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50.【俺】Dランクに昇格する

 やってきたノストラにゴートは忌々しげに舌打ちした。


 ゴート  :っチ、今終わったところだ黒槍


 ノストラ :ハハ つれないな。君と僕との仲じゃないか。それに今は同じ依頼を受ける者同士だろう?


 ゴート  :うるせえこの余所者が


 同じ依頼。そして余所者?ここだと俺はこっそり鑑定を掛ける。会話中にもスキル欄が出て使用できるのはこのゲームの面白いところかもしれない。

 

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

 ノストラ(24)貴族 LV45 種族人族  槍術士

 スキル  魔力譲渡 看破 槍術LV9 雷魔法LV8 デュアルスペル

HP34800 MP2100

これ以上の情報は貴方のレベルでは鑑定できません 

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆


「レベル45の三万超え。バケモンだな」


 鬼強い。悔しいが今は逆立ちしても勝てないだろう。こいつとは絶対に敵対してはいけない。そう思ったがぎゅんとノストラの顔がサブローに向けられた。


 ノストラ :今見たかい?


 ≪YES/NOか半分か≫


 NOを選択。


 サブサ風呂:ナニモシテイナイガ?


 目のマークが出て心音が鳴った。


 ≪嫌疑マーク 疑われている場合に表示されます 魔王と露見した場合、追手を放たれ町に入れなくなります。また赤で名が表記されたMOBは貴方が絶対に勝てない相手です。敵対した場合即時撤退を推奨します≫


「マジか」


 ノストラ :ふーん、まあいいかな。リーデシア兵と事を構える気は無いけど、そっちの方が楽しそうなんだよな。ねえ、僕はリーデシアにちょっとした伝手があるんだけど君の事本国に問い合わせてもいいかな


 ≪YES/NOか半分か≫


 ノータイムでYESを押す。


 魔王サブサ風呂:好キニスレバイイ ダガ リーデシア ハ 邪魔ダテスルモノニ 容赦ハシナイ


 ノストラ   :ははっ怖い怖い。この僕の殺気でピクリとも魔力が乱れないなんてね。スキルがやましいことは無いって言ってるけどそれが演技ならもっと怖いなぁー


 こいつヤバい。ゲームなのにその表情が、台詞がテキストを超えてゾクリとしたものを感じさせ、ついスティックを動かしてしまった。


 ノストラ   :おっと行くのかい?

 魔王サブサ風呂:我ニハ 関係ノ ナイコトダ


 ノストラ   :そうだね、君には関係がないようだ。リーデシアの魔道具とはいえこの包囲網の中、数人を匿うのは難しいだろう。それに僕が犯人ならここに戻ってこないよ。ここまでやって一切の乱れなし、彼は白だよゴート。多分ね


 ゴート    :その多分じゃ不味いから俺が出張ってきてんだろうがっ


 ノストラ   :埃なしなら彼らリーデシアとは極力関わらない。それが依頼条件だろ?


 ゴート    :くっ

 ノストラ   :何より僕はすぐにも王都に戻らなければならないからね。これでも忙しい身なのさ


 どうやらノストラのスキルを使って調べることを依頼したらしい。これそういう特殊なスキルを持ってる奴がいるっていうチュートリアルなんだろうけど怖。この段階で敵対するランクとは思ってなかったもののホッとする。俺はサブローを操作してその場を離れる。ヤバかった。あんな責めたてがあるとは思わなかった。ゲームなのにマジでドキドキしてしまった。


(あんなのと闘うことになるとかマジかよ)


 ランクを上げて強くなり、これはゴブウェイを筆頭にだらけきった我が配下達には猛特訓してもらわなければならない。まあでもこういう逆境を覆してこそがゲームの醍醐味。ノストラ、ゴート、でかい顔できるのも今の内だぞ? 暇を持て余した学生である俺がサブサブロと配下を鬼強化してこの盤面全部ひっくり返してやんよ。見てろ人類と俺は画面越しにイキったのだ。


 俺が受付にいけばやはりシアラちゃんがひょこっと顔を出した。もはや専属。ゲーム的な理由か、もしかして探りを入れられてたりするのか。なんだろうと可愛いからよし。


 受付嬢シアラ :あっサブサブロ様。達成報告でしょうか?


 魔王サブサ風呂:ゴブリンノ耳 ソノ他ノ 討伐証明ヲ 持ッテキタ コレデ Dニ アガレルカ?


 ゴブリン達に再会した時に遺体から掘り出した品を回収しておいた常時依頼の討伐証明部位。Dに上がれば色々と受けられるため依頼の幅が広がるはず。普通に時間が経って腐ってそうで大丈夫かなと思ったが流石にゲームなので通った。


 受付嬢シアラ :はい、確認致しました。切り株ダンジョンの10層到達と合わせ依頼15達成となりましたのでサブサブロ様はDランク冒険者となりました。これからは掲示板に貼ってある依頼を受けられるようになりますのでご確認下さいです


 魔王サブサ風呂:了解シタ


 Dランクの冒険者カードを受け取って、依頼掲示板へ行く。増えたのは採取依頼と討伐系がちょっと。あまりいいものはないようだ。チラっと上位ランクの依頼書を見れば良さげな討伐依頼が多い。


(近場の依頼を受けて高ランクのモンスこっそり狙えねえかな)


 受注しないとポップしないかもだけどとりあえず、ささっとスクショしておく。ユニークモンスターの位置も見る事が出来た。試すだけ試そう。


(後は、俺自身の強化だな)


 やはりアドベンチャーRPG。今みたいなイベントがあるなら戦闘系以外にも探知など補助系スキルもバシバシ獲得する必要がありそうだ。あいつらを守るために俺自身もあらゆる面で強くならねばならない。


「行くか」


 サブサブロを動かしてギルドから出る。ゲーマーとして憧れの場所だが、どうにも敵としてみてしまう上に探られるものだから居心地は悪かった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ノストラに詮索されて切り株には行っていないと答えたのに、その直後に切り株の踏破を受付に伝えるんだ? 調べられたらすぐ足がつきそうなんだけど…
[気になる点] ≫HP3,4800 ,の位置がおかしいです(´・ω・`) 100,000,000みたいな感じで、三桁ごとにつくものですね(´・ω・)
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