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「くそっ!あの腐れヤクザ共め!ワシは絶対にここから出んぞ!」
メグロ城下町の端にある霊園を営み、墓守をして生計を立てていた老人は悪態をついた。
彼は代々ここで墓守をしていて、
街で死人が出た時には家族や国が
料金を支払い、彼にに死体を埋める許可を得ている。
普通なら死体はきちんと埋められるが、彼はその作業を面倒くさがり適当にやる為、所々異臭を放つ地帯があったりする。
そこでは神父達はひっそりと鼻栓をして、死体を供養し、家族は死体を埋めると死ぬまで来ない。
埋めるのが面倒なら人を雇えば良いが彼はそれもしない。
得た金は全て闇ギャンブル場で擦ってしまう。
今あるのは途方もなく多額になった借金と臭い土地だけだ……その土地もヤクザによって地上げされようとしている。
墓守が酒を飲みながら入口の詰所にいると遠くから車輪の音が聞こえてきた。
ここに近づいてくる理由は一つしかない……誰かが死んだ時だ。
墓守は馬車を確認する。
変な形の馬車だが、従者の身なりはきちんとしている。
これは金になりそうだ……
墓守は酒をそこらに投げて、馬車を出迎える。
「へへへ……今日はどういったご用件で?」
「ああ……あなたが墓守でしょうか?」
「そうでございますよ」
「死人が出たので良い場所に埋めたいのですが?」
「ヒヒヒ……えぇありますよ!とびっきり良い場所です……きっとその方も喜ばれますよ」
「そうか……一度見たいので案内して頂けますか?」
「えぇえぇ、こちらへどうぞ」
墓守はカジロウと共に霊園に入っていく。
「ここです!どうでしょう?まだ2人ぐらいしか入っていない特別な人にしか紹介しない土地なんですよ!中々こんな土地ありませんよ!」
「そうか……ここが最高か?」
墓守はカジロウを見て強く言う。
「えぇ!もちろんですよ!」
「もし君が死んだら……ここに入りたい位に素晴らしいかな?」
「えぇ!私が死んだら必ず入りますよ!」
「そうか……じゃあ入ってもらおうか……」
「え?……ギャアアア!なんじゃあああ!」
墓守は地面から出た25体のスケルトンに掴まれ、引き裂かれた。
物言わない墓守と25体のスケルトンを見てカジロウは溜息をつく。
「本当に困った人だ……2人ぐらいしかだって?……桁が違うじゃないか……どこに隠せってんだよ……ポイントもなくなったし……まぁ墓地ならスケルトンが闊歩してても不思議はないね」
その後、カジロウは霊園を少し見回り、入る者がでないように入口の門を閉めた。
スケルトン達には一応寝ておいてもらった。
やっぱり最高の土地だ!
勝手に入った者は全て殺してしまおう!
明日から大変だぞ!カジロウアンダーランドの建設だ!
カジロウは馬車で帰宅すると明かりがついている。
ああ……ゼスタが帰って来てるのか……
カジロウは上機嫌で二階へ上がった。
「お帰りなさい……」
ゼスタは少し微妙な感じだったが、席につくと料理を出されたので食べた。
「神よ……今日も……」
ゼスタは目を閉じて神に祈ってから食べ始めた。
ゼスタは食べながら話し始める。
「カジロウさん……確認したい事がありますよ?」
「あん?パーティの事?あの事なら……」
「違います……あなたは何者ですか?」
ゼスタはカジロウを見つめた。
「何?」
「今日……ゴブリン村跡地に……事後調査しに行きました……あなた昨日、夜中に抜け出してどこ行きましたか?」
こいつ……それを調べてやがったのか、何で夜中抜け出したのをゴブリン達と結びつける?直感か?……言い訳は考えてあるが……
これでダメならこいつは殺して霊園行きだ!
裏庭からスケルトン達が這い出し、静かに一階を包囲する。
「ああ……ばれたみたいだね……」
「聞かせてください、何故ゴブリンを埋めたんですか?そして50体は何故肉を削いだのですか……?」
ゼスタはスタナーに手を置いているのが分かる。
「悲しいね……君も俺達の魔法を否定するんだね……君の信仰する神は人間しか供養してはいけないのかい?」
「えぇ…天国に亜人を送るのは……」
「君自身の意見は?」
「それは……」
「俺が死体を操って人形に変えてそれを使い、共存する魔法を使うのは知っているかい?」
「はい……冒険ギルドで噂しているのを聞きました……確か小人を……」
「ここだけの話……実は人間でも亜人でも死体なら操れるんだ……50体は操ったのさ……」
ゼスタは驚き、目を見開く。
「え?……」
「俺の祖先は魔法の性質に偏見のある人達に迫害を受けて殆ど殺されたんだ……
生き延びた者は到底人間が住めないような所に逃げてこの魔法に生かされた……
俺にとっては魔法は先祖代々受け継いで来たものだし、性質を含めて誇りに思っている……
俺は死体に生かされているという教えの元で魔法を学んだから使わない死体にも敬意を払いたい、
それがゴブリンだろうがアマゾネスだろうが偏見しないし、
できる事なら種族関係なく、死んだ後は安らかに眠って欲しい……
君の神を否定はしないよ……
ただ、これからも俺は倒したモンスターを極力埋葬するし、一部は人形にして戦う……
それを否定したいなら君とはパーティは組めないな……」
そして死んでもらう……
しばらくゼスタは押し黙っていた。
「昨日のゴブリン達は見た時に、野犬に噛まれたのか酷かったんで、50体は操り骨だけにして、死体を移動するまで状態を保管しておく為、地中に埋めておいたんだ」
「移動……?」
カジロウは霊園の書類を机に置いた。
「うん……今日やっと手に入ったんだ!今は荒れた大地だけど、ここを綺麗にして埋葬してあげればきっと彼等は安らかに眠れる……俺は明日にでもゴブリン達を掘り起こして埋葬するよ……
俺の魔法は危険だとみんなに話して阻止するかい?」
「……わかりました……じゃあ3点約束してくれたら私は貴方を否定しません……
町民の埋葬に関しては無償で行う事……
埋葬は私を必ず呼び、キチンとした形で埋葬する事……」
「え?モンスターの埋葬も?」
「当然です」
そんな事約束したら気に入らない奴をブチ殺した時どうするんだ……
殺るか……?
「ああ……あと1点ありました……」
「は?」
「一階に居る兵士を全て地下室に戻してください」
「な…なんで?」
「強盗用に裏口に簡単なブービートラップを仕掛けておいたのですぐに……
結界も貼ってあるので襲われたらすぐにホーリーサークルを叩き込んで……」
「わかった……でも埋葬費を貰わないのは貧乏人だけで良いよね?」
「まぁそのぐらいは許しましょう」
スケルトン達は地下室へ戻っていく。
ゼスタが何処まで勘づいてるのか……
普通に連続殺人も知っているのか?……まぁ結び付けてて不思議はないな……
殺人者を脅迫するシスター……か…
カジロウは恐ろしくなった。
……まぁ黙ってるって約束したんだ……いいか……いいよね?
大腕振って悪い事出来る計画が……何故かゼスタに頭を抑えられる結果に終わった。
カジロウは悔しくがりながら布団に入った。
くそ……あいつ早く死なねぇかな……
ーーーーーーーーーーーー拠点
メグロ城下町 墓地
ーーーーーーーー死体
約2万
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メグロ城下町の質屋
ーーーーーーーー死体
無し
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ゴブリン村跡地
ーーーーーーーー死体
ゴリラブリン
ゴブリン7体
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ーーーーーーーーーーーー総戦力
小隊長 6
小隊長 各1(商人、彫刻家、裁縫士、床屋、鍛冶屋、大工)
骨兵 111
骨犬2
ーーーー所持戦力
小隊長 2
骨兵20
骨犬 2
ーーーーーーーーーーーー本
骨兵 召喚 9p
効果時間:永久
説明:人や動物の死体を生贄に人型の骨を召喚する。
骨犬 召喚 29p
効果時間:永久
説明:人や動物の死体を生贄に犬型の骨を召喚する。
骨小隊長 召喚 99p
効果時間:永久
説明:骨兵と死体一体を生贄に
人型の骨を召喚する
10体まで骨兵を統率する
その知識は死体側の物を引き継ぐ
骨隊長 召喚 499p
説明:骨兵20体と死体一体を生贄に
人型の骨を召喚する
5体の小隊長を統率する。
その知識と思考は死体側の物を引き継ぐ
トイドール 5p
効果時間:任意
説明:召喚した骨系兵士を1/10サイズに変換する。
骨罠 召喚 5p
効果時間:3時間
説明:動物に噛み付く罠を地面に設置する。
ゾンビ化 100p
効果時間:3日
説明:死体を生きた物に対して、無差別に噛み付き仲間を増やすゾンビに変身させる。
スケルトンエコ パッシブ
効果時間:永久
説明:骨系魔法の消費ポイントを1p下げる
魔力上昇1 パッシブ
効果時間:永久
説明:マジックポイントの回復量を20上げる
魔力最大値上昇1 パッシブ
効果時間:永久
説明:総マジックポイントを100上げる
現在のマジックポイント8/213
EXP 32/55
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