表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/293

24.【俺】このゲームのジャンルに気づく

 魔王である俺は魔物を狩っても微々たる経験値しか貰えない。よって俺にとっての当面の敵。それは冒険者ということになるだろう。


 ≪初級鑑定を覚えました≫


 ゴブリンの依頼をこなした後、俺はギルドへと帰還して結果待ちをしていた。結局一匹も倒さなかったが使役したせいかレベルが6に上がった。そこで得たスキルポイントを使って、俺は初級鑑定をゲットする。


 正直、これはもっと早く取得すべきだったと後悔する。


「こいつら強え……」


 周囲にいる冒険者の力を知って俺は愕然(がくぜん)とする。隣で依頼料が少なく受付嬢にごねている者まで俺の想像よりも遥かに強い。


 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

 ヒューイット(21歳男) LV14 種族人族 ソロ ジョブ戦士

 HP180 MP90  ATK90 DFS30

 ブロードソード+2 蜥蜴小竜の軽鎧

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆


 周囲の面々もレベル一桁はほとんどおらず10台を維持し、中には20台もちらほら見かける。何より奥の酒場で飲んでる連中がヤバい。


 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

【PT不落】RANK C

 ゴード   (31歳男) LV27 種族人族     重戦士

 ニアム   (24歳女) LV21 種族人族     治療師

 パティー  (24歳女) LV20 種族エルフ    弓士

 ポーネソン (126歳男) LV22 種族半竜人    剣士

 サイン   (18歳男) LV26 種族ヒューム   魔剣士


【PT白銀連盟】RANK C

 イミール  (25歳女) LV22 種族人族     双剣士

 レナ    (21歳女) LV21 種族エルフ    治療師

 パイネ   (19歳女) LV20 種族ドワーフ   重騎士

 ライザ   (17歳女) LV16 種族人族     魔法使い

 エリー   (16歳女) LV16 種族エルフ    魔法使い

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆


 ランクCの二グループ。『不落』はPTでリーダーであろう強面巨漢の男ゴートが強烈な存在感を放ち、それに連れ添う者達が彼に信頼を向けている。PT全体として見てもMMOにいそうな見た目でバランスも考えられている。


 5人が基本ってことか?まあ、ゲームなので適当かもしれないけども……。


 続いて『白銀連盟』。魔法使いのライザとエリーの二人が学生のような衣服を着ており、それを人族、エルフ、ドワーフと種族が見事にばらけた女性冒険者が囲っているという印象。先生と生徒というよりは貴族とその護衛といった感じ。初級鑑定で見られるだけでも結構な魔法を有していて強いと分かる。


 ただ前のグループよりはレベルもやや低いし構成的に(もろ)そうか。


 これがCランク冒険者。そして更なる問題がサブローに声を掛ける。


 受付嬢シアラ  :やっぱりお強かったのですね、サブサブロ様は。F級

          ソロでここまでゴブリンを倒された方は初めて見ます


 猫耳受付嬢シアラ。レベルは10で、ステータスはそれほど高くはない。問題は彼女のスキル欄にある簡易鑑定スキルである。ちなみに全受付嬢がこの力を持っていたのでギルド側でそういう取り組みがあるという演出なのだろう。


「やべえなこりゃ」


 頭では理解してるつもりだった。ただ想像以上に敵中である。こんなの獅子の中に放り込まれた魔王という名のウサギである。サブサブロLv.6だぞ。鑑定スキルを持つ存在は要注意……というより対策を練らないといけないだろう。


 簡易鑑定がどれほどのものか調べなければならないし、ステータスを隠蔽しなければならない。


 そしてこのゲーム性と俺は口角を上げた。


「アドベンチャーRPGってやつだなこのゲーム」


 アドベンチャーRPG。情報を手に入れて行動しなければ(たちま)ち劣勢に追い込まれるゲーム性。今、ソロ用VRゲームの方で人気を博している一大ジャンルである。


 人気になったというかVRゲーが出てから登場したジャンルだと思っていたがまさかオフゲーにもあったとは驚きである。


 受付嬢シアラ:おめでとうございますサブサブロ様。これまでの依頼達成とゴブリン10体を倒したことでEランクに上がりました

          依頼達成とゴブリン10体を倒したことでEランクに

          上がりました 


 ≪Eランク冒険証を獲得しました≫


 考えなくてはならない。この冒険者達と闘って俺が生き残り、配下達の命を守る方法を。


「うし、(たぎ)ってきた」


 俺はゲーマー。難易度は高い方がより燃える。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ