23.【俺】ゴブリンを仲間にする
ゴブリン。ファンタジー系で皆勤賞が貰えるんじゃないかってくらい登場するある意味人気の悪魔。耳はトンガリ、こん棒を持ち半裸で腰蓑というテンプレ。推定ランクEと弱い敵であるが、集団で襲い掛かってくることから油断すると殺されるらしい。
生息地はペルシアの町より西にある森。俺は東から入ったので未探索の反対側。通常は馬車で移動するらしいが俺は歩きを選択。サブローにパンを頬張らせる。
≪食パンを消費しました。physical point +2≫
「美味いか?サブロー」
パアアと輝く俺のアバターことサブサブロ。このゲームの成長要素は多岐にわたる。その一つがこのフィジカルポイント。サブローは食事をとらなくても死なないが、8時間に一回食事を取ることができ、体力系のスキルをとるためのポイントを獲得できる。
ここでは体力ゲージの上昇や移動系のスキルを獲得が可能。
スキルツリーも豊富で、ポイントを斧に振っていくつかの攻撃スキルをゲットした。今回はそのお披露目も兼ねている。
片手でブオンっと振るって即斧をアイテムボックスに収納した。
「うん、良い感じだ」
ガチガチのパワー騎士プレイもいいけれど、魔法もちょっと悩んでいる。
「魔法斧魔王」
どうせソロプレイだし、そこは滅茶苦茶やりたいと俺は思った。
◇◇◇
≪パワースラッシュLV1≫
「ギャッ」
スキルは予めセットしたコマンドを選びXボタンで発動可能。今、設定したのはパワースラッシュとスピニーエッジ。パワースラッシュは強列な一撃で相手を吹き飛ばす技。
その効果通りゴブリンが弾け飛び、地面を転がった。それを見た仲間達が散り散りに逃げ出したため、何だか虐めてる感じがある。全年齢対象なのか血はでない。ただ、HPが減り動けなくなるようだ。そしてゼロになると消滅する。
恐らくドロップ品でゴブリンの耳が落ちるのだろうが……。
(どうしたもんかな)
普通のゲームならバッタバッタとなぎ倒すがどうにもコミュニケーションがとれると相手を倒しづらい。
かといって一匹も倒さない不殺となればギルドランクを上げられない。
「悪いな」
俺は斧を振り上げたが──
≪彼には家族がいるようです 殺しますか? それとも使役しますか?yes か no か 半分か≫
「う゛」
ずっと思ってたけどこの半分って何?灰色で選べないし。
≪稼ぎ頭の彼がいなくなれば妹と母は死――≫
「分かった。使役すりゃいいんだろ?」
俺はシステムに敗北し、ゴブリンを使役することを選んだのだった。
何となく周囲を入念に確認して使役を行なった。ゴブリンはキョトンとしている。この状況も見られると不味いのでさっさと名前を決めなければならない。
「ゴブワンにしたいところだけど、バワンと被るしな。んー曜日で行くか」
ゴブリンマンデー、ゴブリンチューズデイ、ゴブリンサーズデイ、ゴブリンウェイズデイ……水曜ってウェイズデイだよな?まあいいや。
「ってことでお前マンデーでゴブマンなっと」
≪ゴブリン:ゴブマンを使役しました。称号心優しき魔王を獲得 ゴブリンの心を手に入れました≫
おっ心ゲットと早速効果をチェックする。
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モンスターの心。魔物の思いを感じやすくなり、種族によっては少しだけ会話が行えることもあります。
会話はモンスターの格によって差異があります 幾つも取得することで言葉を話せない者ともいずれ意思の疎通ができるようになるかもしれません
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ふむ、謎にやりこみ要素。心はマナで買えたが高かったし、バワンやツリーと会話するのはすぐには無理っぽそうだ。
≪ゴブマンによる提案 死体活用≫
「死体活用……あーもしかして死んでる奴から素材取るってことか?」
≪ゴブマンが案内しようとしています≫
≪『チュートリアルクエスト』魔物の習性利用を開始します≫
「ん?」
何か唐突に始まった。ゴブリンマンデーが先に進み、付いてこいマークが出るので仕方なく後を追う。冒険者に会えば終わりな気がするがまあゲームなので出会わないようになっているのだろう。
≪魔物には習性が存在し、特殊な効果を発揮します≫
≪ゴブリンは死体を埋める習性があり、通常よりも腐らせることなく死体を保管することができます≫
「へー面白」
≪使用例:ゴブリンに倒させ、保管し、新鮮な素材を手に入れる≫
さらっと怖いことが書いてある。ただこんなものがあるならより多くの魔物を仲間にした方がいいかもしれない。
(まあ鳥も探索に使えたしな)
ゴブマンはもっこりとした場所まで連れてゆくと墓を掘り返してみせた。ゴブリンの遺体。流石に耳はキラキラで表現されていてホッとした。
俺はフライデーまでの5体のゴブリンを仲間にして命令を下した。自分の勝てる相手を倒し素材を集めろと。
ゴブマン、ゴブチューズ、ゴブウェイ、ゴブサーズ、ゴブフライが加入した。




