151.【俺】スパ迷宮始動への道
とりま視聴者が落ち着いたっぽいのでいい加減本題に入るとオホンと咳をうつ。
「一応、説明するとミミックメイカーっていうのを使う予定。迷宮の魔物は分身体で死なない。俺は身内に明るくアットホームな迷宮を目指す」
自宅警備兵 :ブラック企業の言い回し
百獣 :メイカーというのは幻影体作るということでしたね
「そっ。ベースとなる魔物がいれば設置できる。ただ本当に一匹いたら一匹で某忍者みたいに多重何分身とかはできない。当然、捕まえてないのは無理」
迷宮の魔物は基本的にメイズポイントを消費すれば復活する。が、愛着があるので本体を殺されるのは何か嫌なのだ。能力が落ちるとあったがここは曲げない。
ケルベックとか不落とか容赦なく殺しにかかってくるし、バッツがちょっとトラウマになってる俺である。
そういえば分身作成装置にはミミックという名前が使われてる。キコリンEXの元配下であるミミックのファザチルは子と父がくっついてたけどもしかして通常個体じゃなくシステム利用して生み出されてたとか?
何かファザチルが俺のミミック像からかけ離れ過ぎててついそんなことを考えてしまう。後、改めて思ったのが迷宮名がファイル名っぽい。
キコリンEXはハーレム野郎ってことだが、どことなくヤベえ奴感を感じるのは漫画の読みすぎ俺の考え過ぎか?
何でこう思うんだろうか。迷宮の作りや大福やラザニアの扱いを見てこう感じたのか自分でもわからないが。っとコメが流れた。今は配信に集中しないとだ。
彩高 :じゃあ6傑の大福ちゃん達の分身をフロアボスに?
「いや、あいつらは使わない。外で使いてえから身バレする」
ヤヒヤヒ :イチ流石にそれ警戒しすぎじゃね?たかがゲームで
「このゲームAIが変に頭いいのと、ほら、普通にバレるけどいいですかって警告でてんだよ」
ヤヒヤヒ :マジか
小蕎 :変なところシビアですね
そう、ザルなところもあるが割と現実的なシステムが組まれているデュアルミッシュである。6傑は外からスパ迷宮を守る守護者。レグナードみたいな攻めてくる冒険者を駆逐する者達だ。
自宅警備兵 :でもキツくね?6傑はアホっぽいとはいえスパーダ最強だろ?それなしで。サブイチが
捕まえてきたの雑魚ばっかだし
俺は声の調子をイケメンに整える。
「だからお前らがいるんだろ?」
視聴者A :え?
モブ聖人 :?
「お前らはこの過疎チャンにここまで付き合ってくれた。もうこのサブイチチャンネルの仲間だ。一員だ。だったら作ろうぜ俺と一緒に6傑なしの最強のダンジョンってやつを」
百獣 :(´;ω;`)ブワッ
自宅警備兵 :サブイチお前って奴は……
ヤヒヤヒ :いや、こいつ投げただけだぞ
小蕎 :視聴者参加企画ってやつですね。面白そうです
視聴者G :絶対やりたい!そういうの大好き!参加したい
うずまき姫 :よくわからないけど面白そうじゃないですの。運が良かったですの。私がいれば百人力ですのオーホッホ
アンタ初見なのに古参みたいね。ってかコメでその笑いする奴初めて見たわ。
赤の貴公子 :私も俺が……いや私も来たばかりの俺がいてもいいんだろうか
貴公子キャラブレブレだけど大丈夫か。
「いや全然誰でも大歓迎だ、そんな人いねえし」
夜ノ花 :成程、一般人を巻き込むことで手を出しにくくすると。ふふっ中々厭らしいこと考えるじゃない。あっまた!?
もう有栖川が何言ってんのか分からんのだけど……。もしやこいつ意外にも陰キャで中二なのか?もう俺じゃねえか。
ヤヒヤヒ :俺も参加するぜ親友だからな
「ヤヒ」
そこに親友って書くなよ。お前のリテラシーどうなってる。って俺も人の事言えないからコイツと親友で気があうのかも。
自宅警備兵 :勿論俺もだ
「自宅警備兵っ」
百獣 :無論私も希望します
モブ聖人 :俺も!
古参勢に新規と俺がアホでもリスナーが助けてくれる。
「百獣っモブっ皆っ!」
ゆうゆう :ス
ココアイ :キ
よし、ココアイとゆうゆうお前ら船降りろ。
ってなわけで俺達サブイチチャンネルは赤の貴公子やうずまき姫という新リスナーを加えつつも一致団結した。魔物図鑑とにらめっこし、時に激論を交わし、迷宮の形を整えスパの迷宮の雛形を作り上げてゆく。
サブイチ軍団が合わさればきっと冒険者達を跳ね返してくれるものが出来上がるはず。うん……はずだよな?




