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「……ごめんなさい……」


カジロウが意識を取り戻すとゼスタは謝ってきた。


……くそ、異世界ではDランク程度の女魔法使い未満の身体能力をカジロウは恨んだ。


だが、まぁ意地張っても仕方ない。


骨隊長を試せないフラストレーションが募り、理不尽な態度を取った事は反省しよう。


話を聞くぐらいの事はするか……


「ああ……気にしないでください、どうです?パーティの件は食事しながらでも聞きましょう……」


「え?許して頂けるんですか?」

「えぇ、一旦水に流しましょう……」


「あの……これも……すみませんでした……」

ゼスタは手の上には潰れた人形が乗っている。


この野郎!……だが、俺が気を失った時の人形達の行動も気になる。


「えぇ、人形は治りますから……お怪我はありませんでしたか?」


「はい!ありません!」


「但し話を聞いた後にパーティを組むかどうかは分かりませんよ?」

「もちろんです!許して頂けただけで感謝致します」


カジロウは適当な料理を頼み、ゼスタの熱弁を聞き流しながら食事をした。


夜になり冒険者ギルドには活気が溢れて、給仕が大忙しで動き回っている。


「……で!私は思うんです!……マエリアは……」


「……うん……それで?……」


ゼスタの出生の秘密等、カジロウは聞いていないが、カジロウの何に気を許しているのかゼスタはペラペラと喋っている。


カジロウは要点だけ頭に一時保管して聞き流す。


「……カジロウさん?聞いてます?」

「ああ、女性に助けられたんだろ?それで?」


「で!笑っちゃうんですよ!彼女は家事が……」


……とっくに食事は終わり、皿も片付けられた。


こいつはいつまでペラペラと関係ない話をしてるんだ?

パーティの話はどうしたんだ……まぁ忘れてるならそれで良いか……どうせランクDの調査任務を受ける様な冒険者とは組む気はない。


カジロウはゼスタやマエリアのプライベートを存分に聞いた。


ゼスタは酔っているのか話がループしている。


「……そう、実はアマゾネスなんです……」

「そうか……大変だったね……」

実はも何も今日だけで3回聞いた。


「そこで……なんですか?」

「ちょっと待って……」

カジロウは興味深い話が隣の席からしてきてゼスタに話を手で中断させ、話に聞き入る。


「おい、見てみろよ……」

「老人だろ?両脚を失ってるな…ありゃあもうお終いだぜ」

「ああ、全盛期はBランクをこなす程、凄腕だったって話だが、Dランクの新人に助けられたらしいぞ?もう終わりだな」

「新人に?それはそれで凄いやつだな……しかし冒険者に年齢制限が無いから引き際を間違えたら大変だな……老いはこえーな」


「あの爺さんの仲間はとっくに引退したのにな……Dランク任務もまともに出来ずに負傷して新人を巻き込むなんて……俺なら恥ずかしくてモンスターの餌になるぜ」


「あの老人はいつも偉そうにしてたのにな……今の若い者はとかってよ……はははは」


その老人も近くの席で飲んでいたが、恐らく聞こえているのだろう……頭を抱えて俯いている。


カジロウが気になるのはこの冒険者達、Cランク以上なら是非入れて欲しい。


丁度良く、男のみのパーティだ、カジロウは同性愛者では無いが、もう惚れた腫れたはこりごりだ。


老人を助けた新人の事も認識しているみたいだし、説明すれば入れてくれるかもしれないな……


ゼスタには悪いが……


カジロウは立ち上がり冒険者達に話しかけた。


「なんだぁ?」

「お話中のところ、すいません……私はあの老人を助けた魔導師で……」


「相手にすることなぁい!」

カジロウは肩をグイッと後方に引かれて吹っ飛び、テーブル席と共に倒れた。


カジロウとテーブル席が倒れ、コップが散乱する。


それを周りの冒険者たちが見ている。


「カジロウさんはこう言いたいんです……クソ野郎ども!弱い癖にガチャガチャ言うんじゃねーよって!」


おい、本当にやめろ!

この女は自分に都合の悪いフラグをへし折り、仲間フラグを立てていく。


わざとやっているのか?……更にコイツ、さらっと俺の意見にしやがった。


「何だと?新人の癖に調子に乗りやがって!教えてやるぜ……あぎゃ!」


ゼスタはカジロウに対して構えた冒険者を横からスタナーで殴り飛ばした。


「てめぇ!ゼスタぁ!」

「五月蝿いんですよ!人の事を蔑む前に……働けやぁ!」

冒険者達はスタナーでボコボコにされる。


「やめろゼスタ!……あぁ!」

止めに入った冒険者達すらゼスタは叩きのめしている。


何だこいつ……やり過ぎだろ、やりたい放題やりやがって…………俺よりやりたい放題やってる……


カジロウは敗北感を味わった。


カジロウは5体の人形でゼスタを止めるが、中々止まらず暴れて周る、関係無いテーブルまで叩き潰している。


カジロウの人形に捕まれ、ゼスタは息を切らしながら冒険者達を睨む。


「フゥ……フゥ……」

「ひ…ひぃ!ゼスタぁ!もう、許してくれ!」

「もう、いひまぜんが?」


カジロウは冒険者達に見つめられる。


「おい!あんた!……いや!貴方様!ゼスタを連れてってくれ!頼む!」


カジロウは溜息をつき出口に向かうが、誰かに肩を叩かれた。

振り向くと受付がいる。


「暴れるなら外でって……お願いしましたよね〜?テーブルとか潰れちゃったので……」

「私はお金ありませんから!」

「ですよねぇ〜」


受付は無表情でカジロウを見た。

カジロウは素直に金貨30枚を払い、冒険者ギルドから出る。


カジロウはゼスタから人形を離して質屋へ馬車を走らせる。


支えを失ったゼスタは地面で居眠りしている。

ゼスタの事なんて知ったことでは無い!


依頼を達成してから出口が遠かった。

文字通り骨を折って達成したのに、結局大損したじゃ無いか……わざとやってるなら大したもんだ……


質屋の扉を開けて中に入り、届いた新聞を手に持ち、裏庭に向かう。

地下へ潜って、髭を剃って、シャンプーして、今日の事は忘れよう……


「あの…カジロウさん……」

裏庭で突然声をかけられ、カジロウは飛び上がった。


「な…何だお前!何勝手に入ってんだ!」

「金がなくて……宿が……」

「知らねーよ!部屋が無いんだ!泊めないよ!」


カジロウは裏口を閉めて二階の部屋に入りベットに潜り込んだ。

もう今日は終わりにしよう……


『カンカン』


……は?


裏庭から何か叩く音がする。

「あれぇ?」

急いで飛び起き、窓から確認するとゼスタが何かやっている。


「ヤメロォォォォ!」

カジロウは急いで裏口から出た。

「何やってんだよ!」


「いや、テントを張ろうと思って……そしたら岩盤かな?…硬くて…」


地下室の入口は鉄製だ、そこにピンポイントでテントの杭を打とうとしてやがる。


殺す!

カジロウは二階の人形に命令し、動かそうとした瞬間、裏庭につながる玄関を誰かが叩く。


ゼスタは勝手に裏庭の扉を開けた。


「おい!」

「今開けますね」


そこには冒険者ギルドの受付が立っていた。


「ああ、ゼスタさん?スタナー忘れてましたよ……カジロウさんの所に行くって言ってたから持って来ました……男性の所に泊まる時は自衛しないとね」


「ありがとうございます」


ゼスタはスタナーを受け取り、扉を閉める。


コイツ……殺されない為の根回しまでしてやがった!


「じゃあ、迷惑は掛けませんから、お休みなさい……ふん!」

ゼスタはスタナーで思い切り杭を地下室の扉に叩き込んだ。


変な音がした……きっと壊れた……やめてくれよ……岩盤だとしても他人の庭に勝手にやるかよ……普通……


涙を堪え、カジロウはゼスタの肩を掴み、裏口を向かせる。


「いや……庭とは言え女が1人でいたら危ない……丁度部屋が余ってるから入りな……」


「?……余ってないって……」


「そう言えば諦めると思ったけど、駄目なのわかったから」


「そうですか?……じゃあテントを……」

「今日は疲れてるんだろ?もう寝て明日にしなよ……そうだ!俺の人形にやらせるから……」


ゼスタに商人妻の部屋を案内して、テントは小隊に片付けさせて地下扉には土を盛った。


はぁ…本当に疲れる……

カジロウは本を眺め、骨隊長の説明欄を眺めた。



……20体か……骨隊長が気になって眠れない……早く作ってみたい!そうだ!地面に隠せば!骨だけは作れるか……


カジロウはゼスタの部屋に耳を当てて確認した。


寝ているようだな……

カジロウは人形を連れて馬車を走らせ、ゴブリン村跡地に行き、50体の骨兵を作って、骨兵たちに58の穴を掘らせて、ゴリラブリンとあまりゴブリンと共に骨兵を地中に埋めた。


急いで城下町の質屋へ戻り、人形を小さくしてベットに入る。


カジロウは本を見る。

おお!最大値上昇か!これは良い!


これで後はポイントを貯めて作るだけだな……あの老人が元Bランクなら……ゴリラブリンの死体もある……楽しみだ……


深い眠りについた。

ーーーーーーーーーーーー拠点

メグロ城下町の質屋

ーーーーーーーー死体

無し

ーーーーーーーー


ゴブリン村跡地

ーーーーーーーー死体

ゴリラブリン

ゴブリン7体

ーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーー総戦力

小隊長 6

小隊長 各1(商人、彫刻家、裁縫士、床屋、鍛冶屋、大工)

骨兵 86

骨犬2

ーーーー所持戦力

小隊長 2

骨兵19

骨犬 2

ーーーーーーーーーーーー本

骨兵 召喚 9p

効果時間:永久

説明:人や動物の死体を生贄に人型の骨を召喚する。


骨犬 召喚 29p

効果時間:永久

説明:人や動物の死体を生贄に犬型の骨を召喚する。


骨小隊長 召喚 99p

効果時間:永久

説明:骨兵と死体一体を生贄に

人型の骨を召喚する

10体まで骨兵を統率する

その知識は死体側の物を引き継ぐ


骨隊長 召喚 499p

説明:骨兵20体と死体一体を生贄に

人型の骨を召喚する

5体の小隊長を統率する。

その知識と思考は死体側の物を引き継ぐ


トイドール 5p

効果時間:任意

説明:召喚した骨系兵士を1/10サイズに変換する。


骨罠 召喚 5p

効果時間:3時間

説明:動物に噛み付く罠を地面に設置する。


ゾンビ化 100p

効果時間:3日

説明:死体を生きた物に対して、無差別に噛み付き仲間を増やすゾンビに変身させる。


スケルトンエコ パッシブ

効果時間:永久

説明:骨系魔法の消費ポイントを1p下げる


魔力上昇1 パッシブ

効果時間:永久

説明:マジックポイントの回復量を20上げる


魔力最大値上昇1 パッシブ

効果時間:永久

説明:総マジックポイントを100上げる


現在のマジックポイント2/213

EXP 2/55

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