第8話:陰陽寮と異能力者
ニコリと笑う西園寺さんに促され屋敷の中に入る、古風な見た目とは違い家の中は最新鋭の家電や、様々なディスプレイが至るところにある、それと共にスーツや袴、警察の服や自衛隊のような迷彩服といった様々な人が忙しそうに入り乱れている。
「すみません、少し騒々しいですよね。最近日本での魔獣の出現頻度が増えまして対応に追われてるのです」
「そうなんですね……」
「こちらへどうぞ、応接室ですので騒動しさは減るかと……」
通された部屋は先程居た場所よりも静かで、用意された座布団に座ると黒服の一人がお茶を持ってくる。
「すみません、計器を使える者の手が埋まってまして……もう少ししたら手空きの者が出来ると思いますので……」
「わかりました。すみません、お手数をおかけします」
「いえ、姫巫女様方が連日のお勤めをしていただいてるお陰で平和が保たれておりますので……」
「すみません、その私がこうして休むことになってしまい……」
「いえ! 今までとは違う強さの魔獣が出現した事ですし、そもそも素養も無い我々では太刀打ちすらできませんので!」
そう黒服の女性が言った瞬間首にかかっていた機械からブザー音が鳴る。
「すみません、呼び出しが……」
「大丈夫ですよ、お茶ありがとうございます」
西園寺さんがニコリと今にも拝みそうな顔で……拝み始めた……。
「ふぅ……」
それから、西園寺さんと共にお茶をいただき一息ついた所で、改めて西園寺さんが申し訳なさそうに声を出す。
「すみません小鳥遊様、準備に時間がかかってしまい……」
「あ、はい大丈夫です。大変そうですね……」
「えぇ――」
どうやらここひと月、魔獣の出現回数が異常に増えていたらしくその原因と対策に追われていたらしい。
「そうだったんですね、道理で睡眠時間も足りなかったんですね……」
再開した時の今にも倒れそうな姿を思い出す。
(凄くフラフラだったもんなぁ……)
「お恥ずかしながら……失礼します……」
備え付けの電話機から音が鳴る、それを西園寺さんが取って少しの間言葉を交わすとこちらを向く。
「お待たせしました、〝準備〟が出来たそうです」
「あ、はい……そういえば準備って?」
騒がしい廊下を通りながら西園寺さんに聞く。
「はい、簡単な検査の他に、お身体の方に問題が無ければ身体測定を受けていただこうと……」
「身体測定ですか?」
「はい、小鳥遊様が神様と称する方とお会いしましたし。この度使われた癒しの力と魔獣を倒した力。そしてその他に特異な力に目覚めてないかを調べた方が良いと思いまして」
「特異な力に目覚めるって……。いや、俺が言うのもなんですがそんな事あるんですか?」
「そうですね、結構ある……というか発見されるパターンが多いですね」
「そうなんですか!?」
そんなポンポン特異能力者って居るんだ!?
「はい、ご説明させていただきますと。後天的に見つかる特異能力者の方は意外と多くて、その為世界中で見つかった魔法使いや呪術師、霊能力者に超能力者の方々を登録するデータベースがあるのです」
「なんか驚きですね……」
「私は先天的ですので登録はされておりますし。小鳥遊様がもし他に特異な力を持っているようでしたら登録させてもらう事になるかと……」
「そうなんですか?」
「はい、データベースに登録する事で。所在地確認や厄介事《犯罪やテロ》に巻き込まれてないかをチェックさせていただいております」
「それって、ある意味監視みたいですね……」
「あはは……そう思ってしまいますよね。ですが実はこうなったのには理由がありまして。過去、能力者が様々な国で拉致され軍事利用や人体実験の標的にされることがあったり。カルト教団が能力者を集め洗脳をしたりと色々な犯罪に使われる事がありまして。色々な国で異能力者達を保護するために作られたものなのです」
西園寺さんが上げる事件の名前は、俺でも聞いた事のある事件やテロの名前ばかりだった。
「ですが犯罪行為等に手を染めるとか、テロ準備等の不審な行動が見られない限りは大丈夫ですよ。それに、霊能力者や超能力者に始まりマジシャンとかイリュージョニストの方もテレビや配信業等で稼いでらっしゃる方もいらっしゃいますね」
西園寺さんが上げた名前の中には俺もバラエティ番組に引っぱり出されてた時に会った事がある人も居た。
「そうなんですね、というか霊能力者や超能力者ってテレビのヤラセかと思ってました。特にイリュージョンやマジックやってる人ってみんな、種とか仕掛けがあるとは思ってたんですよね……」
種も仕掛けもある人達かと思ってたら、まさかの種も仕掛けも無い人が居たなんて。
「テレビに出られてる方の何割かはそういった方がいらっしゃいますが。能力者の方が出ていることは多々あります、力を抑えたり強すぎる能力でなけば一般の方には気付かれませんので。ですので、もし小鳥遊様がそういった力に目覚めて許可が出ればご職業にしていただいても大丈夫ですよ」
「そうなんですか……とはいっても、不思議な力に目覚めるみたいなのは昨日が初めてだったんですけどね」
そして母屋から幾つかの離れを通り、屋敷の一番奥……かなり広い道場の様な場所に到着する。その中には目隠しで仕切られた区画と学校の体力測定をするような器具が置いてあった。
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