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「はぁ……」
またやってしまった……
半目を開けて意識を飛ばすカジロウを見ながらゼスタは、やけ酒を飲んでいた。
ゼスタはアマゾネスの村に生まれた。
アマゾネスは単為生殖する人間らしい……
つまりみんな雌であり雄で、子供を作るのに子作りを必要としない。
子供を産む時は突然妊娠する。
妊娠のタイミングは個人で微妙に違う、
初恋、初潮、ストレスなどが要因は様々だ。
遺伝子的には子供というよりクローンに近いが……
アマゾネスは全体的に体がデカく丈夫だ、
ほって置いても栄養さえあれば増えていく。
人間か?モンスターか?というのも微妙な扱いのアマゾネスを貴族は奴隷として欲しがり、
アマゾネスの村は見つけ次第捕獲の対象になってしまう。
ゼスタも例外ではなく、8歳の時に村は襲われ壊滅した。
抵抗する成人は全て殺され、子供達は捕獲された。
ゼスタは友達と離れ、奴隷商人と共にメグロ町を訪れる。
ゼスタが牢屋に入れられ道通る。
通行人は商人に対し、避難の目を向けるが何も言わない。
結局こんなもの……まぁ生きてるだけで儲けものか……
奴隷の生活がどんなものかは商人から説明を受けた。
ゼスタは性奴隷として売りに出される。
性処理はしなくてはならないが、
命までは取られないしソコソコには大事に扱われるらしい。
性処理をしながらなら、鹿狩り等をする事は許してくれるだろうか?
ゼスタはそんな事を考えながら町民達の様子を眺める。
シスターが見るに見かねて身を呈して商人の馬車を止める。
マエリアとの出会いだ。
「止まりなさい!」
「これはこれはシスターさん……何でしょうか?」
「そんな小さい子!許されません!その奴隷を解放しなさい!」
「すいませんね……聖職者のお言葉とはいえ、私にも生活があります、大金を出して買ったのに解放しては……」
「幾らです?」
「聖職者が奴隷を買うと?」
「そうです!」
マエリアは結構有名な貴族の娘らしくゼスタを金で買い、解放した。
その行為を他の聖職者には避難されたらしいが、マエリアは気に留めず、ゼスタを養子にしようとまでした。
流石にマエリアの親族は養子に関しては大反対し、マエリアを多額のお金と引き換えに絶縁した。
他人の為にそこまでするのか……?
それがゼスタの正直な感想だったが、恩は感じた。
その後、マエリアは聖職者を続けてゼスタを養い続ける。
ゼスタは成人し、マエリアは暫くメグロ町の司祭をやっていたが、ある日突然失踪してしまう。
マエリアは捜索願いを兵士に出したが、見つからない。
少し型破りなゼスタは聖職者達から露骨に嫌がられ、
司教からは無期限の布教活動を命じられている。
まぁ程の良い厄介払い……
しかし、マエリアに習ってゼスタは真面目に人々を助けようと思う。
自分が受けたマエリアからの愛を少しでも人々に配りたい。
マエリアから回復魔法を少し教えてもらっていたので冒険者をやりながら布教と人助けをする。
言葉遣いを丁寧にして色んなパーティに誘われて行動したが、8歳までは野生の生活をしていた為、回復魔法より攻撃の方が得意だった。
ある時は文句を言われてカッとなって気が付いた時には仲間の戦士と仲裁した戦士をスタナーで叩きのめしてしまった。
マエリアの様に清く優しくというのは私にとっては中々難しい。
その事件様な事を5.6回も起こすとあまり一緒に行ったくれる人が居なくなる。
仕方なくゼスタは危険そうな討伐と共に出される調査任務を受けて、討伐任務に順次した冒険者達を無償で癒すことにした。
マエリア程は回復魔法も得意ではなく、止血や解毒、簡単なシールド生成位しか出来ないが、Dランク冒険者達は結構喜んでくれるのでゼスタも楽しんで人を癒す。
そんな調査生活が3ヶ月も続けば金欠になる。
何しろ調査任務は安いし時間がかかる。
そろそろ誰かに泣きつきパーティに入れてもらおうか……?
そんな思考をしながら冒険者ギルドの受付で任務を見ているとDランクにしては危険な任務を発見する。
ゴブリン村の討伐任務……これは危険だ、きっと私の助けがいる。
受付に聞くとBランクとEランク3名が既に受けているらしい。
急いで調査任務を受注し、スタミナ超回復の魔法を自分にかけ、現地へ全速力で走った。
ゴブリン10体との死闘を繰り広げ、周囲を探し回った……村を見つけた時には翌日の昼になってしまった。
村は静かでゴブリン達は鍋のスープをみんなで食べている。
討伐を受けた冒険者達はまだ着いていないのか?
まぁBランク冒険者が含まれているパーティなら私の出番はないかもしれない。
冒険者達は少数だ、恐らく裏から襲いかかるだろう。
ゼスタは村の裏側に周り冒険者の到着を待った。
ゴブリン達が騒ぎ始めた。
そんな…正面から攻めるなんて!
急いでゼスタが確認するとゴブリンとカラフルな色のモンスターが戦っている。
モンスター同士の争い?……いや、人間も混じっている。
戦いは人間側が勝利し、人間は人形に周囲を確認させている。
人間は戦いで壊れたであろう、動かなくなった人形を小さくして大事そうにしまっている。
きっとマエリアの様に優しい魔法使いなんだ……人形の可愛らしさからもそれが滲み出ている。
その人間は冒険者達を家から出して戻ろうとしている。
いけない!冒険者達の1人は脚を失い、血を流しているのが見える。
ゼスタは急いで魔法使いに話しかけたが警戒され、回復魔法が終わると逃げられた。
証拠品を忘れている!そう叫びながら追いかけたが、見えなくなってしまった。
少し頭に来るが、それでいつも失敗している……ゼスタは落ち着いた心でゴブリン達の証拠品を集めて町へ猛ダッシュした。
これをキッカケにしてパーティを組んでもらおう!
魔法使いの証拠品を届けてパーティに誘ったが、乱暴に断られて悪い癖が出てしまった……
自衛の為とはいえ、彼の人形まで何度も握り潰してしまっている。
ああ……嫌な事があると酒が進む……
魔法使いは頭を振りはじめた……起きた様だ…
「う……くっ……」
謝ろう……そう思った……
「ごめんなさい……」
ーーーーーーーーーーーー拠点
メグロ城下町の質屋
ーーーーーーーー死体
無し
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ーーーーーーーーーーーー総戦力
小隊長 6
小隊長 各1(商人、彫刻家、裁縫士、床屋、鍛冶屋、大工)
骨兵 36
骨犬2
ーーーー所持戦力
小隊長 2
骨兵19
骨犬 2
ーーーーーーーーーーーー本
骨兵 召喚 9p
効果時間:永久
説明:人や動物の死体を生贄に人型の骨を召喚する。
骨犬 召喚 29p
効果時間:永久
説明:人や動物の死体を生贄に犬型の骨を召喚する。
骨小隊長 召喚 99p
効果時間:永久
説明:骨兵と死体一体を生贄に
人型の骨を召喚する
10体まで骨兵を統率する
その知識は死体側の物を引き継ぐ
骨隊長 召喚 499p
説明:骨兵20体と死体一体を生贄に
人型の骨を召喚する
5体の小隊長を統率する。
その知識と思考は死体側の物を引き継ぐ
トイドール 5p
効果時間:任意
説明:召喚した骨系兵士を1/10サイズに変換する。
骨罠 召喚 5p
効果時間:3時間
説明:動物に噛み付く罠を地面に設置する。
ゾンビ化 100p
効果時間:3日
説明:死体を生きた物に対して、無差別に噛み付き仲間を増やすゾンビに変身させる。
スケルトンエコ パッシブ
効果時間:永久
説明:骨系魔法の消費ポイントを1p下げる
魔力上昇1 パッシブ
効果時間:永久
説明:マジックポイントの回復量を20上げる
現在のマジックポイント501/112
EXP 3/50
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