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恋愛アルゴリズムはバグだらけ!?~完璧主義の俺が恋したらエラー連発な件~  作者: 菊池まりな


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17/30

第17話 最終プログラム実行:ついに告白

学内研究発表会当日。


 俺──田中優太は、朝早くから研究室で最終準備に追われていた。


「システムチェック完了……」


 恋愛診断システムは完璧に動作している。画面には色とりどりのハートマークと、親しみやすいUIが表示されていた。


「田中先輩、緊張してますね」


 歩美が俺の様子を見て微笑んだ。


「そうかな?」


「はい。いつもより早口ですよ」


 確かに、今日は特別な日だった。自分たちの作ったシステムを、初めて多くの人に見てもらう。


「でも、きっと成功しますよ」


 歩美の励ましに、俺は少し落ち着いた。




 午前10時、学内研究発表会が始まった。


 会場には他学科の学生や教員、さらには外部からの見学者も来ていた。


「おお、人多いな」


 大輔が会場を見回しながら言った。


「緊張する……」


「大丈夫だ」


 高橋先輩が俺たちを励ましてくれた。


「準備は完璧です。あとは自信を持って説明するだけです」




 俺たちのブースに最初にやってきたのは、文学部の女子学生だった。


「恋愛診断システム……面白そう」


「ありがとうございます。よろしければ体験してみてください」


 俺が説明すると、彼女は興味深そうに画面を見つめた。


「20の質問に答えるだけで、恋愛タイプが分かるんですか?」


「はい。心理学に基づいた診断です」


 歩美が専門的な説明を加えた。


「愛着理論と恋愛スタイル理論を組み合わせています」




 診断を受けた女子学生の結果は「共感型」だった。


『あなたは相手の気持ちを理解することが得意です。

深い関係を築くのが上手ですが、時には自分の気持ちも大切にしましょう。』


「すごい! 当たってる!」


 彼女の反応に、俺たちは安堵した。


「友達にも教えてあげる!」


 彼女は興奮して仲間を呼びに行った。




 口コミで評判が広がり、俺たちのブースには長い列ができた。


「こんなに人気になるとは……」


 俺は嬉しい驚きを感じていた。


「やったじゃん、優太」


 大輔も興奮していた。


「みんな楽しそうに診断受けてるぜ」


 確かに、診断を受けた人たちは皆笑顔だった。


「これが、技術で人を幸せにするということか」



 昼過ぎ、予想外の人物がブースを訪れた。


「田中くん、面白いシステムですね」


 振り返ると、山本教授が立っていた。


「教授!」


「実用性もあって、技術的にも興味深い」


 教授は画面を見ながら言った。


「心理学との融合も良いアイデアです」


 歩美が嬉しそうに頭を下げた。


「ありがとうございます」




「私も試してみても良いですか?」


 教授の提案に、俺たちは緊張した。


「もちろんです」


 教授の診断結果は「指導型」だった。


『あなたは相手の成長を支えることが得意です。

長期的な視点で関係を築き、相手を導く力があります。』


「なるほど、面白い」


 教授は満足そうに頷いた。


「これは学会で発表してみてはどうですか?」



 午後3時頃、静香がブースにやってきた。


「お疲れさまです、皆さん」


「静香!」


 俺は思わず声を上げた。


「見学に来ました。すごい人気ですね」


「おかげさまで」


 静香は俺たちの活動を嬉しそうに見ていた。


「田中さんたちが作ったシステム、私も体験してみたいです」



 静香が診断を受けている間、俺は緊張していた。


 結果は「支援型」。前回と同じだった。


『あなたは相手を理解し、支えることが得意です。

包容力があり、安定した関係を築けます。』


「やっぱり当たってますね」


 静香は微笑んだ。


「田中さん、少しお時間ありますか?」


「え?」


「大切なお話があります」




 静香に連れられて、会場の静かな場所に移動した。


「田中さん、今日のシステム、本当に素晴らしかったです」


「ありがとう」


「みなさんで協力して、多くの人を笑顔にしている」


 静香の表情は真剣だった。


「実は……提案があります」


「提案?」


「このシステム、もっと多くの人に使ってもらいませんか?」




「具体的には?」


「ウェブサイトで公開するんです」


 静香の提案に、俺は驚いた。


「でも、そんな大きなことを……」


「私、実はウェブデザインが得意なんです」


「え?」


「図書館のバイトも、実はシステム管理の手伝いもしてるんです」


 初めて知る静香の一面だった。


「一緒に、もっと大きなプロジェクトにしませんか?」




 静香の提案は魅力的だった。


「でも、俺たちにそんな大きなことができるかな?」


「大丈夫です。今日見ていて確信しました」


 静香は俺の手を取った。


「田中さんの技術と、みなさんの知識があれば、きっとできます」


「君がそう言うなら……」


「それに……」


 静香は少し照れながら言った。


「私も、田中さんと一緒にプロジェクトをやってみたいんです」




「一緒に……?」


「はい。恋人としてだけじゃなくて、プロジェクトパートナーとしても」


 静香の提案に、俺の心が躍った。


「それは……素晴らしいアイデアだ」


「本当ですか?」


「ああ。君となら、もっと大きなことができるかもしれない」


 俺たちは微笑み合った。




 その日、恋愛診断システムは大成功だった。


 200人以上の来場者が診断を体験し、満足度は90%を超えていた。


「みんな、お疲れさま」


 高橋先輩が労ってくれた。


「素晴らしい成果でした」


「本当に楽しかったです」


 歩美も充実した表情だった。


「みんなが喜んでくれて、私も心理学をやっていて良かったと思いました」




「で、今度はウェブ版か」


 大輔も静香の提案に興味を示していた。


「俺もデザイン頑張るぜ」


「私も、もっと詳しい心理学的分析を追加したいです」


 歩美も意欲的だった。


「みんなでやれば、きっと素晴らしいものができますね」


 高橋先輩も賛成してくれた。



 その夜、俺は新しいファイルを作成した。


【Love Type Analyzer Web Project】


メンバー:

- 田中優太:システム開発・プロジェクトリーダー

- 山田静香:ウェブデザイン・パートナー

- 石倉歩美:心理学監修

- 鈴木大輔:UI/UX設計

- 高橋健:プロジェクト統括


目標:

多くの人の恋愛をサポートし、幸せなカップルを増やす


「これが、俺の新しい恋愛アルゴリズムの形か」



 翌日、俺は静香と今後の計画を話し合った。


「プロジェクトパートナーとしての君も見てみたい」


「私も、田中さんの新しい一面を知れそうで楽しみです」


「恋人同士で仕事をするって、うまくいくかな?」


「大丈夫です」


 静香は微笑んだ。


「私たち、お互いを理解し合えてますから」



 研究発表会から一週間後、俺たちの新しいプロジェクトが本格的に始動した。


「恋愛診断システムのウェブ版開発、開始!」


 研究室には新しい活気が生まれていた。


 個人の恋愛の悩みから始まった俺の「恋愛アルゴリズム」は、今や多くの人を幸せにするプロジェクトに発展していた。


「これからどんな発展があるのか、楽しみだ」


 静香と手を繋ぎながら、俺は未来への期待に胸を膨らませていた。



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