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冒険者ギルドの扉が開き、カジロウ達は大きな袋を持って入る。
酒を飲んで待機していた冒険者はみんな、カジロウ達を物珍しそうに見ている。
「じゃあこれお願いね、ゼスタ……次のクエスト受けといてくれる?」
掲示板へ向かおうとするゼスタを受付は呼び止めた。
「ちょっと……ゼスタさん……カジロウさんにも話があります」
「なんですか?」
カジロウは不思議そうに受付を見る。
冒険者達は受付の対応を見て噂の信憑性を確信した。
「あの……言い難いのですが、下位ダンジョン攻略は受ける事が出来ません……」
「やっぱ噂は本当だったみたいだぜ?……ああ……カジロウさん達はクエスト規制されるらしいな」
「え?何故です?」
「冒険ギルドには低ランクの冒険者も数多く来ます……
その人達が下位ダンジョンを受けれない状態が続くと
このギルドを利用する冒険者の人口が減り、ギルド自体の存続が大変になります、
一攫千金を求めてやって来ても、調査依頼しか無いのでは生活できないでしょう?……
そんな事が無いように、Bランク冒険者以上にはクエスト規制をお願いしています」
「俺は……」
「確かに現在はCランクですが、攻略速度が異常な為、
暫定でBランクとして認定します、
今後は半年に100個までしか下位ダンジョンは受注しないでください」
「絶対?」
「絶対です」
ゼスタはカジロウの方に手を置いてなだめるように言う。
「仕方ないでしょう?諦めましょう……」
誤算だった……どうする……借金は今回の報酬で半分しか返せないし……アイテムはクズみたいなの多かったしなぁ……
「そんな事言われても……借金が……」
「それは……ギルドからはなんとも言えませんね……」
質屋の稼ぎでは雀の涙だ……
……葬儀屋で収入を得るしか無いか……どうするか……葬儀屋も貴族が大量に式を挙げてくれるなんて事が無いとなぁ……
なんてこった……楽勝だと思ってたのによ!ムカついてきた……
「カジロウさん……早く帰りましょう?」
ゼスタは考え事をするカジロウを抱えて馬車へと戻って走り出した。
カジロウは少し身をよじって抵抗したが、ゼスタにガチッとホールドされて馬車に投げ込まれる。
どうする……貴族を殺すのは容易いだろう……だが、どうやったらうちの墓に入れようと思う?
カジロウは質屋に着くまで考えたが、いい考えが全然浮かばなかった。
馬車から降りるとゼスタは急いで降りて家へと入った。
何をそんなに急ぐのか?……まぁ良い……どうする……
カジロウがドアノブに手をかけたとき、質屋の中から子供の声が聞こえてきた……
『キャハハハッ』
『コラ!静かに待つように言ったはずですけど?』
『え?聞いてなーい!』
カジロウは急いでドアを開けると2〜15位の子供達が8人も居てゼスタに抱き締められている。
みんな音を立てて入ったカジロウを見つめていた……
「は?……え?……産んだの?」
「はい……アマゾネスですから……」
確かに子作りは必要無いと聞いていた……でも早すぎる……そうだよ……犬猫じゃ無い……なんだ?いつだ?
カジロウは混乱して脳みそがめちゃめちゃになっていた。
「フフフ……嘘ですよ?……皆さん……この方があなた達を救ったカジロウさんです」
子供達はガヤガヤとカジロウを取り巻き、1番大きな……と言っても15歳くらいか?
小さな子供を抱きながらカジロウに話しかけてきた。
「ありがとうございます……本当にこのご恩は一生忘れません……」
……ダメだ!考えたけど訳がわからない……
「おい、ゼスタ……どういう事だ?」
「え?……カジロウさんにしては察しが悪いですね……奴隷としてきたこの子達を買っておいたんですよ……」
「はぁ?……いつだよ?」
「最初の下位ダンジョンの報酬を貰った後、
冒険ギルドのテラスで飲んでたら
この子達が牢屋に入って商人に連れられているのを見て私、怒ったんです!」
しらねぇよ!俺が怒ってるんです!
「商人と用心棒を殴り飛ばしても金が無いと渡さないとか言うから手付金を払ってやけ酒飲んで帰ったら……カジロウさんが机に金を用意してくれていたでしょう?」
「おい!ふざけんな!聞いてない事だらけだ!金は百歩ゆずって良いとしても、聞いてないって事実が1番むかつく!」
「え?……商人と喧嘩した事は受付嬢が言ったって言ってましたが?……まぁ私も少しやましくて地下室に一旦隠しちゃいましたが……」
子供達の不安な表情は流石に心が痛い……
なんなんだよ一体!
「さぁあなた達……どうしました?」
子供達も自分が返されるのではないかと不安がっている様だった。
俺の事を成人だと思っていたのか?……だが俺は心を鬼にするぞ!何たって世界を崩すんだ!子供もいっぱいこれから殺す!
「ゼスタ!その子達は返す!嫌なら俺が……」
「無理ですね……返却保証期限は3日ですから、金が帰ってこないのに子供を返しに行きますか?」
この女は本当に天然でやっているのか?……それで地下に一旦隠したのか……
「はぁ……仕方ないね……」
子供達はお礼を言ってカジロウの頬っぺたを吸った。
「じゃあ寝るね……」
子供達は一斉に挨拶する。
「おやすみなさーい!」
くそったれ……
カジロウは自室の着ぐるみが子供達に弄ばれ、散り散りになっている。
カジロウは小さい着ぐるみを拾い上げていく。
ああ……最初に裁縫士にサンプルで作らせた小さい……そうか!これだ!……これならうまくいくかもしれない!
子供達も悪くない……ゼスタだけ悪い……
カジロウは名案が浮かび、ベットに入り眠りについた。
ーーーーーーーーーーーー拠点
メグロ城下町 墓地
ーーーーーーーー死体
2万4029
冒険者4(戦士2,ハンター1,聖職者1)
ーーーーーーーー
メグロ城下町の質屋
ーーーーーーーー死体
無し
ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー総戦力
隊長7(冒険2、その他)
隊長1(医者)
小隊長 29
小隊長 各1(商人、彫刻家、裁縫士、床屋、鍛冶屋、大工)
骨兵 442
骨犬2
ーーーー所持戦力
小隊1
骨犬 2
ーーーーーーーーーーーー本
骨兵 召喚 9p
効果時間:永久
説明:人や動物の死体を生贄に人型の骨を召喚する。
骨犬 召喚 29p
効果時間:永久
説明:人や動物の死体を生贄に犬型の骨を召喚する。
骨小隊長 召喚 99p
効果時間:永久
説明:骨兵と死体一体を生贄に
人型の骨を召喚する
10体まで骨兵を統率する
その知識は死体側の物を引き継ぐ
骨隊長 召喚 499p
効果時間:永久
説明:骨兵20体と死体一体を生贄に
人型の骨を召喚する
5体の小隊長を統率する。
その知識と思考は死体側の物を引き継ぐ
魔力注入 1200p
効果時間:永久
説明:骨系兵士1体に魔力を注ぎ、魔法の使用を可能にする。
トイドール 5p
効果時間:任意
説明:召喚した骨系兵士を1/10サイズに変換する。
骨罠 召喚 5p
効果時間:3時間
説明:動物に噛み付く罠を地面に設置する。
爆弾スケルトン 50p
効果時間:滅した瞬間
説明:付けた骨兵が条件を満たした瞬間、起爆する爆弾を付ける。
ゾンビ化 100p
効果時間:3日
説明:死体を生きた物に対して、無差別に噛み付き仲間を増やすゾンビに変身させる。
骨大砲 召喚 20p
効果時間:5分
説明:骨兵を打ち上げる大砲を地面に設置する。
魔力回収 25p
効果時間:発動時
説明:召喚した対象を破壊する事で、召喚時に必要なポイントの半分を得る。
オーバーヒート 15p
効果時間:10分間
説明:骨系兵士の能力を一時的に3倍にする、オーバーヒートした骨系兵士の身体は徐々に破壊され、10分後には完全に滅する。
スケルトンエコ パッシブ
効果時間:永久
説明:骨系魔法の消費ポイントを1p下げる
魔力上昇2 パッシブ
効果時間:永久
説明:マジックポイントの回復量を25上げる
魔力最大値上昇4 パッシブ
効果時間:永久
説明:総マジックポイントを160上げる
現在のマジックポイント182559/306
EXP 2/495
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