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讃岐坊戒空  作者: 桜桃露雨
8/8

熊助捕り物帖


 俺には熊助ってぇ、おふくろがつけてくれた名前があったんだな…誰も呼んでくれねぇから忘れかけてたぜ。

 お寺社がらみの張り込みも相沢の旦那の上役が気に食わねぇと言い出してやめることになった。

 まぁどこにでも居るガンニンが相手だったし、なぜかガンニンと仲が良くなって今じゃあ、偶に酒を酌み交わすほどだ。

 新宗の教えに物足りなくなって信厳宗の教えを学んだため寺に居づらくなったってぇ間抜けだしな。

 ご宗旨の違いなんてよくわからねぇ話だが、俺が相沢の旦那の配下を選んでほかの旦那のお役に就かねぇようなもんかな?


 最近ガンニンを見かけねぇと思ったら、和解して寺を任されたらしい。めでてぇことだと思いつつ、あの生臭ともう二度と飲み明かせねぇだろうという予想に気分が重くなりやがる。

 結句、俺ゃ~あの生臭が好きなんだろうな。辻強盗の捕縛で、手傷を負って相沢の旦那のお役も御免になりそうだし…ついてねぇなぁ。


 ガンニンの居やがる寺を覗きに行こう。俺は町人だから寺を参って文句を言われる筋合いはねぇしな。


 「ふむ、熊助殿か。一別以来じゃのぅ。なに?けがをして相沢様の手下を離れたじゃと?して今は何をしておられる。」


 ガンニンが四角い言葉で話しやがる。ケツがむずむずするぜ、俺は下町育ちで下町の人間だ。

 戒空住持が俺に寺男をやらないかと言い出した。仕事をくれるってわけだな、俺が寺男をしていると相沢の旦那が訪ねてきても不思議じゃねぇって何を考えてやがるんだ?


 生臭も相沢の旦那が好きだったんだな。それもいいかもしれねぇな。


 朝起きて、門を開き境内を掃き清め…夕餉の後に戒空坊主と酒を飲むか。

戒空散は寺に居付きひとまず終幕。

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