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36.【俺】切り株ダンジョンを踏破する

 最終部屋。円形の広い部屋であり、中心にダンジョンコアであろう球体があった。


 ≪切り株深層の間≫


 初心者用とあって結構な人数がここに到達するのだろう。人のいた形跡があって汚い。壁に落書きもあって何とも言えない気分になる。スタスタと進めばメニューが輝いた。


 ≪到達 ダンジョンコアを吸収しますか? yes/no≫


 うん、説明が少ない。デメリットを示してほしいものだ。


「まあでも普通に考えてYESだよな」


 俗にいう意味の無い選択肢。選ぶと盛り上がる音楽と共にコアから放たれた光の粒子が俺の中へと吸い込まれてゆく。


 ≪踏破:コアの魔力獲得に成功≫ 


 ≪サブサブロのダンジョンマスターはLV2に上昇≫


 ≪迷宮機能が解放されました 〔迷宮設置〕〔迷宮支配〕を覚えました≫


「おお」


 念願の迷宮設置を手に入れた。ってか普通に最初からできると思ってた。こうやって解放されてゆくのか。やって良かった迷宮攻略。兎に角これでサブローがダンジョンマスターとして動き出せる。


 ≪ファストトラベル解放 踏破した迷宮へジャンプ 階層へは人がいない時のみ使用可能≫


 tipsが増えていたのでチェックする。迷宮設置はやる時でいいだろうとさっと読んで迷宮支配の方に目を通す。


 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

 ≪迷宮支配:ダンジョンの乗っ取り≫

 踏破したダンジョンを乗っ取るにはレベルが上回る必要があります。またマスターコアを使用します。※通常設置する時にも使用

 マスターコア所持数01

 マスターコアは非常に貴重なため慎重に使いましょう。Sクラスアイテム


 ≪マスターコアについて≫

 ダンジョンを維持し、機能利用に必要な魔道具。所持数がゼロになった場合、貴方はダンジョンマスターとしての力を失います。

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆


「ほうほう」


 ≪切り株ダンジョンを乗っ取りますか? 危険度90%のためお勧めはしません。冒険者に見つかるとマスターコアは没収されます≫


 うん、答え出てる。流石にここでの乗っ取りは自殺行為である。でも、思った以上に迷宮も面白システムじゃないか。


「ダンマスがプレイヤーっていう設定なんかな?これ」


 当然、オフなので他プレイヤーがいるわけないがそう描かれていてもおかしくない。それか他の魔王なのか。いよいよストーリーも気になってきた。


「うし楽しくなってきたし今日で迷宮作るまでいっちまうか」


 やる気を出した俺だが一応、部屋を探索する。こういうのしっかりチェックするタイプである。


「おっ!ほらな隠し部屋発見だ」


 壁端を伝うとカーソルが出る場所を発見。ウキウキで開いた俺は固まる。女の子が詰まっていた。


「は?」


 小部屋に5名ほどの女性が疲れた表情で座っている。サブサブロが開くなり、一番手前の人がナイフを向けてきた。頭上にはイミールと表示される。


 イミール   :お前はっリーデシア兵っ!

 パイネ    :どうしてここが……

 レナ     :くっ


「何だこれ、イベント?うおっ勝手にテキストがっ!くっじゃねえよ。意味わからん」


 奥にいる若い女性エルフがぐったりとし、それをもう一人の子が介抱している。エリーという名前の横に麻痺毒状態と表示されていた。これは動けなくなったということなのだろうか。


 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

 運命のクエスト 白銀連盟の救助

 白銀連盟の護衛対象エリーが猛毒で倒れている。助けますか?それとも……

 みきみき つんぱつんぱ かるていは イエスかノーか半分か

《運命のクエスト》NOを選択した場合、殺害、見捨てるなどの択が登場。貴方の選択で未来シナリオが大きく変わるよ

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆


(迷宮には入れないはずだよな?こんな所に潜んでて、街に戻らず毒状態ってどう考えても厄介事だよな?)


 だって助けを呼びにいけばよいのだから。そもそも隠れている時点で誰かから逃げてるってことだ。まあ昨日不落って奴らに追われてたシーン流れてたし、あのままここにいたってことなんだろう多分。


「運命のクエストか。結構分岐あったりすんのかなこのゲーム」


 今更ながらとんでもないゲームなんじゃないかと思い始めた。後、ちょくちょくシステムさんキャラ変わってない?気のせい?何なのその呪文みたいなの気になるんだが。


「ん?」


《時間経過で戦闘となります》


 システムの言う通りリーダー、イミールがにじり寄ってきた。慌ててYESを選択。殺人プレイもやったことがあるが後味は悪いのでできる限り救ってやりたい。


 魔王サブサ風呂:ソコノ オンナ ヒュドラ ノ ドクニ カカッテイルナ

 イミール   :っ!?


「へえ、ってかここヒュドラがいるってことか?強そう。使役したいな。いや状況的に不落ってのに盛られたのか」


 サブローの読みは的中したらしい。警戒感が増した気がする。後ろの二人が武器を取り出した。


 レナ     :貴方っアイツらに依頼を受けたの

 魔王サブサ風呂:知ラン 我ハ 踏破シニ 来タ ダケノコト

 パイネ    :ヒュドラと分かった理由 答えて

 魔王サブサ風呂:我ニ 掛カレバ 造作モ ナイコトダ 助ケテ ヤロウカ?


 レナ     :助ける?治療できるっていうの?

 魔王サブサ風呂:可能ダ 

 イミール   :リーデイル兵がっ! 人助けだとっ! 見返りに私達を奴隷にとでも言うつもりか?


 ぶはっと吹いてしまった。これそういうゲームなのって。


 魔王サブサ風呂:気マグレダ 見返リ ハ 不要ダ


 サブローカッコいい。これはイケサブロ。


 レナ     :リーデシア兵が?そんな身なりで冗談も言うのね


 リーデシア兵さん何やったんってくらいに嫌われてる。まあ、話の流れからすると無理難題を突き付けて奴隷にするような人たちなのだろう。エロゲかな?


 魔王サブサ風呂:ハヤク決メロ ソコニイル者ハ 後 半刻程デ 死ヌゾ


 半刻と聞いてざわつく。リーダーであろう女性、イミールさんの顔グラが観念したといわんばかりの暗いものになった。


 イミール   :……わかった

 レナ     :イミール!?

 イミール   :彼女を助ける手段がない。彼に頼らざるを得ない。リーデシア兵、お前が何を企んでいるのかは知らない。だが、私のPTを傷つけたら私はお前を許さない


 うーむ、リーデシア兵の悪名がもの凄いという演出なんだろうけどこういう態度をとられるとあまり力を入れる気はなくなってくる。まあ、助けるには助けるけどさ。


「報酬あるかもしれねえし、一応少しだけやって放置しようかなこのクエスト。ダンジョンづくりを早くやりてえし。ってか奴隷ってどういう世界観」


「ねえ、イチ兄それってHな奴なの?」


 現実。夢中になって気づかなかった。真横に妹、奈々がいて俺の時間が止まった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >彼女を助ける手段がない。"彼に頼らざる負えない。" "頼らざる を 得ない"が正しいです。
[一言] 謎の呪文気になるな
[一言] システムさんの呪文、一節ごとに逆から読んで 「きみきみ パンツパンツ 履いてるか」かな? ということはつまり......システムさんは変態だった!?
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