第15話:後編
すみません、昨日急な予定が入ってしまい。朝から晩までPCに触れず仕舞いでした……。
ちょっとショッキングな写真過ぎて思考が停まる、あまり考えたくない事だが……。
「あの、これは……?」
「以前に《《御家流を盗もうとした》》者達の末路よ」
澪奈さんが語ってくれた。過去、幾人もの者達が西園寺家の御家流を真似《盗もうと》非人道的な人体実験をした、その結果全員が雷で内蔵や脳を灼かれたのだ。
「鷹翔くんや零音が使っていた技は〝纏雷〟っていう一族の中でも殆どの人が使うことの出来ない。あまりにハイリスク過ぎて、高度な制御が出来ないと使えない技なのよ」
あの技そんなに凄いものだったの!? というか、ハイリスクって……確かに使った時に記憶が飛んだり意識が飛んでたけどさ!?
「驚いてるわね……勉強をしてるから知ってると思うけど人間の身体や脳には微弱な電気が流れてるじゃない? 纏雷は文字通り雷を纏って無理矢理に電気を流してるの。代わりに身体能力とか思考能力は飛躍的に上がるのだけれど、長時間の使用や乱用によって脳が焼けたり記憶や身体機能に致命的な損傷を負うことがあるのよ」
「つまり、纏雷を使っている俺の身体と脳が綺麗すぎておかしいってことですね」
「そうなのよ……木戸ちゃんが言うにはCTやMRIで撮影したのを見た限りは、普通の人と変わらないのよ。でもね、鷹翔くんは自身でも認識できるほどの記憶障害がでているのよね」
「あ、そうですね。でも、どうしてだろう……」
「そこでね木戸ちゃんが考えた事らしいのだけど。数日前、鷹翔君が訓練中に御家流《纏雷》を使い大きく怪我をしたじゃない? その時に自動的に傷が治療されてたって言ってたわ」
「あーそうでした……確かその時に、回復魔法の話をしました」
「だから木戸ちゃんは鷹翔君が回復を使い、内臓や脳に深刻なダメージを受けながら無理に御留流を使ってるとね」
多分そうなのだろう、でもまぁ使えてるし……。
「はぁ……鷹翔君。君は今『別にいいんじゃない?』と思ったわね?」
「えっ……あ、はい……」
「鷹翔君は自身や零音を治療した回復魔法があるからと思っているけど、それがいつ使えなくなるかわからないの。もし、使えなくなったタイミングで力任せに御留流を使えば。あの写真の者達様に、植物人間や廃人になっているのよ」
先程見た写真たちが頭を過る、一つ間違えれば俺もああなってたかもしれないという恐怖だ。
「それを聞くと凄く怖いもののと思えてきたんですけど!」
「だから門下不出の技〝御留流〟として制限をかけてるのよ」
「なんていうか、もう少し緩く使えてるのかと思ってました……」
これから始める、特訓もより真面目に取り組まないといけないみたいだ。
「それと、鷹翔君の技が神様由来でなくても御留流が使えてしまってる以上、鷹翔君の身が危険なのよ」
「えっ?」
それは思いもしなかった要因だ。
「考えてみてちょうだい。使おうと思えば他家や他組織の御留流が使えてしまう。それに不確定とはいえ欠損すら治せる回復魔法については非常に希少な存在よ、そんなのどこの家も……いえ、政府ですら喉から手が出るほど欲しいはずだわ」
確かに、言われてみれば他人をほぼリスク無しに治療出来るなんて。俺が今まで居た表の世界じゃどんな高名な医者だって限界がある。なにせ修復に使うのは治療を受ける本人の体だ臓器移植でよくある拒否反応は絶対出ないだろうし、問題無く出来てしまう。
「ある意味、万能の治療薬よ? それを使う為に誘拐したり襲ったりなんて事を躊躇わない連中が世の中には居るのよ」
確かに、いろんな国の独裁者や政権を長く続けたい連中にとっては、俺の能力は喉から手が出るほど欲しいだろう。
「それに、鷹翔君の性格上。身近な人が傷ついたりしそうな時、自分に力があれば躊躇いなく使うわよね?」
「えっ? いやぁ……どうなんでしょう?」
そこまでお人好しじゃないし、誰彼構わず助ける人じゃないし……。
「じゃあ、ご両親は当然として私や零音ちゃんの身が危ない場合は?」
「助けますね」
「じゃあ、ウチで働いてる使用人達だったら?」
「助けますね……食事だったり洗濯だったりでお世話になってますし」
「そういう事。だから鷹翔君の事を、今のうちに家で囲ってしまおうと思ったのよ」
「それが婚約者発言ですか……」
「それもあるけど、一番は零音ちゃんの事大事にしてくれるじゃない」
「それは……そうですけど……」
なんというか、初めて会った時から目の離せない人だし……。
「だから、零音ちゃんのこと頼んだわよ。何があってもちゃんと受け止めてあげてね」
「わかりました、任せて下さい」
「さて、それじゃあ。鷹翔君の訓練を始めましょうか! 鷹翔君には将来ウチで一番強くなってもらわないと」
「えっと……お手柔らかにお願いします……」
「駄目よ? お手柔らかになんて言ってる時間は無いわ」
「え? それってどういう……」
「さぁ、零音ちゃんの元へ、しゅっぱーつ!」
上機嫌な澪奈さんに押されて、俺は道場へ連れて行かれるのだった。
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