4 私のサークル
今回は花巻視点となります。
後書きでも触れますが2人目のブックマークありがとうございます、、、!!!
「今回は男子1人、女子1人をスカウトしました!」
私はサークル会議で開口一番にそう告げた。
場所は城戸運動公園。私たちが日頃使うテニスコートのある施設のロッジで今年の成果を告げる。私たちのサークルは自分で言うのは恥ずかしいけれど少数精鋭。メンバーは10人前後と決して多くなく、他のサークルのようにイベントは少ないがこれぐらいが丁度いい。なによりこの空気感と仲の良さが大好きである!
「2人もよく居ましたね!キャプテンのスカウトは本当に厳しい!高校の後輩とかですか!?」
「いーや!2人とも初対面!」
「「!?」」
「女の子は感覚でビビッときて、瑠奈と相談して勧誘したらオッケーしてくれたから完全に初心者だね」
「初心者のメンバーが増えるのはいいですね、強い人ばかりのテニスじゃ一見さんは委縮しちゃうし」
「うんうん」
「女の子なら日焼け対策とか教えてあげないとですね、あとラケット選びとか。私のラケットを最初は貸しますね」
「うんうん!」
「今年は歓迎会楽しみっすね、俺会場探しますよー」
「うむうむ!!!」
これだ。この全員が前のめりで柔和という、一見矛盾しているが矛盾していないこの環境がとても居心地がいい。もちろん私が選んだメンバーということもあるがそもそもみんなの精神年齢が非常に高く、他者への気配りを忘れない。どこかの生意気な後輩はこのブルーオーシャンを知らないからあんな発言ができるのだろう。ここが私の新大陸なのだっっ
「それで、もう一人のほうは?」
「うん、たまたま瑠奈と食事してた時の隣に居た男子だね、こっちはバリバリの経験者」
「まじっすか、やべー、ラリー楽しみー」
「けっこう強いと思うよ、黒枝君と同じで中高真面目にテニスに取り組んでた元部長さんで一浪したみたいだったから黒枝君と同じ年だと思うよ」
「ガチっすか、最高っすわ。さすがキャプテン」
「ピース!」
「でもキャプテン、その男子の決め手はなんですか?言い方からしてその男子の会話を聞いてたんですよね?記憶力もさすがですけどそれだけでうちのサークルに入れるなら私たちも苦労しませんよ」
「もうね、みんな聞いて驚け!その子のニックネームがね、」
「ミスター無害らしいの」
「なんで瑠奈は最近私の一番言いたいことを言うの!?」
半ギレしかけた。危ない危ない。
「ミスター無害?」
「うん!どうやら言葉の意味の通りだと思うし私も彼の雰囲気は嫌いじゃなかったよ、まぁこればっかりはみんなの目で確かめてみてよ!」
「キャプテンがそういうなら、、。副キャプテンはどう思いますか?」
「もう、瑠奈でいいって、、。でも確かにいい子そうだったよ、紗羽にも冷静に対処してたし」
「私を厄介なクレーマーみたいに言わないでくれるかな!?瑠奈!?」
「でも男なら瑠奈の魅力にやられてへんやろか。まさか決めてがそれならそいつはもうアカンとしか言いようがないで?」
「うん!思いっきり瑠奈が決定打だったよ!!!」
「「、、、。」」
「え、そうなの?」
満面の笑みで言ってしまった。大森君、君を待ってるよ!!!
「、、、ご愁傷様っす」
こんにちは、未定です。
前書きの通り、この度2人目のブックマーク登録者が現れて下さりました!!!もう本当に嬉しい限りです!
このお二人の存在だけで救われた気持ちでいっぱいです。この気持ちを忘れず、自分の書きたい世界を表現できればと思います。
次話からいよいよミスター無害が行動します。周りに支えられながら奮闘する彼は高嶺の花に気づいてもらえるのか。滑稽で、幼くて、泥臭くも頑張る彼に期待です。
更新はやや不定期になるかもしれませんがどうかご了承ください。すでに収集がつかないほど話が膨らみ登場人物も勝手に動く始末で、私も困惑でいっぱいです、、、!!!