88.【俺】森騎団と出会う
希望を募るという謎システム。やってみると全員行きたそうだったが特に必死だったバワンと大福を今回は連れていくことにした。そもそもこの二匹は登録を終えているので魔獣店モードックに行かなくてよくて楽だし。PT入りさせたらめっちゃ甘えてきた可愛い。
他の面子には『白銀連盟』との稽古を継続。ちらっと人側にも立ち寄ったがミハエルのおっさんがハーレム状態になってたのだけが不満だ。
まあゲームだし、肩身狭そうに見えたからいいけども。ってか教会側もまるで帰る気なさそうだ。スパーダの施設に心奪われていた。聖職者としていいんだろうか。もう帰すわけにもいかないし、住人も欲しいので放置するが。
ペルシアに飛び大福とバワンの従魔の証を身に付けさせる。二匹ともサブサブロの頭と肩に陣取るので目立ってしょうがない。
シアラ :えっと
そしてギルドに来てみれば何故かシアラちゃんの距離が近い。前のイベントですっかり嫌われていると思ったが良かった。ただ、バワンと大福が威嚇してビビらせてしまっているが、メニュー画面が開けず動かせない。無念。
魔王サブサ風呂:スマナイ 大人シクシロ サモナクバ 連レテ ユカヌゾ
ピタッと止まる二匹。
シアラ :凄いですね、魔怪鳥に階層主であるナルケットラビをそこまで手懐けるだなんて
魔王サブサ風呂:我ニ トッテハ 容易スイコトダ
「シアラちゃん住人になってくれないかな」
可愛いし、ただ余り女の子ばかりを集めると配信しにくくなるというジレンマもある。休日に高瀬さんも来ることだし諦めるべきか。せめてもうちょっと愛想よくして欲しい。全部の台詞に自由度があれば最高なのだが、十分楽しませて貰ってるし流石にそこまでは望みすぎか。
シアラ :はい、サブサブロ様の切り株ダンジョンの踏破を確認しました
立ち入り禁止が解除されたので報告してみた。まあもう禁止時点で踏破してたのはもろバレだろうけど。
シアラ :えっとそれでサブサブロ様はD級の『マルタノダンジョン』への入場希望ということで?
マルタノダンジョン。切り株に次ぐペルシアにある第二の迷宮。ここがペルシアの経済を回す金となる木で、だから、この世界の町はダンジョン近くに作られる。
マルタノは全80層と深く、警備も厳重だ。今回は鍛え上げるのが目的だが俺はいずれ最下層まで行き可能ならスパ迷宮と繋げたいと思っている。
ここを拠点地とするならベルシアの町を生かさず殺さずパラサイトのように取り付き領土拡大を狙う。基本、大胆に動くが拠点形成は慎重に行く。目指すは住人を利用した迷宮機能の自動化。そうした方がいいと思うのはゲーマーとしての感覚だった。
魔王サブサ風呂:ソウダ
シアラ :従魔二体との攻略ということでいいですか?PTを募集することもできますが。ダンプスト様の計らいで優秀な人事を
選択肢が出たので要らないと選ぶ。
魔王サブサ風呂:不要ダ
あっやべ。連打で遮っちまったと頬を掻く。このゲーム、変なところで無駄にリアルなのだ。しっかり反応が用意され好感度が下がったりするんだと思う。
シアラ :そっそうですか。えっと、こちらがマルタノの通過証となります。何層までたどり着けたか自動記録され、定期的に提出を求められると思いますので失くさないようにお気をつけください
≪サブサブロはマルタノ攻略許可書を入手した≫
つまり、間接的にだが見張られ普通から大きく外れたプレイングをすると調べられてしまい最悪警戒度が上がってしまうということなのだろう。
「気をつけねえとな」
まあ常識人である俺とサブロが変な行動とるわけがないがな……ん?
シアラ :あのっそれでサブサブロ様。もっもし良かったら今日っ
バアンと入口の扉が開きまたまたタイミング悪く遮られてしまった。飛び込んできたのは息を切らした二人の冒険者。それは俺が目を付けていたC級のメンバーであり、ついゲームなのに身構えてしまった。
「森騎団だっけ?オッサンがボッシュで若い方がウィルソン」
名前を憶えていたのは一番ヤバいと判断していたから。ノイマンやケルベックに比べるとやはり数段劣るが、彼らの持つスキルが問題だった。
◆───-- - - - - - - – --───◆
【PT森騎団】RANK C
ボッシュ (29歳男) LV32 種族人間 斥候士
HP12,000 MP550
≪シャドウスラッシュLv4≫≪パラジナイフLv3≫≪ハイドアタックLv2≫≪アナライズコードLv4≫
≪看破≫≪隠密≫≪中級鑑定≫≪投擲≫≪観察≫≪追跡技術≫≪乗馬技術≫
ウィルソン(19歳男) LV24 種族人間 弓士
HP8000 MP650
≪ラピッドショットLv3≫≪バックショットLv2≫≪スカイブラストLv4≫
≪看破≫≪追跡≫≪中位鑑定≫≪投擲≫≪視野拡大≫≪思考力向上≫
★魔眼──鷹の目
◆───-- - - - - - - – --───◆
「うん、何かヤベえ」
斥候士なんてもの初めて見たが、このゲームならではのジョブなのだろう。言うまでもなく偵察行為に長けたジョブであり彼の持つスキル群は暴く系、調査系に集中している。いや……本当か?これ。ボッシュの見た目がどう見ても騎士なんだが。確かめる方法はないが注意すべきか。後衛にしてはやたらHP多いしな。
僧侶が攻撃魔法ぶっ放してきたし、俺は文字だけを信用しない。
さて両者鑑定持ち。ウィルソンに関しては魔眼、鷹の目なんてヤバそうなスキルを所持していた。こいつらを率いる森騎団のリーダーの名はレグナード。まだ出会っていないがこいつは特に知力が高く要警戒。正直、接触を避けようと思っていたがもう出会うとは。
「シナリオか?」
シアラ :どうしたんですか!?ボッシュさん
ボッシュ :ギルド長に伝えてくれ。ゴブリンの一本塚を発見した。それもかなり大きい、キングが出たかもしれない
シアラ :なっ!?
あっこれやったかもと俺は顔を顰めたのだった。




