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あたし、転生したら巨乳になるんだ~そして気付けば異世界無双~  作者: ナ月
第一章【転生・友情・おっぱい】
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第2話【イヤッホーホー】

閲覧数が伸びていくのが嬉しいです!

ゆっくりしていってね!

「もし、そこのお方」


 背中から、可憐な声と、かぐわしい花の香りがほっこりと漂ってきた。


「……わお」


 振り返れば、そこには(膨張色である)真っ白いドレスを着た、見目麗しき(膨張色である)色白の乙女がいた。

 何だこの生き物は。

 顔ちっちゃいし、目はぱっちりとして青色、編み編みされた黄金の髪はまさしく美少女。


「珍しい格好をしているけれど、どこから来たのかしら?」


 彼女は装飾が少し多いワンピースのようなものを着ていた。

 なぜか、細く見せるべきウエストに、花の装飾がされている。

 この装飾の多さは、あれかな。うん、間違いない。

 ……おっきいおっぱいを隠すためのものだ。

 彼女はその小さき体に、メロンか何かを実らせてしまったのだろうか。


 だけどお嬢さん、その装飾は逆効果だ。

 まるで花畑の上に咲くたわわな果実のように、むしろ強調されている。


「……」


「あぁ、ごめんなさいね、急に話しかけてしまって。

当国の言葉は分かるかしら?」


「いや、こっちがボーっとしていた。

言葉は分かるよ」


「年も近そうだったから、ついつい、話しかけてしまいました。

お外に出るのは久しぶりなの」


 そう言って、彼女はくすくすと笑った。

 そんな仕草でさえいちいち絵になる。

 まさに絵に描いたような美少女だ。


「同い年とは思えないからね(おっぱい的に)」

「私たち、(服装的に)あべこべですからね」

「ええ、本当に(おっぱい的に)あべこべというか凸凹だね」


 ふふ、とあたしたちは笑いあった。

 どこか、噛み合っているようで噛み合っていない気がした。


「なんとなく気が合いそうなあなた、お名前は?」

「あたしは……冬子だよ」


 何となく、本名で名乗る気が引けたのでペンネームのほうを名乗った。

 もし、これが異世界転生だというのならば、ゼロからやり直したい思いがあったのかもしれない。


「トーコちゃん、ふふ、不思議な響きの名前ね。私はジェシカ。ちょっとお散歩しませんこと?」

「じぇしか。おおう、グレイトな響きの名前だね」

「ぐ、グレイトって、あなた」


 何かツボったらしく、ジェシカはまた笑った。

 よく笑う子だ。


 それから、とりとめのない会話が続いた。


「ここはルネサ王国の城下街よ。

あなたは来たことがあったかしら?

それともここに住んでいるの?(ぽよん)」


「いや、初めてだし、住んでもないよ」


「そう(ぽよよ)。

私もこっちに来るのは初めて(ぽよ)。

ふふ、初めてのことがとっても多そうね(ぽよ!)」


「あの、語尾みたいに揺らすのやめてもらえないかな。

心が折れるので」


「何か言った(ぽよ)?トーコちゃん」


「なんでもないつるーん」


「そうなの?」


 それから、彼女と町を回った。

 あたしはもちろん一文無しだったが、ジェシカはどこかのいいとこの子らしくて。

 名産品らしきものをちょっとだけ買って、ささやかなショッピングを楽しんだ。


 試しにと買ってくれたヤギの串焼きは驚くほどワイルドな塩気を放った。

 苺のジャムを挟んだビスケットは食べ辛くてぽろぽろ零れて、

 珍しい味というコーヒーは、土くさくて二人して笑った。


「はぁ、楽しかったわぁ。

もう日も暮れるわねー、トーコちゃん」


「あぁ、本当だ。

夕焼けは、どこで見ても一緒だなぁ」


 あたしたちは噴水のほとりに腰かけながら、山間の向こうに沈んでいく夕陽を見送っている。


「トーコちゃんは、どこから来たの?」

「んー、言っても信じてもらえなそうなくらい、遠いところからなのかなぁ」

「不思議な子ね、トーコちゃんは」

「ジェシカほどじゃないよ」


 夕陽がいよいよ沈みゆく。

 ゆらゆらと揺れる赤い色の閃光が、街を真っ赤に色づけていく。

 一日が終わる。

 あたしはどうしたらいいんだろう。


「ねぇ、ジェシカ」

「なぁに?トーコちゃん」

「相談があるんだ」

「聞くよ」


「それはとてもとても深く、もしかしたら浅い話かもしれない」

「哲学的ね」

「それについて、いつ話そうかと思っていた。

買い物の時も、ずっと、ずっと考えていたんだ。でも、今まで言い出せないでいた。

それについてあたしからの思いが強ければ強いほど、言い出しづらいものだったんだ。

……でも、今、ジェシカに言うね」

「と、トーコちゃん……そ、それって」


 どこか夕陽は人をノスタルジックな気分にさせる。

 夕暮れは家に帰る時間だからかもしれない。

 いるべき場所に、戻る時間。


 ジェシカの顔は赤かった。

 それは、夕日に照らされたものだったのか、それとも。

 いや、それについて考えるのは、それこそ野が暮れると書いて野暮というものだ。


 こんな時間の中でこそ、伝えなければならない、言葉があるんだ。


「どうしたら、おっぱい大きくなりますかっ!?」


 時間が止まった気がした。

 言った後で、しまった感がすごかった。

 いやだってジェシカいい子だし、ジェシカ(のおっぱい)に罪はない。

 だったら、聞くしかないじゃないか(錯乱)。


「………………(ぽよよ)」


「………………(つるーん)」


「えと、トーコちゃん。それは、ね」

「はい」


 ん?何やらおかしな空気になったぞ。

 まるで、この世の真相に触れんとするかのような緊張感だ。


「サフ水を飲むしかないわ」

「方法あんの!!!???」


「わ、わぁ!(ぽよん!)

急にどうしたのよトーコちゃん!」

「方法が、方法が、ホーホーが、イヤッホーホー!

あるんだなっ!?あたしが巨乳になるイヤッ方法がっ!!!」


「話すからっ!話すからちょっと落ち着いてぇぇえ!(ぽよぽよぽよぉ!)」


 それからテンションが上がりまくってロクに話の聞けないあたしをジェシカは辛抱強くなだめてくれた。

 そして日が暮れた頃に、ついに、話を切り出してくれたのだった。


( 'ω')o[ 続くよ! ]o

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