
一番下のポラはヨチヨチ歩きしていたな……学校に行って苦労していないだろうか?……
泣いてはいないだろうか?
一番下の子には早過ぎたのではないか?……いくら早い方が才能が開花するからといって!まだ1歳だぞ!?教育には早過ぎたんだ!ゼスタに騙された!
一緒に持っていった人形達から情報が届いて無事過ごしている事が分かるとカジロウは椅子に深く腰掛けた。
時々、脳裏に『パバァ』と言いながらヨチヨチ歩くポラ達の幼い姿がフラッシュバックして心配になる。
……子供を心配なんて……まぁ、俺の柄じゃないな……
カジロウが自室で休んでいると突然国王からのFAXが飛んできた。
『カジロウへ通達……相談事がある……王宮まで来たれ、大至急』
……どうしたんだ?
……聖人用の人形が居たな……
『王は何の用か分かるか?』
『周辺諸国からの要求に応じるか悩み、意見を聞きたい様です』
……戦争か……?
『将軍!隊長を率いて中位ダンジョンの攻略をしておけ!』
『了解!』
戦争なら名工を何人か拉致しても文句はあるまい!
カジロウは鼻息荒く、城へと向かって馬車を走らせていく。
ーーーーーーーーーーーー拠点
メグロ城下町 墓地
ーーーーーーーー死体
スカラベキング
民0
ーーーーーーーー
メグロ城下町の質屋
ーーーーーーーー死体
無し
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ーーーーーーーーーーーー総戦力
将軍1(オーラ使い)
隊長9(戦士6、ハンター1、聖職者1、シーフ1)
隊長1(医者)
隊長4232
小隊長 16927
小隊長 各1(商人、彫刻家、裁縫士、床屋、鍛冶屋、大工)
骨兵 170026
骨犬523
ーーーー所持戦力
隊長5
小隊長5
骨兵50
骨犬5
ーーーーーーーーーーーー本
骨兵 召喚 9p
効果時間:永久
説明:人や動物の死体を生贄に人型の骨を召喚する。
骨犬 召喚 29p
効果時間:永久
説明:人や動物の死体を生贄に犬型の骨を召喚する。
骨小隊長 召喚 99p
効果時間:永久
説明:骨兵と死体一体を生贄に
人型の骨を召喚する
11体まで骨兵を統率する
その知識は死体側の物を引き継ぐ
骨隊長 召喚 499p
効果時間:永久
説明:骨兵20体と死体一体を生贄に
人型の骨を召喚する
6体の小隊長を統率する。
その知識と思考は死体側の物を引き継ぐ
骨将軍 召喚 9999p
効果時間:永久
説明:骨隊長と骨兵1万体を生贄に
人型の骨を召喚する
隊長を統率する。
その知識は生贄全てから、思考は隊長側の物を引き継ぐ
大食いスケルトン召喚 2999p
効果時間:永久
説明:骨兵や死体、動物を貪り、特性を吸収するスケルトンを召喚。召喚数限定1
魔力注入 1200p
効果時間:永久
説明:骨系兵士1体に魔力を注ぎ、魔法の使用を可能にする。
トイドール 5p
効果時間:任意
説明:召喚した骨系兵士を1/10サイズに変換する。
骨罠 召喚 5p
効果時間:3時間
説明:動物に噛み付く罠を地面に設置する。
爆弾スケルトン 50p
効果時間:滅した瞬間
説明:付けた骨兵が条件を満たした瞬間、起爆する爆弾を付ける。
残留思念 150p
効果時間:1分間
説明:死体から生前の特性を引き継いだ、ゴーストを召喚する。
ゾンビ化 100p
効果時間:3日
説明:死体を生きた物に対して、無差別に噛み付き仲間を増やすゾンビに変身させる。
酸ゾンビ化 20p
効果時間:1時間
説明:死体を酸を吐きながら直進し続けるゾンビに変身させる。
骨大砲 召喚 20p
効果時間:5分
説明:骨兵を打ち上げる大砲を地面に設置する。
ラブネクロ 100p
効果時間:発動時
説明:骨やゾンビの位置を瞬時に入れ替える(最大11体)
魔力回収 25p
効果時間:発動時
説明:召喚した対象を破壊する事で、召喚時に必要なポイントの半分を得る。
オーバーヒート 15p
効果時間:10分間
説明:骨系兵士の能力を一時的に3倍にする、オーバーヒートした骨系兵士の身体は徐々に破壊され、10分後には完全に滅する。
スケルトンエコ パッシブ
効果時間:永久
説明:骨系魔法の消費ポイントを1p下げる
スケルトンマスタリー5 パッシブ
効果時間:永久
説明:骨系兵士の能力を1.1倍する。
リーダーシップ強化5 パッシブ
効果時間:永久
説明:小隊長、隊長の統率数を4増加させる。
統率中、対象にスキルを伝授する。
魔力上昇20 パッシブ
効果時間:永久
説明:マジックポイントの回復量を500上げる
魔力最大値上昇20 パッシブ
効果時間:永久
説明:総マジックポイントを2000上げる
現在のマジックポイント31286/2500
EXP 259/20525
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