再開
平凡な生活が嫌だった
普通とは違う生活がしてみたいと何度思ったのか分からない位だ
一度でいい、一度でいいから普通の生活とはかけ離れた生活がしてみたい
_________なんて思っていた前世の自分を思い切り殴ってやりたい
今、僕の目の前にいる人達を見て普通とは違う生活がしたいなんて言える人はまずいないだろう
むしろいるのならその人はコイツらと同類だということだ
此処は世界の中心地にある学園・・・学校名は敢えて言わないでおく
この学園に通っている生徒は殆どが過去の記憶を持っている
もちろん記憶が無い人もいるがそれは少数だけの話
僕も前世の記憶がある
毎日毎日同じことの繰り返しでとてもつまらない毎日で、生きているのが辛かったのを今でも鮮明に覚えている
・・・正直言えば忘れたかった
こんなにつまらない記憶なんていらない。あったところで何の役にも立たない
寧ろ迷惑極まりない
この記憶さえなければ今のこの状況だって悩むはずが無いのだ
僕、蓝天が今悩んでいことがある
それは・・・
「初めまして、ピェストリェートって言いまーす!呼びづらかったら気軽にぺスって呼んでね!!あと、前世では死体が大好きでした!!」
僕の目の前の席、ワインレッドの髪が特徴的な彼、
物騒な言葉を可愛らしい満面な笑みで言った彼が前世の僕を殺した張本人であるということ
彼が言った通り彼の前世は死体愛好者であり、人を殺すのを躊躇わなかった
あの時、沢山の死体の中で笑い続けていた彼を見たときは恐怖を覚えたものだ・・・
彼が言った普通は聞かない物騒な言葉にクラスの殆どの人が騒然としているのが見て取れる
すると、僕の視線に気づいたのかピェストリェートはこちらを振り返った
「これからよろしくね!」
ウィンクをしながら言う彼はあの時とは大違いでどう反応すればいいのかが分からない
あたふたしている僕を見て満足そうな笑顔をする彼をみて少しイラッとした
「よろしくね、ピェストリェートくん」
上手く笑えているかは知らないが出来るだけ笑顔で挨拶をする
あぁ、本当に平凡な生活に戻りたい
「蓝天くんはさぁ、前世でボクと会ったの覚えてる?」
椅子の背もたれに腕を乗せながら聞かれたくないことを見事に言ってのける彼
自分の心臓が高く鳴るのが分かった
「・・・覚えてるけど」
覚えてるも何も僕を殺した犯人じゃないか。 なんて事は言えず、思わず下を向く
「やっぱりね!まぁ、今はそんな事やるつもりはないからさ、知り合いってことで仲良くしようね!!」
生まれ変わったにもかかわらず前世の知り合いに出会い、同じ高校の同じクラスになるとは思いもしなかった
世界は狭いとよく言うが此処まで狭いとは・・・
_____________________________人は誰もが幸せになれるとは限らない
幸せになれる人もいれば不幸な人もいる
もし、この出会いが、運命ならば僕は幸せになれるのだろうか?
それとも___