表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛アルゴリズムはバグだらけ!?~完璧主義の俺が恋したらエラー連発な件~  作者: 菊池まりな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/30

第20話 新しいアルゴリズムの萌芽

システム公開当日、火曜日の朝。


 俺──田中優太は、研究室で公開ボタンをクリックしようとしていた。


「みんな、準備はいいか?」


 チーム全員が俺の周りに集まっている。


「はい!」


 全員の声が揃った。


「それでは……Love Type Analyzer、正式公開!」


 俺はマウスをクリックした。


 画面に「System Online」の文字が表示される。


「ついに……やったんだ」


 公開から2時間後、俺たちは驚いていた。


「アクセス数が……1000人を超えてる」


 静香が画面を見ながら報告した。


「まだ午前中なのに?」


「SNSで拡散されてるみたい」


 大輔がスマートフォンを見せてくれた。


「『めっちゃ当たる恋愛診断見つけた!』とか『心理学的根拠があるから信頼できる』とか」


 想像以上の反響だった。


 昼過ぎには、アクセス数は5000人を突破していた。


「サーバーは大丈夫?」


「今のところ問題なし。キャッシュシステムが効いてる」


 俺は安堵した。


「でも、このペースだと……」


「今日だけで1万人を超えるかもしれませんね」


 歩美が予測した。


「すごいことになったな……」


「ユーザーからのメッセージも大量に来てます」


 静香が報告した。


「『彼氏との相性が分かって良かった』『自分の恋愛傾向を知れて参考になった』『アドバイスが的確で驚いた』」


 ポジティブな反応ばかりだった。


「中には『恋人ができました!』って報告もありますよ」


「本当に?」


 俺は嬉しくなった。


 しかし、午後3時頃から新しい問題が発生した。


「メールサーバーが限界に近づいてる」


 大量のユーザーからの問い合わせメールが殺到していた。


「『結果をもっと詳しく知りたい』『カップル診断機能も欲しい』『友達との相性も診断したい』」


 要望も予想以上に多様だった。


「嬉しい悲鳴だけど……対応しきれない」



「みんなで役割分担しよう」


 高橋先輩が提案した。


「システム監視は田中くんと私、ユーザー対応は山田さんと石倉さん、SNS対応は鈴木くん」


「分かりました」


 俺たちは急遽、カスタマーサポート体制を構築した。


「こんなに忙しくなるとは思わなかった」


 静香は丁寧にユーザーからの質問に答えてくれた。


「診断結果について、もう少し詳しく説明してほしいとの要望が多いです」


「確かに、アドバイスをもっと具体的にできるかもしれない」


「それと、『作った人たちはどんな人?』って質問も多いです」


「俺たちに興味を?」


「みなさん、このシステムを作ったチームに興味を持ってくれてるみたいです」


 夕方、予想外の連絡が来た。


「田中くん、大学のIT系メディアから取材申し込みが来ました」


 山本教授が連絡してくれた。


「取材?」


「学生が作った恋愛診断システムが話題になってるそうです」


 俺たちは顔を見合わせた。


「どうしましょう?」


「取材を受けるかどうか、みんなで決めよう」


 俺は提案した。


「私は賛成です。多くの人にこのシステムを知ってもらえます」


 静香が意見を述べた。


「心理学の正しい知識も広められるしね」


 歩美も賛成だった。


「俺も面白そうだし、やってみようぜ」


 大輔も乗り気だった。


「では、みんなで受けましょう」


 高橋先輩もまとめてくれた。


 その日の夜、俺たちは一日の成果を振り返っていた。


「最終的なアクセス数は……12,000人」


「診断実行数は8,500回」


「ユーザー満足度は95%」


 信じられない数字だった。


「みんな、本当にお疲れさま」


 俺はチーム全員に感謝を伝えた。


 その夜、俺と静香は久しぶりに二人だけの時間を過ごした。


「今日は本当にすごい一日でしたね」


「ああ。君がいなければ、ここまでうまくいかなかった」


「みんなで作り上げたシステムですから」


 静香は謙遜していたが、彼女の貢献は計り知れない。


「システムの成功も嬉しいけど……」


「けど?」


「君と一緒にプロジェクトができて、本当に良かった」


「私も同じ気持ちです」


 静香は微笑んだ。


「恋人として、パートナーとして、田中さんと過ごした時間は宝物です」


「これからも、一緒に歩んでいこう」


「はい。どんなことがあっても」


 俺たちは手を繋いだ。


 恋愛アルゴリズムを開発している間に、俺たちの関係も進化していた。


 翌日、さらなる展開があった。


「田中くん、企業からシステム導入の相談が来ています」


 山本教授が報告してくれた。


「企業から?」


「婚活サービス会社です。あなたたちのシステムを参考にしたいと」


 想像もしていなかった展開だった。


「どう思う、みんな?」


「面白そうですが……」


 歩美が慎重に意見を述べた。


「でも、商業利用となると責任も重くなりますね」


「そうだな」


 俺も考え込んだ。


「まずは今のシステムを改善して、もっと多くの人に使ってもらうことを優先したい」


「同感です」


 静香も頷いた。


「段階的に発展させていきましょう」


 その日、俺たちは新しい目標を設定した。


【Love Type Analyzer Next Phase】


短期目標(3ヶ月):

- システムの安定稼働

- ユーザーフィードバックの収集

- 機能改善


中期目標(1年):

- 新機能の追加(カップル診断、相性診断)

- モバイルアプリ版の開発

- ユーザーコミュニティの形成


長期目標(2年):

- 商業展開の検討

- 学術研究への貢献

- 国際展開の可能性



 一週間後、IT系メディアの取材を受けた。


「どのようなきっかけで、このシステムを開発されたのですか?」


 記者からの質問に、俺は正直に答えた。


「最初は、自分の恋愛の悩みから始まったんです」


「恋愛の悩み?」


「はい。データやアルゴリズムで恋愛を理解しようとして……」


 俺は自分の体験を語った。


「でも、一人では限界がありました」


 俺は続けた。


「心理学の専門家、デザインの得意な友人、プロジェクト管理のできる先輩、そして……」


 俺は静香を見た。


「ユーザーの気持ちを理解してくれるパートナー。みんなの力があったから完成しました」


「素晴らしいチームワークですね」


 記者も感心してくれた。


 取材後、俺は自分の変化を実感していた。


 最初は個人的な恋愛の悩みだった。


 それがチームプロジェクトになり、今では多くの人に影響を与えるシステムになった。


「恋愛アルゴリズム……こんな形で完成するとは思わなかった」


 でも、これが本当の意味での「完成」なのかもしれない。


 技術だけでなく、人とのつながり、チームワーク、愛情。


 全てが組み合わさって、価値のあるものが生まれる。


「これからも、みんなと一緒に成長していこう」


 俺は決意を新たにした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ