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191.【俺】新たなる鎧を手に入れる②

「掴もうぜ~俺らのボール~あいつら皆愉快な仲間ぁーこの世はデュアミが最高さ。そうだよー今こそアドベンチャーゲーム テッテドッドドン ん?」


鼻歌を歌いながら冷蔵庫からの帰還。コメの流れで盛り上がっているのが分かる。後、何故かトングが怒っていた。


「帰還こう殺法」


ヤヒヤヒ  :おか

百獣    :おかえりなさい

ゆうゆう  :ス

ココアイ  :キ

モブ聖人  :サブイチが大からの帰還をお知らせ致します ぴ ぴ ぴ ピーン


「飲み物とってきただけだつーの」


 後、増えたコメに紛れてるつもりかもだが色付けしてるから丸わかりだからな、このリア獣ども。そのネタこっちは飽きてんだよ。お笑いの世界で何度も同じネタが通じると思わない事だ。


「で?何沸いてんの」


ヤヒヤヒ  :イチ、お前設定ミスったから絵面がw


 見て画面に目を移し、OHってなった。想像以上に細かくて距離設定なんてものまであったらしい。サブサブロがトングにピッタリくっついていた。


トング   :てんめえ!ふざけてんだろ

魔王サブサ風呂:我ヲ 侮ッテイル ヨッテ 実力ヲ 示シテイル 姿ヲ ミタケレバ 早ク 案内シロ


 トングが振り返る瞬間、目も止まらぬ高速移動でシュイン、シュインと背後にピッタリ吸い付くサブサブロ。これは沸く、シュールが過ぎる。まあでもいいや皆楽しそうだしこんままで。それに……


トング    :クッソ 覚えてろよてめえ

魔王サブサ風呂:我ガ 速度ニ 付イテコレル者ダケガ 我トノ 対話ヲ 許サレルノダ


 何かサブサブロさんもそれっぽく言ってくれてるし。かなり無理あるけど


≪ドラムニュート・ネオ・ガストロ工房≫


 そして辿りついた目的地。えげつない注目を浴びていたが画面越しなのでノーダメである。しかし、ガストロってペルシアにいた奴じゃなかったっけ?登場は一瞬だったけどメモに控えておいたので覚えている。チュートリアルおじさんだ。こっちにも店構えてるとか金持ちかよ。ってか普通こっちにいない?


トング   :おいっ着いたぞ!早く離れろよ

アギータ  :何だい何だい騒がしいねぇ


「お」


 また重要そうな新モブが登場した。バンダナを巻き、薄着の頬に傷を持つ中年女性。目つきは鋭く山賊の女頭って感じだ。おばさんといえばおばさんだが普通に美人さん。彼女は今、作業していたと持った小槌を肩でトントンする。


アギータ  :何だトングかい。なっア、アンタ背後霊に憑かれてるよ!すぐにも 教会にお祓いにいってきな。アンタ……死ぬよ


トング   :ちげえよ 客だよ おい、サブサブロいい加減にしろ

魔王サブサ風呂 :オ初ニ オ目ニカカル 夫人ヨ 我ハ サブサブロ 冒険者ヲ ヤッテイル


アギータ  :なんだい 荒くれの多い冒険者にしちゃ随分と礼儀を弁えているじゃないか


トング   :おいっお前俺と態度違い過ぎんだろ


 プイっとするサブサブロ。サブローも好きじゃないようだ。


アギータ  :はっは そいつは礼儀知らずだからね。勘弁しておくれ。それで?何のようだい。ただ見学ってわけじゃないんだろ?


トング   :こいつの装備を見繕って欲しい。ちなみにこいつはリーデシア兵だ

アギータ  :なっ!?正気かい

トング   :言っとくが俺の判断じゃねえぜ。ギルドマスターの命を受けて動いてる 俺だってイカれてると思ったがこいつも相当だ。変わってるとは聞いていたが筋金入りだぞ


アギータ  :分かっているのかい?どれだけリーデシアが職人連中に恨まれているか


トング   :だからアンタに話を持ってきたんだ。こいつの装備を作れるのはアンタしかいない。それに何よりアンタの旦那はこいつを認めて鎧を作ったらしいからな


 ん?え?この人ガストロことチュートおっさんの奥さんなの?あいつリア獣なの?そして作って貰ってなくね?俺作ったくね?


ヤヒヤヒ   :NPCですら結婚してんのに 俺らってやつは彼女すら……


 おい、俺を含めるなよ。その俺ら絶対含んでるだろ猿。そしてそんなのコメに書くなし。


アギータ   :そういうことなら聞いてやると言いたいところだけどね。ガストロの腕は本物さ。どういう経緯で装備を求めているかは知らないけどね。確実に前のより落ちるよ それで満足できるのかい


魔王サブサ風呂:問題ナイ 場所ト素材ヲ 貰エルカ 我ガ 作ロウ


 キョトンとする二人。ゲームとはいえドヤれる展開は気持ちがいい。


◇◇◇


 トテカン・トテカン・トテカンと火花を散らしてハンマーを振り下ろすのはサブサブロ。銀の延べ棒を引き延ばし彼は高らかになって叫ぶ。


魔王サブサ風呂:大成功ダ 大成功ダ 大成功ダ


 ふっこれが齢16年という若さでありながら一つの事に捧げてきた男の強さ。


ヤヒヤヒ  :イチ、お前これで食ってけんじゃねえのか


「無理だろ、そして出来ても嫌だわ」


 ミニゲームだけど本格的。何回もの工程を挟んで完成。新装備はシルバーメイル。余りのカッコよさに男性陣が呻る。


「うおおおお」


百獣    :これはイケてますね

赤の貴公子 :かっけえええ

自宅警備兵 :何気にデザイン秀逸だよな このゲーム


 確かにそれは思ってた。剣一本をとっても作り込まれている。デュアルミッシュ、まさかのオーパーツレベルの作品になってきたかも。最近、いよいよデュアミどこで買えますかの質問が大量になってきて困っていた。


 注意しても次から次へと新規さんが来るので止まらない。


 理解はできるが俺だって出所を知らないものは知らないのだ。もうゲーム関連に勤めてるオトンが貰ってきたってことにしようかと思ってきた。


(もうちょい酷くなったらそうするか)


 籠手、グリーブ、胴体にヘルムを装着することでサブロが白騎士に変身を果たした。黒騎士からの華麗なる転身。ちょっと細身でペルシアのサブサブロとは分かるまい。


 俺はこのまま行こうとしたがトングに謎のスプレーを噴射されるのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 大成功だ、大成功だ、大成功だ……………ww
[気になる点] サブサブロさんの人格が主人公におせ‥影響されている気が‥
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