表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/293

31.【俺】学生なので向かうのは学校

 九十九(つくも)高等学校。それが俺の行く地元の高校。合唱部と陸上がちょっと有名な取り立てて何もない普通の学校。ちなみに俺の成績も並。イッツザ凡である。


 ただ一つだけ特異なことがあるとすれば隣が超お嬢様学校白百合学園であるということか。アホほどでかい。俺はバス通いなので、手前からずっと白百合の敷地が続いているのが確認できる。


「イチ、お前何見てんの」


「ん?ああ、ちょっと今(ハマ)ってるゲーム。悪い」


 一番後ろの一個前の窓際が俺のお気にの場所。隣にいる猿っぽい茶髪の少年が俺の友人、猿飛弥彦(さるとびやひこ)。またエルダインの地図を確認してしまっていた。謝ってスマホをポッケに直す。そうそう、俺のあだ名は一郎からとってイチ。大体、仲いい奴からはこの名前で呼ばれている。


「今時スマホゲーか?」


「いや、コンシューマー」


「ぶはっお前(いにしえ)の民かよ」


 まあ、普通そういう反応になる。今は22世紀。VRMMO全盛期時代。誰も彼もがVRMMOだ。動画出そうかと考えてたがやっぱ恥ずかしいかもしれない。


「何とでも言え、糞面白えんだから」


「何てゲーム?」


「デュアルミッシュ」


「へー」


 あっ興味ないなこれはと会話を打ち切る。夏真っ盛り。空調の音が激しい。


「それよりさフェスやらね?」


「やらねーVR高えもん」


 現在若者たちを夢中にさせてるVRMMOフェス。やりたくないと言えば嘘になるがあれはマジで高い。専用のVR筐体パンドラボックスとやらも洒落にならない値段だし、電気代が恐ろしい。国が行なっている支援プログラムに入らなければできないが俺は漏れてしまった。


「ちぇっイチとやれば絶対面白えのにな。あーそうそう後さすげえゲームが出てくるかもって噂が流れてて」


「またかよ。幾らあっても金足らねー」


 んで?何てゲーム?って顔をすれば弥彦(やひこ)はこう答えた。


「ライフイーター」


 と。


 ◇◇◇


「終点 九十九学園前~。終点九十九学園前~」


「あ゛ー地獄に着いた帰りてえー」


 学校に着いた瞬間のダルさは異常。ぐっと伸びをすれば弥彦がクイックイっと俺の服を引っ張った。


「ん?」


「隣見てみろってイチ」


「お前じゃん」


「ちっげえよ。馬鹿かよお前っ!俺の!隣の席だよ」


 冗談が通じない奴だと体を伸ばして覗けば滅茶苦茶に可愛い女の子がスースーっと寝息を立てていた。黒髪ロングを編みこんだ美少女。とても華奢で、足がスラリと長い。白百合の制服が可憐(かれん)。思春期真っ盛りな俺達にとっては目に毒だ。


「糞可愛いな」


「だよなっ!だよなっ!」


 猿の弥彦(やひこ)が興奮している。友人として犯罪には手を染めないで頂きたいところだ。


「白百合通り過ぎたよな。寝過ごしか。ってかお嬢様もバス乗るんだな」


「そりゃ乗る事もあるだろうって」


 よく見かけるのが高級外車から降りるお嬢様たちの姿。お隣りだがマジで無縁の世界である。


「なあ、イチ。これ起こしてあげた方がいいよな。なあっ!」


 眼が血走ってて怖えよ。


「どのみちバスの運転手が起こすだろうけど、まあそうしたらいいんじゃね?ただ声掛けだけにしとけよ。肩ツンツンとか終わるぞ」


 分かってるってと勢いよく立ち上がった友人に溜息をつく。女の子に近づいた弥彦だったが一瞬固まって起こさずに通り過ぎてしまい俺は首を捻った。


(ん?)


 なんだ?っと俺も覗き込み固まる。女の子はホワイトボードを持っていた。


 ======

 DON'T TOUCH ME (触るな)

 仮眠中の私に触れた者、異性であった場合チカンと認定します

 それでも勇気があるなら貴方の好きにするといいわ

 ======


 成程、こいつはヤバい奴だと目を逸らす。触らぬ神に祟りなし。危険な事に首を突っ込まない俺はスルーしてバスを降りた。


「起こしたか?イチ」


「流石に無理。運転手さんに任せたよ」


「あー何て名前なんだろ。あんな子と付き合いてえええ」


「止めとけってお嬢様とかハードル高えし。絶対しんどいぞ」


 女性に興味がないと言えば嘘になるが、現在、俺の恋人はゲームである。相手は超がつくほどのお嬢様。まあ絶対縁がないし金輪際(こんりんざい)関わることはないだろうと俺はフラグを立てるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] すげぇ女子が居た(//∇//)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ