第4話【魔法(おっぱい)とは夜と夕焼けである】
ジャンルをローファンタジー⇒ハイファンタジーに変更しました!
ハイだったねこれ!ハイだね!
おっぱいの大きくて、ふわふわした可愛い女の子が。
谷間から小瓶を取り出して。
あたしはそれを受け取って、飲んだ。
人肌の体温だ。あったかくて甘い香りが口中に広がる。
「~~ッッ!?」
うお、なんだこれ、ゼリーみたいに半固形だ。
めちゃくちゃ飲みづらいぞ!
「あ、ああ、言い忘れてたわ!
サフ水は鉱石から作られているから、とっても飲みづらいの!」
それは早く言ってくれ!
「え、ええと!
ごくごく、ごくごくって、飲むんだよ!」
ボキャ貧か!わかるわ!
しかし、一瞬でもむせれば貴重なサフ水が零れ出る。
ここまで口に含んでしまったのだ。
飲み込むしかない!
…ごきゅっ!甘っ!
…ごきゅ!めちゃ甘い!
「ぷっはぁ~!」
むせかえるほどのソレを一気に飲み終えると、なんだか達成感がすごかった。
じゃなくて、胸が甘く、熱くなっていく。
「おお、おおお、ぉぉぉおおおおおおお!」
感じる。
あたしのこの身に、魔法の素・サフの本流が渦巻く。
これが、魔法。世界の神秘。
感じる。魔法がささやく。
魔法とは夜と夕焼け。
魔法とは、宗教の不変なる部分と、科学と哲学の最も正しい部分のみを抜き出された確かなる学問でありこの世の真理。
我、魔法の境地へ至れり。
わかる。
サフ水が体内に取り込まれていく。
そう、例えるのであれば。
水たまりの中に入ってしまった雨粒を、誰も探し出すことができないように。
サフはあたしの身体に溶け込み、そして、膨らんだ。
「こ、これは……これが……」
胸を触る。確かな重量感。それまで無かったおっぱい。
胸前の中空に存在しうる、おっぱいの感覚。
「おっぱい、なのか」
たゆん、と、Tシャツが膨らんでいる。
すごい、おっぱいすごい。重い。水風船をぶら下げている気分だ。
これは、Cカップはあるぞ(わかる)。
「や、やわらかい…!」
日本人の平均値、Cカップ…!
これまでのあたしと、ここまで差があったのか!
「ジェシカちゃん、あたし…あたし…
うっ、うっ…あたし、おっぱいが…!」
「と、トーコちゃん…!」
なぜか目頭が熱くなった。
きっと、あたしが死に至るまで思い悩んだ今までの貧乳が、報われたような、そんな気がしたからだ。
今まで…今まで……思えば、なんにも(おっぱいが)なかったなぁ。
「うわぁぁぁぁぁぁあああああんん!!!
ありがとぉおおジェシカぁあ!!!!!!」
それから、あたしは彼女の豊満な胸の中でひとしきり泣いた。
彼女はふわふわのお手々で、あたしの頭をそっと撫でてくれた。
「トーコちゃんの髪の毛。子猫みたいにさらさらなのね」
いつの日か、パパンが褒めてくれたのと、同じ言葉を添えながら。
よしよし、おっぱいが成長したね
もちろんこれで終わりじゃないよ!