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クラス転移でハブられた俺、勇者の力だけ与えられた現代で無双する。  作者: ふぇありす


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第12話

朝投稿のつもりが……遅くなりました!すみません!

「さて、ここからは本当の理由を話しましょうか……」


母さんが一時的に退席したタイミングで、澪奈さんが俺と西園寺さんを見る。


「零音ちゃん……あなた、西園寺の御留流おとめりゅうを使い、それを鷹翔君に見せたわね」


「それは……」


西園寺さんがしまったとバツの悪そうな顔をする。


「すみません、乙女流? って何ですか?」


助け船になるかわからないけど、手を上げて聞く。まぁ、本当にわからないのもあるんだけど。


「そうね、説明をしましょうか。ちなみに〝御留流〟女の子の乙女じゃなくてこんな字を書くものよ」


澪奈さんがメモ帳に文字を書きながら言う。


「それでその、御留流ってなんですか?」


「御留流っていうのは零音があの魔獣との戦いで使った、私達みたいな戦いを専門とした家々に代々伝わる門外不出の秘技の事ね。ほとんどが一家相伝で人が魔獣や妖鬼と戦う為に様々な手法で編み出したものよ」


「そんなのがあるんですね……って何でそれが婚約者になる事と関係してるんですか?」


「さっきも言ったけど、一家相伝という事もあり一族の外の人が使えちゃいけないのよ。まぁ、御家流にもよるけど使える使えないは人によって明確な条件があるし。私達の場合、陰陽寮での任務の事もあるから〝絶対に〟というわけでは無いのだけど……」


「でも俺は、西園寺さんが使ってる所を見たから結婚ってことですよね?」


「そこなんだけどね、鷹翔君は明確に〝使える側〟の人なのよ」


「えっ、そうなんですか? でも俺……あっ!」


思い当たる節があった、体力テストの時に偶然とはいえ出てしまった〝あの力〟がそうなのだろう。西園寺さんも覚えがあるのか顔を暗くしている。


「覚えがあるみたいね。まぁ、私が家に連れてきた理由の一つなんだけど」


「えっ? 家に連れて来たって……」


俺が澪奈さんと会ったのって、あの時が初対面だったはず。


「あの公園にね、私達以外の人が西園寺流の技を使った痕跡があったのよ」


「そうなんですか? でも西園寺さんも使ってましたよね?」


「えぇ。でも、私や零音が使うものよりも荒くて、力任せの技だったのよ」


「でも俺は、あの時使った覚えが無いですよ?」


戦闘してたと思われる記憶も曖昧なんだよな、覚えてるのも何かが焼ける匂いと魔獣の姿だけだし。


「それは鷹翔君に聞いたから、わざわざ現場で街頭カメラを探したの。だけど、どのカメラも基盤が焼けるくらいに壊れちゃってて。運よく一番被害の少ないものがあったからデータの回収が出来たの、それでも一日半かかっちゃったけどね」


澪奈さんが出してきたのは数点の写真と動画だ。そこには、フレームが追いつかないくらいの速度で発光をしながら戦っている俺の姿が残されていた。


「使ってるわよね?」


「――でも、俺に記憶はありませんし……」


「使ったわよね?」


圧が凄い、以前どこかの漫画で笑顔は攻撃手段と聞いたけど完全にそうである。


「はい……使いました……」


「よろしい、それを踏まえて次の話ね……。本家の人達……特に老害達に零音の犬憑きがバレちゃった」


「――へっ?」「――えっ?」


てへぺろをやっている澪奈さん、というかかなり不味い事なのでは?


「本来ならば糾弾されたりするんだけど。犬憑きの症状を抑えれて、更にウチの御留流が使える鷹翔君の事を婚約者って言っちゃった。そしたら零音ちゃんの事は皆どーでも良くなっちゃった」


「それは良いのか悪いのか……って、婚約者として!?」


「ごめんねぇ……勝手に決めちゃって」


「それって、もう取り消せないですよね?」


「ヒュッヒュー」


明後日の方向を向いて口笛を吹く澪奈さん。もう、逃げられないって事じゃん……。


「はぁ……つまり俺と西園寺さんには最初から決定権なんて無いじゃないですか。それで、部外者の俺でどうにかなるんですか?」


「部外者だからこそ効果あるのよ。それに、それくらいで文句は言わせないわ♪」


ニッコリと笑う澪奈さん、圧が凄いんだけど……。


「お母様は、西園寺家歴代の中でも最上級の強さですので……恐らく本家の術師達が束になっても勝ち目は無いのです」


「そうなんだ……凄いんだね……」


西園寺さんがコッソリと耳打ちしてくれる。


「まぁ、条件を二つほど出されちゃったけどね」


「条件?」「ですか?」


「えぇ、1つ目は〝将来〟鷹翔君が西園寺家に婿入すること」


「「えぇ!?」」


「何驚いてるのよ、婚約者なんだし結婚してもらわないと。それとも、本家や分家の知らない女性を宛がわれる方が良い?」


「えっ……いや、その……出来れば知ってる人のが……」


横目で西園寺さんを見ると、真っ赤になって俯いている。


「そして2つ目、鷹翔君が西園寺本家の年寄り達(面倒な人達)の前で力を示して認められる事ね」


「力を示すですか? それって、どんな事をするんですか?」


「恐らく御前試合ね、力と力の正面バトルよ」


「えぇ!? でもそれって、俺にはかなり難しくないですか?」


自由に御留流も使えないし、格闘技とかもやってない戦闘力ゼロの平凡な高校生である俺にはかなり厳しい内容だ。


「残念ながら、アイツらは強さしか見てないわよ。だってあいつらが零音ちゃんに期待してるのは陰陽寮の次期頭領の座かそれを狙える力を持つ子供を産める母体よ」


「なんですかそれ……」


話を聞いてるだけで凄くムカついて来る奴等だ。


「そうまでして必死になるのは。西園寺家の者が次期頭領になると、政治の場面で発言が強くなるのよ」


「政治って……そんな事の為に……」


「そんな事かと思うだろうけど。それが、藤原の時代からから政治に関わって来た連中の醜さよ」


常に笑っていて、柔らかい雰囲気を纏う澪奈さんが怒っているのを見る限り相当に嫌っているのがわかる。


「という事で、鷹翔君には頑張ってもらいたいの」


「わかりました、西園寺さんを道具にしか見て無い奴等にぎゃふんと言わせてやります。でも、本当に俺で良いんですか? 他の許婚が居たりとかは?」


「うーん居たとしても、鷹翔君じゃ無きゃ駄目なくらいよ? ねぇ零音ちゃん?」


そう言って西園寺さんを見る。反対に今までに無いくらいに西園寺さんの顔が沸騰していた。

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