夜は必ず来るよね
私が村に行っている間に利奈は起きたようだ。千穂いわく置いて行かれたことに少し拗ねていたらしい。
とりあえず、回復魔法は出来た。じゃあ、あとは弓矢だ。射ることはできたけど、もう矢がないんだよなぁ……。買うにしてもお金はないし、作るしか……。
ん?作るならスキルにあった創造とやらを使えば作れるのでは?じゃあ早速……ってもう夜!?
「ねぇ二人とも!もう夜だよ!」
「あー……やばいな、今、11月ぐらいだと思うぞ」
「絶対やばいやつ!!ねぇ千穂もそう思うよ……」
…………
「サムイコゴエル……」
この人寒さの耐性-10ぐらいしかなさそう。家なんてないし、宿を借りようにもお金ないし……。
「家……つ、つくる?」
「んなことが出来たらDIYの神!!」
「スキルの創造を使って…」
「ア……」
忘れてるね、かなり重要なことだと思う。別に忘れてた訳じゃないという千穂の言い訳と、何も知らない利奈の声が聞こえる。
「やってみる?」
「そうね、じゃんけんで決めるわよ」
「え?なんの話?え、あの?」
「さいしょは……」
「負けた。やってみるね」
なんでこんな弱いんだろ……。今度からくじ引きで決めることにしよう。
「じゃあやるからね。【創造】!」
えーと、まず部屋は3部屋で二階かな?あとはキッチンとリビング、あとトイレで、あとは…………。
「よし!できたよ」
「いいじゃない」
「入ろー!」
何も知らない利奈が呆然としていた。
***
「おお~!いい家。」
うん、部屋は3部屋。ほかにリビングお風呂、トイレなどがある。これはじゃんけんで負けた者の取り柄!
「……で、何するの?」
「ごはんじゃないの?創造スキルで」
「そうねぇ、やっぱり料理って心を込めたいじゃない?」
「え?あ、うん」
急に語り始めた。
「だから……。何でもかんでもスキルでつくるのはよくないわよね。だから食材だけだして私がつくるのはどうかしら!」
「確かに一理あるね。じゃ、よろしくね千穂」
……ん?千穂は料理が狂ってるくらいに下手。多分人を殺せる。つまりそんな料理をつくれる人の料理を食べるわけで……。千穂の料理を食べる=人生の終わり!!
隣を見たら利奈もそんなような顔をしている。
「あの利奈さん。ここはテキトーに理由をつけて逃げるべきじゃないすか?」
「そうだな……」
「「あのー千穂さぁん!私(俺)たちお腹空いてないんでベランダで休んできまぁす!じゃ、そういうことで!」」
「?え、分かったわ」
「助かった……。」
「俺たちだけで食うか……。」
「「創造」」
よし!
「おいしいねー。どうやったらあんなのができるのか……」
「なー……逆にすごいよ」
うーん大量生産できるね。愛のこもっていない義理チョコとか。別にいつももらえてないから期待させて義理だよって言って渡そうとか考えている訳じゃない。ちなみにつくったのは大福【こしあん】栄養ドリンクみたいなものだ。
「よし、今日の報告をするわよ!」
「「今日の報告?」」
「そう!ナナキからね!」
「え、分かった……回復魔法ができた。以上!」
「そう、簡潔ね」
「じゃあ、私ね。私は…」
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