AOI 第51話
母だけが、しっかりとしている朝食の時間。私と弟は、ポヤポヤしていて、そして母の背中を見送った。弟は、ご飯を食べ終えてから、
「まだ、眠いから部屋行って寝るわ。」
と、シンクに使った食器を置いて行った。居間のドアを閉める時、
「お姉ちゃん、今日も塾?」
と、聞いてきたので、まだ、食事中の私は、お椀を持ちながら、居間のドアの方を振り返って、
「うん。」
と、弟を見ながら答えた。弟は、視線を天井にむけながら、
「ほぉー。」
と、言って、ドアを閉めて部屋に行くのかと思っていたら、少し間が空いてから、
「午後、友達きてゲームしてもいい?」
と、聞いてきたので、
「いいよー。」
と、言って、続けて、
「お昼ご飯の時、声かけるねー。」
と、言った。弟が、
「はーい。」
と、後をむきながら言って、ドアをしめた。ご飯を急いで食べて、こたつのテーブルをきれいにして、TVを消して、塾の宿題をひろげた。覚めていないまわっていない頭も、少しずつ現実を見つめだしていった。
(ブルブル)
携帯が鳴った。ちょっと休憩と、携帯を開いた。塾グループだった。あー私、昨晩、寝落ちしちゃってと思いながら、塾グループをタップした。
(おはよう。)
と、1番新しいのは書いてあった。私も、
(おはよう。)
と、2番目に書いた。昨日の夜のやりとりをと、スクロールした。みんな、私を連呼してて終わっていた。申し訳ないなぁと思ったけど、もう少し時間が経ってから弁明しようと思って、置いて、また、宿題に取り掛かった。携帯はシーンとしていて動かない。まだ、みんな起きていないのかな、部屋の時計を見ると、ちょうど10時になった時だった。朝ご飯を食べて、かれこれ、1時間半はたったな。あと少し頑張ったら、お昼ご飯の支度しないとだな。と、考えながら、宿題をすすめていった。昨日より進んでいる宿題に喜んでいた。なにか、心が気持ちよさを感じている。さわやかさも。携帯が、何度も何度も音をたてた。開くと、
(おはようー)
が、塾グループ全員のが届いていた。みんな起きてきたかな、とLINEを書きはじめた。
(昨日は携帯を持ちながら寝落ちしちゃった。ごめんなさい。)
と、書いた。ふーっと息をはいた。これで、大丈夫かな。書くのは緊張する。友達と違うから。携帯が鳴る。
(笑)
(やっぱりー)
(笑笑)
(いっぱい寝たねー)
最後はのあちゃんだった。
(大丈夫だよ。)
優しいぃ。しばらく、続いたLINEも、後で塾でねーと、終わった。