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29.【俺】階層主と闘う

 坦々(たんたん)と踏破し、10層階層主の間に辿り着いてしまった。難易度はそこそこといった感じ。多分、作った防具のお陰で楽に攻略できている。装備大事ホント。


 エリアボス前にはセーフルームがあり、巨大な門がある。まあよくあるやつだ。問答無用と門を開く。中心に立つのは巨大な兎。その容姿に拍子抜けしてしまうがそこそこ強いはずと初級鑑定を使う。


 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

 ナルケットラビ LV10

 切り株ダンジョンの第十層を守る者。にんじんが大好き

 突進を好みその可愛さに油断すると骨を折る大けがを負うだろう。地方によって毛色が違い愛好家の中で集める者も多い

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆


 流石初級。びっくりするほどどうでもいい情報しか載っていない。相変わらず冒険者たちが付いてきていたがここに入って視線が消えた。流石にボス部屋には入ってこれないのだろう。


 そしてこの広さならいけると俺はメインウェポンである斧を取り出し、構える。バトルが始まる。凄いスピードで駆けてくるナルケットラビ。それを俺は斧で受け止めた。サブローが大きく仰け反りノックバック。


【全力体当たり 効果ガード時ノックバック】


「にゃろ」


 イラっとしこっちも負けじとスキルを使用する。


 ≪パワースラッシュLV1≫


 斧による降り下ろしだが何と角で受け止められた。即座にきた追撃を俺は下入力によって回避する。


 ギリギリの攻防。やっと歯ごたえのある相手がでてきたと笑みを浮かべれば兎もニヤッと笑った気がした。


「サブロー遂にあの技を使うぞ。行け!スピニーエッジ」


 ≪スピニーエッジLV1≫


 俺の会心の回転切りはスカぶって、ビビったラビはすっころんだ。実力は拮抗している。死闘が始まった。


 さあ始めよう。戦いのボレロを。俺は少し厨二を患っている。


 ◇◇◇


「はぁはぁ」


 ≪Win サブサブロのレベルが10にアップしました≫


 ゲームなのに息が切れた。多分、30分くらい戦っていたのではないか。HPもギリギリでまさに死闘だった。ナルケットラビも腹を向けて寝そべっている。


≪降伏のポーズ 仲間になることを希望しています≫


「え?ボスってそんな簡単に仲間なんの!?ってか迷宮の魔物って仲間にならないって話じゃ」


 ≪チュートリアル:迷宮の階層主を仲間にしようSTART 初回のため今回はサービス。稀に仲間になることがあります≫


「成程……」


 いや、でもだ。これ魔王ってバレね?と思ったがすぐに解決してくれた。


 ≪テイム状態にしテイマーを名乗ることで人に露見しにくくなります。ただ、強力なモンスターを従える場合はファーム帰還を覚えてからの方がよいでしょう≫


「ふむふむ」


 なら、使役しない理由はない。何よりこいつは戦友である。冒険者には敵わないだろうが一番の戦力になるだろう。まあ可愛がって戦闘に出さないかもしれないが。


「使役っと」


 ポチっと押すと青く輝き、システムメッセージが表示された。


 ≪ナルケットラビが仲間になりました。名前を付けて下さい≫


「じゃあ、大福っと」


 ≪大福を使役しました≫


「いや、せめて立てよ」


 寝そべったままの大福。性格があればぐうたらかも知れない。


 ≪大福は疲れています。装備することが可能≫


 確かに装備とあるので一応押してみると、よじのぼって俺に(またが)った。肩車である。


「いやいやいやいや」


 デカいから超目立つ。戦った時より小さくなっているとはいえ、怪しさ満点補導ものである。


 ≪階層主の使役について、迷宮主がいる迷宮では不可能。主のいない野良迷宮でのみ低確率で発生します。倒した時と同じようにリポップしますが、仲間にできる階層主は一体のみとなっています≫


「ふむ」


 ということはこの切り株ダンジョンは迷宮主がいないダンジョンということなのだろう。


(ってことはいるってことだし、もしかして迷宮主とも戦うことになったり?)


 あり得るかもしれない。色々と説明が来ているがとりあえずスキップし、俺はスキル画面を開いた。


「とりあえず隠蔽とっとくか」


 効果あるかは不明だが、どのみち取るだろうと念願の隠蔽スキルを取得したのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 闘いのボロレって、戦いのボレロでないかな? わざとネタにしているのか分からなかった。
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