15
カジロウは城下町の検問を受ける。
場所の中の冒険者はだいぶ落ち着いたらしい。
冒険者は既に服を着ている。
老人は放心し、頭を抱えて何かを呟いている。
「くそ……」
衛兵隊長がカジロウに話しかけてくる。
「カジロウさん、いつもお疲れ様です」
「これはこれは隊長さん、今日は時間があるのでじっくりと検問してください」
カジロウは衛兵に10金貨を握らせた。
「ええ……わかりました」
衛兵達はじっくりと時間をかけて、
中を見て出着調書を3回分書いている。
調書には日付が書かれていない。
衛兵達はカジロウが見て欲しい時に沢山見て、
見られたく無いそぶりをした時には、
この書類を代替で報告書として出している。
商人の情報によると検問を回避した時の金貨の大部分は城主に近い所まで分配される……衛兵達にとっては今日のような小遣いの方が身入りが良いらしい。
「カジロウさん、ご協力ありがとうございました」
「いつもお疲れ様です」
カジロウは馬車を走らせて、城下町の冒険ギルド前で止める。
「ほら、報告するから……」
「はい……」
冒険者はお互い抱えあって歩くが、老人は冒険者に無視される。
仕方ないのでカジロウの犬に老人を乗せて受付まで行く。
カジロウは冒険者ギルドへ入り、救出者届けを受付に出した。
後は救出された者が自分の名前、被害者の名前を書類に書く為、救出者に関してのカジロウの仕事はここまでだ。
冒険者達はショックを受けて震えてるのか?
全然書類を記入しようとしない。
しかし、カジロウには関係の無い事だ。
受付はホワイトボードの数値をいじり、カジロウに話しかけた。
「カジロウさん……帰ってきたんですね〜……では早速、村の位置、討伐数の記入と証拠品の提示をお願いします……1匹につき3銀貨の報酬はすぐに、壊滅報酬の15金貨は村壊滅を調査確認後に支払われます」
「あ……」
証拠品としてゴブリン達の耳や眼球を持って帰らなければならない……知識としては知っていたが、忘れていた。
受付はカジロウを見つめる。
「……忘れました?」
「……はい……すみません」
カジロウが謝ると受付は無表情で返答した。
「わかりました…それでは調査時に……」
「ゴフゥ……ゴフゥ……58匹!」
カジロウの耳に荒息が当たり
肩の上から腕がニュッと伸びてゴブリン達の耳が大量にテーブルに置かれる。
カジロウはこの声に聞き覚えがあった。
気狂いシスターだ!
……徒歩で?……いくらなんでも早すぎないか?
受付はカジロウの背後の人物に微笑んだ。
「あら、ゼスタさん、おかえりなさい」
ゴフゴフ言いながらカジロウに息をかける、カジロウは不愉快だ。
カジロウは意地でも振り向かなかった。
カジロウは無言で討伐数に58と記入し、受付に確認させた。
受付は証拠品と報酬の為に奥の部屋へ消えた。
ゼスタは荒げる息をカジロウにかけながらカジロウの肩を強く掴んだ。
「痛い!やめろ!」
「ゴフゥ……フゥ……あら?なんて口の利き方なんでしょう?」
カジロウが振り向かされるとやはりシスターが息を荒げて立っている。
180位だと思ったが、近くで見ると190cmは超えてそうだ……
「喧嘩は外でやってくださいねぇ…」
受付はジャラッと報酬(17金貨、7銀貨)を出した。
カジロウはゼスタの手を振り切り、早々に報酬を皮袋に入れて外に出ようとする。
「じゃあ、これで失礼します……」
「それで?お礼は無いんでしょうか?」
ゼスタの手は無視するカジロウの肩へ執拗に絡みついてきた。
……だから力強いって……いてて……
「ああ……ごめんなさい……これをどうぞ……」
ゼスタに金貨3枚渡して、歩こうとするが
ゼスタはニコニコしながら、まだ肩を離さない。
「なんすか?痛いって!」
「パーティ組みませんか?」
唐突過ぎだろ……そんな言い方で組みたいわけ無いだろ。
「はぁ?いきなり何言ってんだ?バカ……」
ゼスタがカッと目を見開いた瞬間。
突然、救出者リストを書いていた女冒険者が騒ぎ出した。
「あああ!ポッテスぅ〜!」
女冒険者は紙をグシャグシャに握り潰して、男冒険者はなだめる。
女冒険者の矛先は老人に向き、老人を攻め立てた。
「あんた!ベテランじゃなかったのかよ!ポッテスを!ポッテスをぉぉぉぉ!かえせよぉぉ!」
「おい落ち着けって!」
老人は何も言わず、女冒険者に揺さぶられる。
「す……すまない……」
「はい!とにかく落ち着きましょう?」
受付は女と老人をなだめて離し、女を落ち着かせる為に男女を奥の部屋へ通した。
老人は1人椅子でうなだれている。
ゼスタはそんな様子を見つめていた。
「気の毒に……」
やっぱりこいつとは気が合わない……
どうせ1年後にはポテスは思い出になって、相談を受けて支えてくれた男を好きになる、そして結ばれるパターンだろ?
かわいそうなポテチだ!
本当にムカつくぜ!
ゼスタはカジロウの肩を離して老人に近付き、金貨3枚を手渡した。
「これだけしか手持ちはありませんが……あの……これからは入り用でしょう?」
「ああ……すまんな……」
確かに……老人はこれからハンデを背負って生きなければならない、こんな世界ならなおさら厳しいだろう……俺の金もやろうか?
……だがこんな女にも構ってられない!
俺にはやりたい事があるんだ!
さっさと行こう!
カジロウは冒険者ギルドの出口へ向かう。
「ちょっとまだ話は終わってません……先ほどは急すぎましたね……所持金がなくなってしまったので、取り敢えずお酒をおごってください」
何が取り敢えずだよ……
「やだよ……うぎゅ!」
カジロウは扉の前で首を締め落とされ、
意識が飛んだ、防衛機能が働き、
カジロウを守ろうと暴れる小さな人形達は全て体を1分毎に握り潰され続けた。
カジロウが意識を取り戻し、テーブルから顔を上げた時、向かいに座るゼスタは酒瓶を大量に空けていた。
ーーーーーーーーーーーー拠点
メグロ城下町の質屋
ーーーーーーーー死体
無し
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ーーーーーーーーーーーー総戦力
小隊長 6
小隊長 各1(商人、彫刻家、裁縫士、床屋、鍛冶屋、大工)
骨兵 36
骨犬2
ーーーー所持戦力
小隊長 2
骨兵19
骨犬 2
ーーーーーーーーーーーー本
骨兵 召喚 9p
効果時間:永久
説明:人や動物の死体を生贄に人型の骨を召喚する。
骨犬 召喚 29p
効果時間:永久
説明:人や動物の死体を生贄に犬型の骨を召喚する。
骨小隊長 召喚 99p
効果時間:永久
説明:骨兵と死体一体を生贄に
人型の骨を召喚する
10体まで骨兵を統率する
その知識は死体側の物を引き継ぐ
骨隊長 召喚 499p
説明:骨兵20体と死体一体を生贄に
人型の骨を召喚する
5体の小隊長を統率する。
その知識と思考は死体側の物を引き継ぐ
トイドール 5p
効果時間:任意
説明:召喚した骨系兵士を1/10サイズに変換する。
骨罠 召喚 5p
効果時間:3時間
説明:動物に噛み付く罠を地面に設置する。
ゾンビ化 100p
効果時間:3日
説明:死体を生きた物に対して、無差別に噛み付き仲間を増やすゾンビに変身させる。
スケルトンエコ パッシブ
効果時間:永久
説明:骨系魔法の消費ポイントを1p下げる
魔力上昇1 パッシブ
効果時間:永久
説明:マジックポイントの回復量を20上げる
現在のマジックポイント501/112
EXP 2/50
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