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カジロウが城下町に入ってから約1ヶ月が過ぎた。


メグロ城下町を兵士が走り、駐在所に駆け込む


「隊長!大変です!」

「くそ!またか!今度は誰だ!」


「今度は、鍛冶屋の主人が消えました!」


「くそっ!行くぞ!」

隊長と兵士は鍛冶屋に行き、奥さんに事情を聴取した。

酒を飲みに出たっきり帰ってこない。


最近、メグロ城下町では失踪事件が相次いで起こって、兵士達を悩ませていた。

女の独り歩きは禁止された。


町民達は犯人について推理し、酔いしれていた。


快楽殺人者か食人鬼が犯人だとか…

医者に解剖の実験台にされて殺された…

被害者達はみな借金をしていて連れて行かれた…

被害者達は事件の目撃者で連れて行かれた…

歌で人間を魅了するモンスターに連れて行かれた…


挙げ句の果てには

人形にされて売られて質屋に飾られている、

なんて突拍子も無いことまで噂している。


ここ最近は1週間に一回のペースで失踪事件が発生し、それがもう1ヶ月も続いている。


第1週は売春婦、質屋の店主、

城下町を見回りをしていた前任の隊長が部下2名とともに消えた。


次に床屋の主人が店で消え、彫刻家とその妻が自宅の作業場から消えた。


その次は大工の棟梁が材料庫に木材を取りに行くと言い残して消えた。


そして今回鍛冶屋だ。

調べたが、みんな経済的に安定していて失踪する理由がないし、城下町から出た形跡もない。

そしてどれもこれも死体が上がって来ない、その神業に町民は少し憧れる節もある。


「くそ!見張りの交代時間や休憩時間、警備範囲以外ばかりに疾走している!」


そろそろ捕まえないと町民の恐怖心と信仰心は募るだろう。

怪しいのは最初の被害者とみられていた前任の隊長だ、彼なら兵士達のシフトと警備範囲を詳細に知っている為、犯行が可能だ。


だが、何処に隠れているのか?


「よし!指名手配にしろ!城下町からは絶対に出てないはずだ。」


前任隊長の魔法で模写した似顔絵を町中に張り出すが、とうとう見つかることはなかった。


手配書が出回って少しした時、

質屋では顔馴染みになった客がカジロウに話しかけていた。


「カジロウさん、聞きました?」

カジロウは笑いながら話す。

「ああ、聞きましたよ!うちに飾られてるってやつね、笑っちゃうよ!」


「カジロウさん、本当の所…どうなんです?」

客は興味津々に聞いている。

「ふふふ……実は心当たりがあるよ」


客は驚き、すぐに冷静になるが、カジロウの真剣な表情にゾッとした。


「へへ…カジロウさん…え?嘘でしょ?」

「 ははは…本当だって…見るかい?」


客は恐怖を感じている様だった。

「はは…怖くないって!」


突然店に兵士達が入ってきた。

「失礼するよ」


客はカジロウが犯人だと確信した。

「カジロウさん…あんた……」


兵士は客に割り込み、カジロウに話しかける。

「カジロウさん……噂は聞いてますか?」

「馬鹿な噂話でしょう?丁度、今その話でお客さんと盛り上がって、噂の真相を教えてやるって話してたんですよ…ははは」


「確かに馬鹿な噂なんですが、火の無い……え?今なんて?」

「噂話の元ネタがあるって言ったんですよ」


隊長は真剣な顔でカジロウを睨み、兵士達は店内をウロウロしている。


「詳しくお聞きしましょうか?」

「実は私は魔法使いでしてね……人形を操る魔法が使えるんですよ」


カジロウはそう言ってカウンターから出て立ち入り禁止札を外し、

客、兵士達を二階に案内する。


そこには人形がずらりと並んでいた。

半分は骨格しか出来ていないが、半分は肉付けされて人形になっている。


「私の魔法は小人族の骨格を操る魔法なんで、こうやって入手しては二階で作ってるんですが……恐らく立入禁止を無視してこれを見た客が噂話と結びつけたと思ってます……

まぁ小人連続失踪事件の犯人だったら私とも言えなくは無いですが……」


客はそれを聞いて安堵する。

「な…なんだよカジロウさん!驚かすない!」


「ふむ……何故、肉付けしてるんです?」

カジロウは人形を確認する。

「ああ……見栄えが悪いでしょう?骨格だと……」


「……おい!彫刻家の妻は何を仕事していた?」

兵士は調書を見て答える。

「裁縫士です」


「そうか……カジロウさん、疑う様で悪いがちょっとだけ作ってるところを見せてくれないか?……あと居住区も調べさせてもらっても?」


「不器用ではずかしいですが……自由に調べて貰っていいですよ」

カジロウは言われるままに椅子に座り、作りかけの人形の服を完成させ、人形を踊らせて動作を確認している。


多少ぎこちないが、本を見ながらやる等のそぶりは見せない……本当に不器用なのだろう……

と隊長は判断した。


「居住区、異常ありません!」

兵士の報告を受けて隊長は申し訳なさそうにした。

「もう結構……疑ってすみませんでした……こちらも手がかりがなくて……どうかわかってください」


「はい、私も一度しっかりと確認してもらって疑いが晴れて良かったです」


兵士達は一階へ降りようとした時に隊長はカジロウに尋ねた。


「……ん?…あれも小人族ですか?」


一同は隊長に指差しされた犬の骨格に目がいった。


「え?…えぇ、子犬族の骨格です……」


「へぇ〜……そんな種族が居るんですね…」


「み…みたいですね…小人が飼ってるみたいですね、今はあれの研究を……」


「ほぅ…」

隊長達は何も言わず一階に降りて玄関まで行った。


「ではお時間とらせました……」

「カジロウさん、じゃあまた来るよ……今日は面白いものをありがとう……今度は俺の子供に劇でもやって見せてよ」


ドアがパタンと閉まり、カジロウは深くため息をついた。


カジロウが人形使いだった噂が広まり、

質屋には子供が大勢押し掛けたが、

それに反比例して

その後、何度か続いた『メグロの神隠し事件』は次第にみんな噂すらしなくなり、

迷宮入りした。




ぐぁ〜、今日はマジで疲れた。


カジロウは店を閉めて裏庭の隠し扉を開き、地下室に入る。


トンテンカンテンと鍛冶屋が骨を削って働き、大工が新たな地下室を掘る算段をした、

芸術家は壁や人工腕を作り、裁縫士は服を縫う。


カジロウは地下3階に行き、人工腕を付けた床屋に髭を剃って貰いながら、新聞を読みながらゆっくりと気持ちを落ち着かせた。


最初、山賊骨に髭をそらせようとして顎を切ってしまったので、


警備の情報を入手して床屋を襲ったが、手が骨でどうにも痛かったなぁ……


彫刻家の妻が裁縫士だったのは一石二鳥だったな。


トイドールは骨の装備もサイズ変換するが、小さくなったあとに装備した物は大きくならない、今日二階で縫ったのも魔法を解いた途端片側だけ小さいままで破れてしまう。


直させておこう……


必要な技術者を集めていったら噂になったが、今日なんとか誤魔化せたようで良かった。


これで魔法使いの認知は獲得した、そろそろ冒険ギルドに売り込む時期か……


今日の相場は?

お!木材が値下がりしてる……大工が足りないって欲しがってるな……

大量に買い付けておくか?

現金と死体はいくら入手しても不足するな……

ーーーーーーーーーーーー拠点

メグロ城下町の質屋

ーーーーーーーー死体

無し

ーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーー戦力

小隊長 6

小隊長 各1(商人、彫刻家、裁縫士、床屋、鍛冶屋、大工)

骨兵 37

骨犬2

ーーーーーーーーーーーー本

骨兵 召喚 9p

効果時間:永久

説明:人や動物の骸を生贄に人型の骨を召喚する。


骨犬 召喚 29p

効果時間:永久

説明:人や動物の骸を生贄に犬型の骨を召喚する。


骨小隊長 召喚 99p

効果時間:永久

説明:骨兵と骸一体を生贄に

人型の骨を召喚する

10体まで骨兵を統率する

その知識は骸側の物を引き継ぐ


トイドール 5p

効果時間:任意

説明:召喚した骨系兵士を1/10サイズに変換する。


骨罠 召喚 5p

効果時間:3時間

説明:動物に噛み付く罠を地面に設置する。


ゾンビ化 100p

効果時間:3日

説明:死体を生きた物に対して、無差別に噛み付き仲間を増やすゾンビに変身させる。


スケルトンエコ パッシブ

効果時間:永久

説明:骨系魔法の消費ポイントを1p下げる


魔力上昇1 パッシブ

効果時間:永久

説明:マジックポイントの回復量を20上げる


現在のマジックポイント168/109

EXP 2/33

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