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55.【俺】三日間でスパ迷宮はこうなりました②

 一応、配下達の装備を作ったのだがサイズをミスってぶかぶかである。ぶふっと噴き出した妹をギロっと睨む。声出すなつったのに。


 彩高    :誰かいるの?


「ん?ああっと家族かな。自宅でやってるから音入ることもあるかもなのでご了承を」


 気のせいかもだが、打ち込まれるのが異様に早く感じてドキッとなった。妹がごめんごめんと手で謝ってきたのでハァーっと力が抜けた。


 自宅警護兵 :これどういうゲーム?ダンジョンもの?


「あっと、ジャンルは多分アドベンチャーRPGでシミュレーション要素もあるかも。敵側の人間が成長すっから」


 そう、この準備期間で俺が気づけた中で一番ヤバいものがあるとするならそれ。何気なく使った鑑定で一度見たものでもレベルが上昇しているという事実を知ったのだ。皆気づいた?イミールさんとか白銀連盟の連中普通に上がってたわ。


 名無しA  :魔王サブサブロってことは敵は冒険者?


「多分、そう。ただ、魔物側が相当劣勢で人間同士でも色々起きてるって感じかな。今なんて魔王なのに人間の英雄を(かくま)ってるし」


 名無しB  :ごめん、全然意味わからん。……どういう状況だよっ


「その辺ややこしいからアーカイブでは説明動画最初に付けてる。まあ録画してた映像のダイジェストだけど。詳しく知りたい人はそっちを見て欲しい。さらっと説明すると英雄の力が必要ないほどに魔物側は劣勢、そして恐らくは人間側に何故か英雄が狙われてるって感じ。とにかく今は人が敵って思ってくれていいと思う」


 最初から配信しなかったのでストーリー周りを説明するのがちょっと面倒くさい。まあ、いうほど進展もしていないけれど。


 自宅警備兵 :迷宮ものってことは稼働させてもう人間倒してる?


「いや、まだ。これが敵側のステータス。んでこっちが味方側のステータス」


 俺は二つのステータスを比較表示させて、足りないことを示す


 ヤヒヤヒ  :うわあっ……

 名無しA  :絶対無理なやつ

 名無しB  :圧倒的じゃないかこの戦力差


「おまけに向こうの冒険者は100人規模でいるのに対してこっちで戦力なるのは数匹かな。ぶっちゃけ数はいるけど」


 そういって俺はトレントファームを映し出す。わらわらと大量発生したトレント達にコメ欄がざわついた。君たちは見た事あるかい?4万超えのトレントを。


 百獣     :うわああああああああ

 名無しA   :きめえw

 名無しB   :噴いた

 自宅警備兵  :バグみたいになってる( ゜Д゜)


 ヤヒヤヒ   :イチお前何でこんなトレントだらけに……


 俺のチャンネルは謎ゲー攻略サブイチチャンネルでデュアルミッシュしかする気がないので名前をそのままサブイチにした。多分、サブとか現実と同じイチって呼ばれることになるだろう。凄い絵面なので視聴者がちょっとだけ増えてきた。初見、ナニコレ、すげえがほんの少しだけど飛びかい出した。


「トレント増加は不可抗力な。勝手に増えんだこいつら。でも、迷宮で使うマナをつくってくれるからすごい役にたってるぞ。一応、改めて幹部を紹介しとくと狼がハヤテ、鳥がバワンでここにはいないけどバッツって弟がいる。寝てるゴブリンがゴブウェイで白いトレントがツリーで年取ってるのがキテン、んでこのでか兎が大福な」


 そう、中級鑑定とってやっとバワン達が姉弟って分かったのだ。


「イチ兄、大福可愛い」


 妹が耳打ちしてきた。高瀬さんも大福可愛いとコメをうっている。大福、女性陣に大人気だ。


 そして俺は迷宮やペルシアの町を紹介して初めての配信を終えたのだった。え?白銀連盟はスルーするのかって?だって女の子ばっか集めてると思われたら嫌じゃん。


 ◇◇◇


「ふう」


「どうだったイチ兄?初配信」


「糞緊張した」


 うげーっと舌を出して疲れたと言えば妹がクスクスと笑った。


「はいこれ、また貸してくれ」


 俺が妹に返そうとするとキョトンする。


「え?いいの?」


「いいのってお前のだし、お前も使うだろ?配信で言った通り慣れるまで一週間に一回かな。編集とか勉強しないといけないしな」


「そっか、そだね」


 妹と自分の部屋で二人きりになることないので何か変な感じだ。


「ねえ、イチ兄」


「ん?」


「私さ、続けた方がいいと思うよ」


「三桁にも届かなかったのにか?」


「うん、関係ないから。こういうのってやり続けることが大事なんだよ。私もそうだったから」


 ちょっと考え込んでから妹をじっと見据えた。


「まあやると思う。ゲームはおもろいし、楽しかったし。デュアルミッシュは誰かと共有したいゲーム性だし」


 トレント見せた時の反応とか実に面白かった。


「また暇なとき来ていい?」


「別にいいけど」


 何が嬉しいのかヤッタとガッツポーズして妹は出て行った。


「アイツがあれほどゲームに興味を示すとはな」


 兄貴でも分からないことがあるものだ。しかし、それにしてもデュアルミッシュを始めてから俺の人間関係がやけに動き始めている気がする。


 高瀬さんと弥彦からもまたやる時連絡しろってメールも貰ったし。


「編集……覚えるか」


 デュアルミッシュを購入してホント良かったと思った。払ったの10円だけど。

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[一言] サブサブロって珍名に突っ込みがない!
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