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62.【俺】コンティニュー超連打というチート

 もうすぐ戦闘時間が4時間を超え、このままでは日が明けてしまいそうだ。


≪コンティニューしますか?≫


yes


 さて何回目だろうか。こいつら強すぎ。死にゲーレベルで負けている。正直、負けイベなんじゃないかってくらい。でも、三対一だしいいだろ?もう余裕で人数分上回ったけど。


ニアム    :嘘……でしょ?限界はないの……?

        こんなの勝てっこないじゃない

ゴート    :化け物がっ


 確かにゲームの主人公としては当たり前のやり直しは実在したら悪夢だろう。


「でもゲームだからな。卑怯だろうがここは守り切るっ」


ゴート    :ニアムっ!?

ポーネソン  :しまっ


 遂に均衡が崩れた。取り出したリーデシアの直剣を取得したての投擲スキルによって投げ、僧侶を貫いた。勿論、全年齢対象なのでマイルド表現だ。腹に当たったニアムは悲鳴をあげてHPがゼロとなり倒れ込んだ。


「しゃああ獲った」


ゴート    :ニアムううう


 まるで俺が悪役みたいだが、こいつらは不法侵入した上にバッツを殺すわ、生き返ることを知らない時点で気軽に俺も殺したのだ。同情の余地はないと切りかかる。何よりゲームだし。


ゴート    :ポーネソンっ!?

ポーネソン  :くっ


「っチ」


 おしかった。回避されて舌打ちをしてしまう。


ゴート    :貴様あああ 何て卑怯なっ


「五月蠅いっこっちは眠いんだよ。何時だと思ってんだはよ死んでくれ」


ポーネソン  :落ち着け!そして聞け!ニアムの事は今は忘れろ!

        こいつは拘束するしかない。奥の手をつか


「んなの許すわけねえだろ」


ポーネソン  :あっ


 袈裟切りで切り捨てる。


ゴート    :ポーネソン……


 ゴートの前にHPがゼロとなったポーネソンが倒れ込む。やはり回復役が肝だった。簡単に押し切れる。


ゴート    :ひっ


 踏み出すと震えて後ずさる。案外、二人がいることが精神的支柱だったのかもしれない。顔グラが心が折れたといわんばかりに青ざめている。


ゴート    :たっ助けてくれ。おっ俺は貴族だ。こっ殺せば大変なこと

        になる。くっ国から追われることはお前も嫌だろ? そっ

        それに助けてくれればお前の望むものをなんでも用意する。

        何でもだ


「ムービーか」


 黒幕が入り、ムービーになった。動かさなくても勝手に動く。


魔王サブサ風呂:ナンデモ?

ゴート    :そっそうだ何でもだ。ひっ必死にランクを上げていたよな。

        必要なんだろ?俺が頼めばすぐにもCランクにあがれる。

        いっいやBランクだって可能だ。他にも何だって言ってくれ

魔王サブサ風呂:ソウカ ナラ バッツ ヲ イキカエラセテ モラエルカ

ゴート    :ばっ?バッツ

魔王サブサ風呂:キリコロサレタ マカイチョウ ダ

ゴート    :そっそんなのできるわけ

魔王サブサ風呂:ナンデモ ト イッタデアロウ キサマハ ワレニ ウソヲ

        ツイタノカ? デアレバ クビヲ オトスシカ アルマイ 

ゴート    :まっ待ってくれ!魔怪鳥なんてどこにでもいる。代わりを

        捕まえてくる。あんな雑魚じゃない。もっと成長した巨大な

        魔怪鳥を


 無言で斧を担ぎ歩みを進めるサブサブロ。悪いゴート、仮に操作できたとしても俺はこれを止める気にはなれない。どころか──


ゴート   :おっ俺は貴族だぞ。あんな魔物の雑魚鳥なんかと釣り合うわけがっ


「ホームランスラッガー」


≪ホームランスラッガーLv1≫


 まるでシステムが俺のつぶやきに応えたかのようにサブサブロが斧による必殺を放ち、ゴートをボールのようにふっとばした。正直、スカっとした。


魔王サブサ風呂:コレガ ニンゲンカ


ちょっとだけサブサブロの台詞に、ん?っとなったが欠伸が出て思考が止まる。


イチっ!!起きや!アンタまた遅刻するで」


「起きてるってすぐいく」


 下の階で母が壁ドンして知らせてくる。まさかの朝。また学校……死んだなっとフっと笑みを浮かべた。喜べないのはやはりバッツが死んでしまったからだ。


◆───-- - - -            - - - – --───◆

勝利 

≪ボス不落を迷宮で撃破しました。メイズポイントを獲得≫

≪メイズポイントは迷宮拡張に必要なポイントです≫

サブサブロのレベルが20に到達しました

魔王としての新しい力が解放されます

◆───-- - - -            - - - – --───◆


「おっ」


 電源を落とそうかと思ったがいい力が解放されたと慌てて魔物達のもとへ向かう。未だお通夜状態でバワンがバッツを抱き留めていた。俺が近づくと威嚇してくるが、申し訳ないが時間がないとバッツを奪い取る。


 折角得たメイズポイントを全部消費することになるがまあ仕方がないだろう。これで迷宮のお披露目が遅れるかもだがそれでも俺はこっちを選ぶと力を行使する。その力とは──


≪死者蘇生≫


 死んだ仲間を生き返らせるというゲームでは当たり前の神の御業。蘇ったバッツがむくりと起き上がり、全員が呆気にとられる。


「よし!万事解決!」


 ホントを言うとデュアルミッシュはアドベンチャーRPGだから奴らの仲間やギルドへの誤魔化しなど色々やらなければならないだろうが、降りないと母に殺される。俺は迷宮を閉鎖し、魔物達が俺に何かを言うのを無視して電源を落とした。


 階段を下りながら俺はふと思いついた。


「今の闘い動画にしよっかな」


 と。正直、グダグダだったがいいシーンも多く編集すれば神動画になる予感がある。バッツが死んだところと生き返ったシーンを映すとセンセーショナルな動画に仕上がるかもしれない。


「タイトルはバッツ死す!?しかし彼は不死鳥の如くで決まりだな」


 この時の俺は完全徹夜テンションだった。


 俺の予想通りこの動画は底辺にしてはプチバズを起こすことになるのだが……


 これによって俺の想像を超えた事態を俺自身が無自覚に巻き起こすことになるのである。振り返ればこれがデュアルミッシュの本当の始まりと言えるかもしれない。何故なら俺とサブサブロが現実サイドとエルダインサイドで無限に連鎖し止まらない勘違いという高波を生み続けてしまうのだから。


 そしてこれは配信者最上一郎と魔王サブサブロの最強タッグ爆誕の瞬間でもあった。退屈なんてさせない。だからサブイチチャンネルの登録をどうかよろしくお願い致します視聴者様。


 いや、ホントにデュアルミッシュってゲームが最高に面白いからさ。

◆───-- - - -            - - - – --───◆

result

Dランク ソロ冒険者


  サブサブロ(年齢不詳) LV20 種族魔王 影薄ローリングナイト

 HP1080 MP390  ATK310 DEF140

 自作斧 リーデイルの直剣 初級リーデイルの黒鎧

 斧 ≪パワースラッシュLv2≫   剣 ≪スラッシュLV1≫

   ≪スピニーエッジLv2≫      ≪カットブレードLV1≫

   ≪ホームランスラッガーLV1≫

専用

  ≪魔物使役≫≪迷宮運営≫≪魔界街制作≫≪new死者蘇生≫

共通  

  ≪隠蔽≫≪中級鑑定≫≪ローリング回避無敵時間向上≫≪斧の心得≫

  ≪new索敵≫≪newミニマップ≫≪new投擲Lv1≫

drop

大盾『不落』、ニアムの杖、ポーネソンの剣

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

今日はキリがいいので更新はここまでです。明日で一章が終わりとなります。また明日改めて書きますが、ここまで読んでくれた方、ブクマ、評価、コメ、脱字報告してくれた方々に感謝。ありがとうございました

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― 新着の感想 ―
[一言] バッツが蘇った!いいぞ!
[良い点] ゾンビで復活じゃなくてよかった~
[良い点] とても物語の構成がよく
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