新しいお仕事
冒険者ギルドを出る。悪意が無かったとはいえ、ぼったくられるところだった。危ない危ない。私は暗算は得意な方なのだ。それでも簡単なものしかできないけど。
「ねえ、あんた達」
「なに?」
「もしかしてこの世界の教育水準って低いのかしら?」
「そうだろうな。まぁ、ファンタジー世界あるあるだし」
「そんなラノベのテンプレはどうでもいいわ。まあ、そこで思ったのよ」
「「なにを?」」
嫌な予感しかしない。千穂が自慢げな顔をするときはだいたい、ろくな事にならないのだ。電車でも変な料理見せやがって!
「教育水準が低いということは……」
「ことは……?」
「ふふん!聞いて驚きなさい!私たちには教師をするに十分な学力があるってことよ!」
「?」
「なるほど!!」
え。今利奈なるほどっていった?もしや、この状況で分かっていないの私だけ?ふたりで話進めてるし!
「せ、せつめいをもとめます……」
わからない、わからない。この人たちは何を言っているのだ……。そして今、千穂に鼻で笑われた気がする。
「そーよねぇ、ごめんなさいねぇ!あんたみたいなのには何を言っているかわからないわよね!仕方ない、この私が教えてあげるわ!利奈!説明したげて!」
「え、俺!?お前がするんじゃないのかよ!」
「そーよ、早く説明してあげなさいよ。七希が可哀そうじゃないの」
「あーはいはい分かりました!まぁ高江の下手な説明じゃ七希もわからないだろうからな!」
「な、なんですって!?」
言い争わないで……。この状況で可哀そうなのは私だよ……。
「あーうるさいうるさい。説明だな?さっきギルドで依頼を見ただろう?あの依頼版に、家庭教師の依頼があったんだ。確か……ここの領主様の依頼だったか?知力が1500在れば受けれるらしい。あ、1500っていうのは宮廷勤めの学者くらいだってさ。つまり、俺らはこの依頼を受けることが可能ってこと。まぁほとんど受付嬢に聞いたんだがな」
なるほど……。
「つまり可愛くて優しい受付嬢と話す口実がそれってこと?」
「違う!!!話をちゃんと聞け!!」
「あーはいはい聞いてた聞いてた……。って1500?」
「あぁ。そうだけど」
すこしギルドカードを確認しよう。いや別に心配なわけじゃないんだけどね?一応、一応ね?
レベル1
体力 4070
攻撃力 9999
魔力 5200
素早さ 9999
知力 371
運 50
スキル
収納 創造 狙撃
知力371か……。ふむ…………全然足りない。
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