30.【俺】影の薄い戦士となる
血相を変えた『白銀連盟』のお姉さんたちが走り、その後を『不落』の連中が追いかけ10層を越えてすぐの場所で休憩していた俺を素通りする。うん、隠蔽思ってたのと違う。
てっきり鑑定を防ぐ防御スキルだと思っていたが普通に気配を消すタイプだった。そういう意味だっけ?だったら漢字違うくない?まあ、海外のゲームだから仕方ないか。初級にしてはそこそこ使えそうで後悔はしていないし。
しかし、何故『白銀連盟』が『不落』ってPTに追いかけられていたのかが分からない。
「これ俺イベントスルーしちゃったんじゃね?」
やってしまったかもしれない。彼らの姿はあっと言う間に見えなくなってしまった。俺を追いかけていたという勘違いだったらしい。ゲームで良かった恥ずかしい。隠密下手だなとかドヤったけどターゲット俺じゃなかった。
「きゅい?」
ちょっとションボリしたが大福の声で癒された。ちなみに大福は今も肩の上、よって空港の枕みたいになっている。
そして隠蔽スキルをとったことで俺のジョブに変化が起こった。ローリングナイトから→影の薄いローリングナイトへ。うん、これも思ってたのと違う。
「どうしてこうなった」
俺の理想の魔王像からどんどん遠ざかっている。どうにか軌道修正を試みたいものだ。
「さっきのクエストっぽいの気になるけど、一旦帰って終わるか。お前の登録もしないといけないしな」
エモートで撫でてやるときゅいきゅいと鳴く。こいつ糞可愛い。こうして俺はそそくさと迷宮から脱出したのである。
再び冒険者ギルド。
受付嬢シアラ :あのサブサブロ様、その肩のものは……
帰ってきた俺は受付嬢にアピールでこれこれ肩のやつアピールを行なった。ちゃんと反応が用意されていて嬉しい。
魔王サブサ風呂 :カイソウシュ ヲ テイムシタ
受付嬢シアラ :かっ階層主をテイム!?
ガタっとするテンプレな反応にちょっとニヤけてしまう。周囲もざわつき演出も入りこの開発者は分かってると頷く。
受付嬢シアラ :そっそれは!?リッリーデシアの魔道具でしょうか?
魔王サブサ風呂 :話ス コトハデキン ガ 我ノ力 ニヨルモノダ
おおー珍しくサブローもドヤっている。
受付嬢シアラ :しっ失礼を。さっサブサブロ様は特別、魔獣判定をパスとさせていただきまして従魔の証をお渡ししますね。そっそれでその子も冒険者登録されるのでしたら名前を
魔王サブサ風呂 :ダイフク ダ
何だろうゲーム越しなのに空気が死んだ気がした。ネーミングセンス無くてごめんなさい。
◇◇◇
デュアルミッシュの電源を落とし、疲れたーと現実のベッドにダイブする。ちょっとゲームのやり過ぎかもしれない。引き篭もったみたいになって母に怒られかけた。ゴロンと仰向けになってスマホを見る。
画面にあるのは写メっておいたエルダインの地図。勿論、撮ったのはダンジョンの場所決めのためだ。
「ダンジョン……建てるとするとこの位置か」
選んだのはダンジョンがあり冒険者が集まりやすい東側とは反対側。本音を言えばトレントファームに置きたいが多分、人が全くいないのも駄目だと思っている。とはいえ密集地帯には置きたくないという気持ちがでてやや逃げの配置となった。
(もうちょい説明してくれたらな)
建てようとすると後悔しませんか?本当にここでいいの?とやたらシステムが確認してくる癖に一切説明がないのはちょっとあれだ。
(人倒さないとポイント貰えないとかだよな普通)
「ふわああ」
欠伸が出た。眠い。明日ダンジョンを作り、切り株ダンジョンの攻略を終えてしまおう。働かない頭でそう計画を立てた俺は学校のために7時にめざましを合わすのだった。宿題の存在を忘れて。
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result
サブサブロLv10
≪パワースラッシュLV1≫≪スピニーエッジLV1≫
初級鑑定 初級隠蔽
new member 大福
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