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96.【俺】ゲーマーの力を遺憾なく発揮する 

 俺、最上一郎はゲーマーだ。流行りであるVRMMOは手が出せないため中古を漁り、だからこそ色んなジャンルのゲームに手を出してきた。シミュレーションからシューティングと余程の糞げーでなければ何でも楽しめる。


「えぇ……」


 その力を遺憾なく発揮しようとした俺だったが……。崩れ落ちた20階層のボスの前でハヤテが誇らしげな顔をしている。ほぼ一匹で勝ってしまった。何もしてない。ちなみにゴブウェイはボス戦で寝るという愚行を犯した。


「お前強すぎだな」


 この結果は俺が渡した自作した武器のせいだ。元々、ネームドで素早いハヤテに火力を持たせたことで手が付けられなくなった。もしかすると俺より強くなってしまったかも。従順で良かった。お座りさせて頭を撫でてやる。


 おい止めろ、我賢狼ぞって言ってるけど尻尾フリフリしてるので続行。


 20階層のボスはレッドキャップ、可哀想だが瞬殺だったので省略。テイムには失敗したができるってことはここもダンマスはいないのかもしれない。


 ここまで迷宮を作り込めるのでダンマス同士の戦いとかありそうと俺は睨んでるけどどうなんだろう。とにかく最下層へ行けばストーリーが進む気がする。なんたってペルシア最後の迷宮だし。


 それにしてもコンテンツが多くてイベントが渋滞しそうな予感。今俺が集中すべきは対冒険者だと顎に手を当てて俺は自分がされて嫌な事を考える。このハヤテと並べ相手から見てより難敵とするにはやはり後衛の存在が不可欠だろう。


「ゴブウェイは後衛運用かな。得意って書いてるし」


 この手のゲームではユニットの長所を生かし欠点を矯正しない方がいい方向に転ぶというのが俺のゲーマー知識。弱点修正はコストが掛かることが多く、得意を伸ばした方が大抵効率がいいのだ。


 魔物の強化はサブサブロと同じスキルツリーで、幹部だけ弄る事ができるようだ。俺は弓スキルを上げまくり、寝転ぶゴブウェイに無理やり弓を装備させた。


 性格が生粋の怠け者だが命の危機になればこいつも動くはずだ……うん、はず。


 ついバランスを求めてしまいがちだが、ここは更にハヤテを鍛えて能力を突出させる。最強のエースを作っておくと闘いやすくなる。ジョーカーを作るのだ。勿論、これは今だけの話で折角、仲魔と共に戦えるシステムがあるのだから6傑には各方面の最強を目指させる。


 大福はタンク、バワンは飛行、ツリーは……観葉植物として極めて貰う。


「よし、ガンガン鍛えるか」


2時間ガチでやる。ゲーマーの本気だと俺はエナドリを決めた。


◇◇◇


 一時間でマルタノ30Fに到達。個人的に時間が掛かったがそれほど作り込みがえぐかった。ボスはボーンスキュラ。崩れた鎧から骨を露出させた骸骨騎士である。大楯と刀身が黒色のブロードソードを手に持って、20体もの骸骨兵を率いていた。


 ちょっとした軍だ。色んな敵が出てきて面白い。ハヤテに命令して彼のスキルである≪ガウル・ロア≫を放たせる。こいつは牽制技で怯ませることができるスキルのようだ。流石にボスには効果がないようだが、前にいた5体の骸骨兵がたじろいだ。コミットラグにも少し慣れてきた。サブサブロも踏み込ませ、その前にハヤテを出して更にスキル使用の命令を下す。


「いけハヤテ」


我狼一閃(ガウスラッシュ)


 ハヤテの必殺といえる大技。出し惜しみなどしない。全力でぶっ倒す。前に出ていた雑魚達が崩れ落ちる中、操作したサブサブロをノータイムで突っ込ませる。


≪スピニーエッジLv2≫


 回転技によって斧をぶん回す。残った右二体の雑魚を粉砕し、そのままボスへ一撃を加える。ボーンスキュラが大楯でガードするが威力を殺せず後方に跳ね跳ぶ。


 そう、今回の主役は配下達。ノックバックさせるのが俺の仕事。射線が通った。覚えたてであるゴブウェイの弓スキルを炸裂させる。


≪ホークショット≫


 寝そべったままの射撃なのでカッコは付かないが、ボーンスキュラの右目を射抜き悲鳴をあげさせた。


「なんだ。これで怯むなら嵌められるな」


 見た目だけであんまり強くないとガッカリ。まあ、現実なら叫んで当然だがゲームにおける怯みは明確な隙だ。悪いけど弱点を突くのは基本。俺は怯み嵌めを連発させる。おいこいつマジかよと仲魔がドン引いている気がするのは気のせいか。うん、気のせい気のせい。


 サブサブロをローリングさせて体当たりを行い体勢が崩れたボーンスキュラにハヤテで止めを刺す。≪ウルフファング≫要は噛みつきで核を抜き取ったハヤテは噛み砕いてフィニッシュを決めた。


 所謂、フィニッシュブローって奴だろうか。サブサブロにはないのこれ?カッコ良いんだが。残った骸骨兵をゴブウェイに射抜かせて掃討する。


 あのぐうたらが一気に弓の名手に。うーん、やっぱプレイヤーってばチート。これなら冒険者にも勝てる気がしてきたぞ。


「うし30層突破。とりあえず40まで行くか、次は目標30分だな」


 命令を下すと魔物達が驚くモーションを決めた。魔物の感情も表現されるのは芸が細かいけどこんなんで驚いてくれるなよ。6傑であるお前達にはもっともっと凄いことやって貰うんだからとゴブウェイを引きずるようにして俺は40層へと向かったのだった。


 勿論、マルタノはクリア速度が記録されるって設定。最上一郎攻略に夢中になって覚えてません。てへっ。


◆───-- - - -            - - - – --───◆

result

Dランク ソロ冒険者

  サブサブロ(年齢不詳) LV24 種族魔王 伝説のキコリナイト

 HP1580 MP590  ATK510 DEF240

drop

スカルスキュラの大盾 骨の剣 迷宮ポーション×23 他

◆───-- - - -            - - - – --───◆

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― 新着の感想 ―
[一言] 寝転びながら、弓、一閃……………ww
[気になる点] 最速クリアで実績解除だ!
[一言] やる気ないのに弓の名手とかキャラ立ってきたな… 怠惰のゴヴウェイとか呼ばれそうですやん!
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