41.【俺】ゲーム三昧、寿司〇〇
帰宅後、母命令で妹含め三人で回転寿司を食べることになった。ん?22世紀なのに今と生活が変わっていないって?そう、人類社会はこのまま進歩し続けると思われたけれど、止まったのだ。
いや、一度進歩して減退したというべきか。
こうなったのはVR分野の急激な発達が原因で、人材(人の時間)が架空に流れたせいだって言われてる。興味そのものが向こうへ移り、経済含め現実にある様々なものが停滞した。
まあアホな俺に難しいことは分からない。普通に暮らせてるからいいのだ。兎に角、日本の22世紀はそんな感じ。大きな変化はVRがあるかないか。
昔はVRできなくてホントごねまくった時期もあったけどわりとコンシューマーのソフトで満足できてる自分がいる。糞ゲーでも何だかんだ楽しめる性格だし、何より今の俺の手にはデュアルミッシュという神ゲーがあるのだから。
もはやこのゲームで心配なのはボリュームだけ。一体どこまであるんだろうか。先が気になりまくって今も早くやりたくてたまらない。
「トロトロー」
「お母さん赤身ばっか」
「いい奈々。お寿司は好きなものを食べるのが正義なんよ」
そして二人でチラっとかっぱ巻きを食す俺を見る。
「お兄ちゃんかっぱ巻きってさ……きゅうりだよ?」
「知ってるよ。好きなんだよほっとけよ」
「一郎、貧乏板に付いちゃったんやな」
「それはそれで全国のかっぱ巻き大好きさんに謝ってこい」
「そうだ。ここ私払うから」
妹の言葉に俺はぎょっとし、母はすりすりと頬ずりした。
「きゃーありがとうやー奈々」
「ふふーん」
「配信って今、んな儲かんの?廃れたよな?」
何度も言うが配信サイトは廃れた。世界のトレンドがVRなのに酔うだのなんだのでVR配信が技術的に難しいとされ時代の波に乗れなかったのだ。が、最近上手くいって再熱というわけだ。
「んー色々引いて5000くらいかな。私は人気全然だしそんなにだよ。ただ今、VRのお陰で配信熱が来てて凄いんだ。奈々は歌だけどそれのお零れ貰ってる感じ。だから、今ゲーム配信いけると思うんだ」
成程、だから奈々はやらせたかったのだろう。ワンちゃんあれば奢って貰おうという魂胆だ。まあ、別にお金があるなら妹に奢るくらい構わないけど。
「何アンタまで配信やるの?一郎、やめときなさいって」
「んで奈々はおkで俺は駄目なんだよ」
「だってアンタ問題起こしそうやし」
「……」
否定できない自分が悲しかった。
◇◇◇
「ふぅー食った食った」
ゴロンと自室のベッドに転がってウトウトする。そういえば寝てなかったのだったと思い出す。学校帰って速攻寝てたら寿司食いねえと叩き起こされたのだ。
「宿題は見せて貰うとして……」
やらなきゃいけないこと何かあったっけと思いめぐらし──
「あーそういえば時限クエストだっけか。めんどくさいな」
とはいえ、どういう結末になるのか分からないが人間の仲間の伝手は欲しい。
「パッとやって寝よ」
流石に限界なのでちょっとだけと俺はパチンとPG5の電源を入れた。
オープニングが鳴り、デュアルミッシュのタイトルが浮かびあがる。newgameの下にcontinueの文字。選択するとセーブ欄が“三つ”。当然、進行しているデーターを選ぶけれど後二つキャラを作れるんだなと改めて思う。
「MMOならサブキャラつくるんだけど、流石にゼロからスタートの繋がりなしだろうしな」
落ち着いたら妹、奈々にやらせてみるかな。もしゲームに興味ないあいつがやりたいって言ったらだけどとこの判断が未来エルダインに更なる混沌を齎すことになるのを知るよしもない俺はアホ面でコントローラを握ったのだった。
ゲームに入るとオートセーブ地点に戻される。俺は迷宮内部の町で落ちたのでそこからスタート。目の前にクエストマークがあり、時刻が迫っていた。
俺が街づくり完了を押すと達成となりクエスト内容が変わった。
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≪クエスト☆どうか私たちをここに匿って≫
サブサブロは町を完成させた。白銀連盟の者達を招待しよう
迷宮に呼び寄せる魔物とは距離をとった方がよいでしょう。不満が溜まると住人が逃げ出すことがあります
◆───-- - - - - - - – --───◆
「んじゃジャンプっと」
俺は切り株ダンジョンを踏破している。早速、ファストトラベルを使って転移する。ちなみに大福は来る気がないらしく俺がつくった噴水に浸かっていた。これが我がスパ迷宮における最大戦力であるから悲しいところだ。
ロードが入り、俺は切り株最終層に着地したのだ。




