1D100で夕飯を決めたらแกงเขียวหวานを作ることになった。
それは夕飯を決める時の事だった。夕飯を決めるのが急におっくうになったのだ。特にこれと言って食べたい物も無かったし、栄養が欠乏しているのはいつもの事だったので今更気にする必要は無かった。そんなわけで俺は何を作れば良いのか、何を食べれば良いのかが急にわからなくなってしまったのだ。
しかしそんな時にふと目に入ったのが百面ダイスだった。
「ええい、決まらんのならダイスロールで決めてしまえ!」
そんな軽い気持ちでサイコロを振ることにしたのが間違いだった。いや、これが六面ダイスや十面ダイスレベルならまだ問題は無かったのだ。何を間違ったのか百面ダイスを選んでしまった。それが何よりの大失敗だった。
何しろ百面も埋めるとなると、必然的に全く知らない料理が入って来るのだ。有名どころは三、四十程で使い切ってしまう。そうなって来るともうネットで世界の料理一覧的な感じのものを調べて適当に埋めて行くしかない。
その結果、半分くらいよくわからない料理が占めることになった。
「だがまあ、それに当たらなければ良いだけの話だ」
強気にサイコロを転がす。正真正銘の運命のダイスロールだったが、逆に言えば半分くらいは見知った料理なのだ。二分の一で勝てると考えればそれほど怖がるものでもない。
「……」
固唾をのんでサイコロを見守る。徐々にサイコロの動きが弱くなっていく。さっきまでは強気だったが、いざこうして動きが鈍くなってくると途端に不安になって来る。
「おぉっ……! 4……!」
サイコロは4の面を上にして止まりそうだった。勝ち確だ。4には確かペペロンチーノを入れていた。味も悪く無いし作るのも簡単だ。だが現実はそう甘くは無かった。
「……は?」
4で止まりそうだったサイコロはそのまま行き過ぎ、75を示したのだった。
「75……75!? ……え? いやおまふざっけ……はぁ……!?」
ダイスロールの結果、俺は『แกงเขียวหวาน』を作ることになったのだった……え? แกงเขียวหวานって……何?
なにこれ……?