75.【俺】負けイベントと誤解する①
門番アラン :おいおい旦那。転移持ちかよ
ペルシアの町──勝手に門の前に転移した。門番に囲まれる。自キャラだがサブサブロがファンキーすぎる。
「またイベントか。続くなっと録画は……よし、回ってる」
魔王サブサ風呂:コレハ? モンバンニ カコマレル オボエハナイガ
門番アラン :行き成り人が現れたら驚くだろう。特に旦那は目立つんだ。町を守るものとしては警戒しちまうもんさ
魔王サブサ風呂:ソレデ ハイッテモ?
ポール :まっ待ってください
声を出したのはポールとかいうノッポの青年だ。そういえば最初にもいた気がする。キノコカットで目が見えない。
ポール :ダンプスト様がお呼びです。もし現れたらお連れするようにと
魔王サブサ風呂:ダンプスト?
「ギルドマスターってさっき言ってなかったか?」
衛兵アラン :ギルド長だよ。アンタ冒険者なんだろ?何で知らないんだよ
ポール :アランさんお願いします
門番アラン :ったく、なんだって皆して足の悪い俺を扱き使うんだか
魔王サブサ風呂:ギルド ナラバ バショハ ワカルガ?
門番アラン :まあそう言うな旦那。この町にも色々あるのさ。郷に入っては郷に従え。ん?これ誰の言葉だっけか
足を引きずりながらアランは進み、サブサブロは自動でその後を追った。
ペルシアギルド。クエストを求める冒険者達が激しく出入りし、相も変わらず賑わっている。アランが歩くと周囲がギョッとなる演出が入る。足を怪我したと言っていたが多分昔、それなりの冒険者だったのだろう。
「こういう奴が凄腕でしたって漫画だとわりと有り勝ちだよな。おっまたシアラちゃんだ」
何だかいっつもこの子、もし現実ならこのギルドはブラックだろう。
受付嬢シアラ:あっアランさん!?
門番アラン :よおシアラ久しぶりだな。ちょいとダンプストに繋いでくれるかい?お探しの奴を連れてきたってな。ほら、旦那だ
シアラはサブサブロを見てハッとし、少々お待ちをと言葉を残し大慌てで奥へ駆けて行った。
魔王サブサ風呂:オマエノイウ ダンナトハナンダ?
門番アラン :すまん、冒険者時代の癖だな。自分より強い奴をそう呼んじまうんだ。実力を隠してただろ?嫌か
魔王サブサ風呂:……スキニシロ
門番アラン :そうかいそいつは助かる。なあ旦那一個聞きてえ。アンタは
アラン様と戻ってきたシアラの声に遮られた。
受付嬢シアラ:アラン様、サブサブロ様、ギルドマスターの部屋へご案内致します
門番アラン :残念、時間切れだな
少しも残念そうじゃないアランの背を追ってサブサブロはギルマスの部屋へと入ったのだった。
◇◇◇
「本当にAなのかこれ?」
出不精な俺より運動できなさそうな太った中年男性が中央の椅子に座っている。偉そうなのでこれがギルドマスター、ダンプストなのだろう。キャラが濃い。
ダンプスト :貴方がミスターサブサブロ。連れてこいといったもののまさか本当に堂々と戻ってこられるとは正直思ってなかったネ
魔王サブサ風呂:ボウケンシャ ガ ギルドニ モドッテクルノハ ヘンカ
ダンプスト :そっそんなことはないネ。ただ……
パティ :アンタっ!ゴート達をどうしたっていうの?答えてっ
バンっと机を叩いたのはダンプストの後ろにいた3人。その内の唯一の女、パティ。そういえば一回鑑定した記憶がある。『不落』の残りメンバーで弓士だっただろうか。その横にいるサインとかいう青年も一員だったはず。ジョブは覚えてないが剣持ってるし剣士だろ。彼らがいたら俺はどう足掻いても負けていただろう。
演出もあるだろうが何だって二手に分かれていたんだろうか。そして一番俺の気を引いたのは壁に凭れかかる男。カーボウイハットをかぶりガンマンのような見た目。マジで最近みないので昔ながらのキャラだと思う。流石は古いゲーム。手前にあるオブジェクトのせいで見え辛いが肩に魔物を乗せていた。
「あれ、魔怪鳥だよな?」
バワンとバッツと同じ。ただ別種なのだろうかオレンジである2匹と違って体が青い。彼も魔物使いなのだろうか。
サイン :おいっパティ
パティ :臆病者は黙ってて。答えろリーデシア兵
さてどうしてたものか。
魔王サブサ風呂:ソノモノタチ ナラバ ワレガ コロシタ
「あっ選択肢でねえや」
≪ペルシアの町警戒度が25%上昇しました≫
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≪街警戒度≫
%上昇につき貴方を危険視する者が増え、選択肢のある会話が変化、最大値になると街への入場が不可・追われる身となります
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