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まずは野草をひとかじり。
1 便所
いつからだろう、う〇こをだすときお尻にいたみをかんじ始めたのは。いつからだろう、う〇こ後、お尻にじかに軟膏をぬりたくったのは。
わたしはいま、コンビニのトイレの便器に鎮座している。ぼーっとあるいてた矢先、急にすさまじい便意におそわれ、ちかくのコンビニにかけこんだ次第である。おそらく、このう〇こは軟便気味だとおもう。ようするにやわらかめということ。いや、やわらかめというより十中八九ほぼ下痢でまずまちがいない。そう断言できる。
というのも下痢の便意というのはすごいものがある。ふつうの便意とはまったくことなり、一切の躊躇や遠慮というものがない。「あ、いまからでますよ?、準備はいいですか?」これが一般的な便意だとすると、下痢は「‘あーーー、でちまったねぇ~、でちまったもんはしかたがねぇ・・ほいじゃ、パンツ汚しちまったが、あっしはこれで♪・・」という具合である。武士でいうところの問答無用、口調は多少江戸っ子よりだ。とにかくこらえることはできない、不可避なのだ。まぁ、オレくらいになると一般のう〇ことよばれる便意ならば、がんばれば1時間弱はたえることができるが。
しかし、軟便気味のう〇こや下痢となるとそうはいかない。がまんしようと「ん!」とこらえても、つぎの瞬間にはもうでている。とまらない。オナラでまぎらわせようと小細工しようものなら、ちょびっともれる。こらえた!、とおもっても大抵、すくなからずはパンツに奴はついてる。
「・・ねぇ・・じゃあさ、普通にだせばいいじゃん?・・なにがまんしてんの?、バカじゃない?・・っていうか、さっきからう〇この話ばっかで、きたないのよ、あんた・・」
とガングロさんも、パラパラさんも、読モさんも、ギャルのみなさんに総ツッコミをいれられてしまうかもしれない。しかし違うのである、ギャルのみなさん。きたないのは承知のうえ、もうすこしだけ辛抱ねがいたい。ちゃんとがまんする側には、がまんするなりの理由、主張があるということを。
というのも、ふつうのう〇この便意をがまんしたのちに出したう〇この、あのえも言えぬ快感をしっているだろうか?。まるで、真っ青な空のしたで、はじめてなわとびの2重飛びをきめた小3女子の快感とほぼほぼ同等といってもいい快感を。(全竹田基準)
信じられないというかたはぜひ一度、だまされたとおもってチャレンジしていただきたい。貧民にはやさしい費用はゼロとコスパが良く、己のおケツひとつあればだれでもどこでも手軽に挑戦できる。
しいてリスクをあげるとすれば、限界までがまんしたのちにだしたう〇こというのは、とんでもなく勢いがつき、わが肛門を傷つけがちということ。わたしとおなじように痔をわずらってしまう可能性がすくなからずある。そうなると念願のデートもおケツに違和感をだき、歩行が不自然になり「え、どうしたの?、竹田君歩きかた変だけど・・」っと恋人にきらわれてしまうおそれがなくもない。
それとトライするときには、くれぐれも近場にトイレがあることを確認のうえやっていただきたい。もしトイレがない場所、たとえば高速道路などでそれをトライしてしまうと、渋滞時名物腹痛小坊主が爆誕しかねない。そうなると、ただひたすらに便意をがまんする地獄と化し、のちのちまでトラウマになってしまうのでくれぐれもご注意いただきたい。
しかしたとえギャルに苦言を呈されようとも、快楽のために1日くらい肛門にフォーカスする日があってもわたしはいいとおもう。ともあれ話はコンビニの男子便所にもどるが、その軟膏がない出先でのおさえきれぬ便意と、そこそこピンチの竹田。
「・・いや、でも硬便じゃないんだからがまんしないで出しちゃえばいいじゃん?、下痢なんだし・・そんでさっさとコンビニ出なよ、きたない・・」
と、インテリギャルに硬便硬便せかされてしまいそうだが、いくらやわらかい下痢といえどあなどってはいけない。なぜなら、大便、あるいは硬便(かたい便)はがまんすると肛門を傷つけがち、たいして軟便よりやわらかい下痢なら肛門はほぼノーダメージ、っというのがインテリギャルの言い分であろうが、それは違う。というのも、肛門排便通過回数というものがおおきく関わってくる。
硬便はいくら肛門を傷つけがちといえど、それはだいたいほんの1回きりでおわる。肛門排便通過回数にして1回。かたや下痢はというとそうじゃない。下痢の便意というのはきほん腹痛がおさまるまでつづく。それすなわち1回きりではおわらないということ。肛門排便通過回数に換算すると3~5回程度。おわかりだろうか?、いくら水のようにシャバシャバな下痢といえど、肛門排便通過回数がおおければ、おのずと肛門のダメージも蓄積していく。だからあなどってはいけないのだ、あなどっては。
だが、竹田は意外におちついていた。それはこのコンビニのトイレには、日本人が近代にほこる画期的発明が搭載されていたからである。その名をウォシュレットという。一度は耳にしたことぐらいはあるだろう。これにすくわれた痔もちピーポルが一体何人いたことだろう。外国人は、日本にきてまずなにに感動したかときかれると、きまって便座のぬくさとウォシュレットの存在を口にする。
「・・アノベンキ、アタタカイシ、ミズモデル、モッテカエリタイネ!・・」
といった具合である。まちがいなく日本人の、いや世界的にみても近代における1番の発明といっていいだろう。(全竹田基準)案の定、たびかなさる下痢で、おケツがホットな状態の竹田。すぐさまウォシュレットのスイッチをON。
・・あぁ、お尻がちめたい・・おれのお尻HPがみるみる回復していく・・
肛門にすこし水をふくむていどの水圧で20秒。これが痔もちにとって何がいいのかというと、なんといっても紙でおケツをふく摩擦をさけられる点にある。いくども排便のたびについたシャバシャバう〇こ(SYABAUN)をふいているうちに痔というものはこすれて悪化してしまうもの。その行為を省略できるという点において、まさに画期的。お目目まん丸、ど肝をぬくほどの発明なのである。(しかし、うっかり肛門に水をふくみすぎると、またもや便意を刺激され、それをくりかえす魔のサイクルにおちいるのでふくみすぎは禁物)
しかし結局、ウォシュレットの水ふくみもあって、竹田は肛門排便通過回数が6回にしてようやく便座をたちあがることがかなう。そのあとまぁ、いくらなんでもクソだけ垂れて、そのままずらかるのもコンビニ側にわるいので、10円のいらない駄菓子を買うためレジへ。店員のシャンプーのいい匂いにうつつをぬかしていると。ちょうどポケットにいれていたガラケーが鳴る。
「・・チリリリリッ!・・」
みれば、1通のメール。
~ちょっと急用で電話したいんだけど、いまかけていい?~
「・・ん?・・」
~アドレス変えたんだ、あたしあたし~
そんなフランクな会話をしてくる知りあいは毛頭いなかったが、おしりの爽快感からHighになっていたのか、なぜか返信をしてしまう竹田。
~あなたは誰ですか?~
~あれ?、あて先まちがってますか?、知人の男性へおくってるつもりなのですが、あなたは男性ですか?~
・・なんだこいつぁ・・ぎこちねぇ、とにかくぎこちねぇ、それにあきらかにおかしい・・いや、むしろおかしい点しかみあたらない・・こりゃほぼ100%(ぱー)出会い系・・やっちまったぜ・・
それから一所懸命にこのいたずらメールをシカトするも、ときすでに遅し。むこうに金づる対象としてロックオンされてしまう。
~あなたのアドレスを教えてもらってメールがとどいているのに、なぜお返事いただけないのでしょうか?、ひと違いなのですか?、もともとおくりたかった男性の知人なんですが、あなたは男性ですか?~
~まちがえたことは本当にすいません、ただこれだけはちょっと確認しておきたかったのですが、あなたは男性ですか?~
~いまちょっといいですか?、お忙しいのにすいません。あなたは男性のかたですか?~
~何度もほんとうにすみません!、迷惑なのは承知なのですが、あなたが男性とわかれば気持ちもおちつきますので、おしえてもらえますか?~
・・あぁ~!・・男性男性うるせぇやつだな、このやろうめ!・・しつこくてムカつくし、死んでもおまえの気持ちおちつかせたくねぇから、絶対男性かだけはおしえてやんねぇ!・・
こうして痔の塩梅がいくらよくてHighになったからといって、不用意にだれかれかまわずメールを返信してはいけないというのが、またひとつ教訓になった年の瀬なのであった。
それとあとあとわかることなのだが、例のシャンプーのいい匂いの店員は、ただいい匂いをふりまくただの男性店員だということが判明する。