174.【俺】次の町目指す時は誰だってワクワクだ
「普通に考えればこの出来たてほやほやの迷宮を見守り強化を行うのがセオリー。だが、ゲーマーであるサブイチはロマンを求め!次の街を目指すっ!行くぞおめえら新しい世界へええ」
自宅警備兵 :うおおおおおおおお
小蕎 :サブイチ!サブイチ!
モブ聖人 :ドンドンドン ドンドンドン
うずまき姫 :いい加減この景色にも飽きていたところですの。見せて貰おうじゃないかですわ
また来たよ。人の事言えないけどお嬢様って暇なの?ってかもうちょっと隠せよ。正体がバレバレ過ぎる。他を見習……
松江 :お嬢様、この松江身を挺してお嬢様をお守りいたします
(悪い見本きてぃらアアア 真下にそのまんま松江さぁあん)
松江 :そして隠密でいきます
(隠密という言葉の意味っ!)
いかん、ゴリゴリとコメ欄の知能指数が下がってる気がする。でもツッコめない。ただのコメなのにギロっとした彼女の視線を感じるから。やっぱ松江さんは怖いのだ。
ってことで見なかったことにしよう。そもそも知り合いなのバレるのも駄目だしそれしかない。オホンと咳をうつ。何か調子狂っちゃったけど今日の予定を発表だ。
「とりあえず、軽く街でイベント無いか確認したら出発ってことで一通りペルシアの街に顔出してから大福とバワン連れて目指す感じってことでよろ」
ヤヒヤヒ :おk
高瀬さんは連絡したら今日は見れないって態々返事してくれた。その代わりってわけじゃないが──
夜ノ花 :了解よ
もう一人のお嬢様もいる。有栖川に関してはもはや何考えてるか分からんのだが……。何でもいいが睨まれたりギスるのはもう御免だ。はぁ、まさか美少女達に絡まれても嬉しくない未来がこの世、存在するとは俺だって想像してなかった。
おまけに鬼瓦先生の話では不良の先輩が嫉妬してるとかいう話まで出ちゃってる。もはやお嬢様ルート、桃〇の閻魔ルートでは。
この事は有栖川には言ってない。伝えた方がいいかなとも思ったけど余計ごちゃっとして好転する気がしなかったので黙っておくことにした。
それにこれでも一応男なので、女の子を盾にする選択肢は取れない。まぁ、下手に絡まなければ先輩の敵意は俺に来るだろう。放置で流れてくれればそれでよし、絡まれても説明すれば誤解は解けると思ってるし、まあ最悪殴られるとかで終わりだろう。嫌だけど。
兎に角、今はそんなマイナスイベントの事は忘れよう。ゲームだゲームと俺はサブサブロをペルシアへとファストラさせたのだった。
迷宮都市スパーダがあるとはいえ、ゲームというものは次の街へ行けば大抵戻ってこないものだ。ある意味これが最後かもしれないと感慨深くペルシアを回る。
ダンジョンマスターという特殊キャラなだけあって通常よりかなり留まったせいかちょっと思い出深い。出会ったキャラは変な奴多かった気がするけど。
門番アラン :よお、旦那
門番ポール :こっこんにちは
門番組、そこまで深く関わらなかったけどモブにしてはそこそこ濃い。また登場の機会はあるんだろうか。
門番アラン :旦那絶対飛びまくってるだろ?正面から入ってきたの久しぶりに見たぞ
転移の仕様バレテーラ。まあ、バレない方がおかしいか。こんなイベントまで入れ込んでるのは粋だと思う。
衛兵アラン :それで顔を見せた理由は?
サブサ風呂 :街ヲ 出ル ツモリダ 王都ヘ 行ク
まるでサブサブロが俺の意志を反映しているかのようだが、町を出るの選択肢を選んだのでそれでフラグが立ったのだろう。
門番アラン :マジかよ
門番ポール :やった!あっ……
おい、あんま絡んでないノッポのポール。ヤッター言うな。裏で言え。サブサブロは兎も角、俺は傷つく。
門番ポール :すっすいません!
門番アラン :失礼極まりないが俺の顔を立てて許してやってくれ。実際、旦那絡みの揉め事は多くてな。非常に大変だった。何せ旦那は見たまんまリーデシア兵……ってか旦那、アンタまさかその恰好で王都に行く気か?俺としては変装することを勧めるぞ。そんなもん絡んで下さいと喧伝して歩き回ってるようなもんだ。特に王都には恨んでる奴が多い。まあ喧嘩してえっていうなら止めはしねえけどな
確かにだがテキスト長っ。
ヤヒヤヒ :イチ、ヒントだぞ
「分かってる。変装しないとゲームオーバーかもな」
変装っていうかこれは軽装でいけってことなんだろう。鎧姿気に入ってたんだが。戦闘時に着替える事になるんだろうか。




