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讃岐坊戒空  作者: 桜桃露雨
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悪家老の退場と日常へ


 なんだ神田の八百八町、空心の兄様(あにさま)が俺の調べをうまく使ったようで

田貫の殿様も、現実が見えたらしい。

 結局嫌いじゃない…お偉いさん(御老中)にしては、素直だったしな。

結句、木常の私利私欲が原因だったし。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 おいらは相沢伸之進(しんのしん)、東町奉行所の町方上役人(かみやくにん)を拝命している。

身分は同心ながら筆頭同心以下6名の町方を率いる立場だ。

 このところ見かけなかった生臭がまたお江戸をうろついているらしい。

 腐れ坊主のわりに話せるし、願人崩れに見えるのにちゃんと経も読める…お寺社の方から見張るように頼まれているが…罪人じゃなくまるで高僧のような扱いがちぃ~とばかり気になるがな。

 家で雇っている中間(ちゅうげん)や奉行所がつけてくれている小者(こもの)だと町から浮いちまうから町役人(ちょうやくにん)の手元や公認の御用聞きが雇っている手下を張り付かせているがよくわからねぇ奴だ。

 お寺社がらみだと、手柄を取り上げられしくじりの責任だけ押し付けられるから何もしないけどな。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 相沢の旦那から手札をいただいている御用聞きだ。

 同心の旦那の配下は、家臣である中間・お番所がお付けになる小者・手札をいただいて十手取り縄を持つことが許されている俺たち御用聞き・同心の旦那のお手伝いをする手先・町で与太ついて情報を集めている岡っ引き…こいつらは手札ももらえず半端もんがお目こぼし欲しさに旦那の役に立とうと動いているだけのゴミだな。

 おれは、町の衆に「ゲジ熊」なんて呼ばれているから嫌われていると思っていたが大店の旦那衆からお花見やら月見やら納涼船やらお誘いがあって不思議だったがゲジゲジ野郎と嫌われているわけじゃなくゲジゲジ眉毛の御用聞きとさほど嫌われていないらしい。

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