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人格異常者の異世界譚  作者: 5110
プロローグ
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プロローグ e

二人目のプロローグ

広く白い空間。そこに3人の人影が存在していた。




三、正義や悪は人の評価によって決まるものであり大多数の意見こそがこの世のすべてである。


sid 木城きじょう 光輝こうき




全く輪郭の見えないほど白い空間。そこは広さなどが全くわからない。白一色で統一されている。そこには木城 丈と呼ばれる存在とそれ以外に二つの影が存在していた。一つはスーツ姿で真面目な印象を受ける青年。もう一つは街にどこにでもそうな格好をした作り笑いを顔に貼り付けた青年だ。 どちらも信用に値しないだろう。スーツ姿の方はこちらを信用するだろうが。誰も何も喋らないので言葉を発した。


「此処は何処だ」


その言葉を聞いた二人はそれぞれ違った反応を示した。作り笑いはこちらを確認した後もう一人の方を見た。一方、スーツ姿の彼はその言葉に反応しこちらに解答をした。


「わかりません。気付けばここに連れてこられていたので」


その解答は自分が犯人ではないというようだった。だがこの人物は嘘をつかないだろう。100人中100人が彼を見たときそう答えるだろう。嘘を付くということに全く向いていない人間、いや嘘を付くということを思い付きさえしないかも知れない。それほどまでに彼と嘘とはかけ離れている。そんなことを考えているともう一人が言った。


「三人とも知らない間にここに連れてこられたということでしょうか」


作り笑いの彼も自分が犯人ではないというような印象を受ける言い方をした。が彼の言葉をその通りに信じるのは危険だろう。彼は嘘を付くことを普通の事だと思っている。いや普通の人以上に嘘を付くだろう。彼の存在の成分の中には少なくない量の嘘が入っていることだろう。そんな彼の言葉を聞きスーツ姿は頷いた。スーツ姿の彼は人を疑わないのだろうか。そうしていると黒い粒が部屋の中心であろう場所に集まっていった。そしてそれは黒い人影になった。その人影は口に当たるであろう部分を開け声を出した。その声は決して人間には出し得ない、とても高い声だった。


「やぁやぁやぁやぁ。どうだい君達。ここの居心地は」


胡散臭い。それがこの存在を前にして一番初めに受けた印象だ。胡散臭い奴が言った言葉に反応し作り笑いは喋った。


「お前が俺たちを連れてきたのか?」


その言葉の中には隠しきれていない怒りが込められていた。その怒りのこもった言葉にも胡散臭い影は普通に答えた。


「そうだね。僕が君達三人をここに連れてきたんだよ」


その言葉に対して作り笑いの彼は怒りに一瞬顔を歪め口を開けようとしたがこちらがその前に言った。


「何故僕らを連れてきたんだ?」


作り笑いの彼は言葉を挟まれたことで少し頭を冷やしたのか黙った。そして胡散臭い影はその問いに対しても普通に答えた。


「そうだね〜。それはね。ツマラナイからだよ」


そう胡散臭い影が答えた時、作り笑いの彼から一瞬、先程よりも怒りの感情が溢れた顔をし言った。


「じゃあ俺達はテメェの暇潰しをここでする為に呼ばれたっていうのか」


先程よりも強い怒りの感情を込めて言われた言葉にも全く動じず胡散臭い影は答えた。


「少し違うね。暇ツブシをするのはあってるけど、ここじゃないよ」


そう胡散臭い影がそう言うとスーツ姿の彼が胡散臭い影は言った。


「此処じゃない、とはどういうことでしょうか」


胡散臭い影はスーツ姿の彼の方を向き言った。


「君達の良く知る世界だよ。その君達の良く知る世界の中の地球という星だよ」


その言葉を聞いた時二人はそれぞれ違う反応を見せた。スーツ姿の彼はその答えに疑問を持ったのかそんな顔をしていた。作り笑いの彼はその言葉に疑念を持ったようで胡散臭い影に聞こうとした。面白半分でその言葉をこちらの言葉でかき消した。


「「じゃあ何故僕らをここに連れてきたの」………」


面白半分で言葉をかぶせたらなんと落ち込んでしまった。それを面白いので放置しておくことにした。すると胡散臭い影は嬉しそうに言った。


「いい質問だね。その質問を答えるにはこの部屋のことを話さないとね。この部屋はね時間を渡ることができる部屋なんだよ」


胡散臭い影がそう言うと作り笑いの彼は少し顔の作り笑いの質が変わった。今までよりも少し感情を抑えようとしたようなそんな印象を受けた。それを無視した胡散臭い影は移動しながら話を続けた。


「それでねこの部屋は今過去へと向かっているんだよ。ん?!質問は最後にね」


胡散臭い影の話の途中に作り笑いの彼が何か言おうとしたがそれは胡散臭い影になんらかの形で邪魔をされたようだった。そんな彼を胡散臭い影は放置して続けた。


「人の話は最後まで聞かないといけないでしょ。それでね何故過去に向かっているかというとね〜なんと。君達の行く世界はなんと。なんと魔法とか神秘の力がもしも存在したらっていう世界だよ」


その言葉を聞いた作り笑いの彼はその作り笑いが一瞬邪悪な笑いに変化した。スーツ姿の彼はそれを見た後こちらの方を見てきた。その行動を見ていた胡散臭い影はさらに続けた。


「君達はその世界に新しい赤子として生まれる。だけどただそれだけじゃ僕の暇ツブシにはならない。だから君達には特別な力をあげよう」


そう胡散臭い影が言うと、元の黒い粒になり散り散りになりそしてこちらの前に集まった。そしてこう言った。


「まず君だね。君にはコレを」


そう言いながらいつ出したかもわからない黒い球体の塊をこちらの胸に当てた。それは肉体に合わないようで拒絶反応が出ているようだ。その体の拒絶反応による痛みと同時にこの球体の使い方や能力などの情報が頭の中に入ってきた。そしてそんなこと御構い無しに黒い球体の塊は体の中にゆっくりと入っていった。胡散臭い影はそれを少し見た後、先ほどと同じように黒い粒になり、次にスーツ姿の彼の前に立ち先程と同じものを取り出し言った。


「そして君。君にはコレだ」


そう言いながら黒い球体の塊をスーツ姿の彼の胸に当てた。そして痛みに襲われたのか顔を歪めた。胡散臭い影はそれを気にせずまた黒い粒に変わり作り笑いの彼の前に立った。そしてまた黒い球体の塊を取り出し彼の胸に当てながら言った。


「そして君にはコレだ」


黒い球体の塊を当てられた作り笑いの彼はスーツ姿の彼と同じように痛みで顔を歪めた。胡散臭い影は二人の痛みを堪えるのをやめたと同時に言った。


「じゃあこれで万全だね。何か聞きたいことは」


そう言ったので聞きたいと思うことを言った。


「あなたは何者なんですか」


その質問に対して彼は淡々と長く語っていたが簡単に説明すると神などと言われる存在であり傍観者であるということらしい。胡散臭い影ははそんな説明をした後、体を黒い粒に変化させ先程までいた場所を中心に爆発を起こしたように飛び散ったそしてそれは運良くこちらに当たらなかったが当たった部分がだんだんと広がっていきそして床に隣接していた場所からこちらの体も全て黒色に染め上げていった。そして最後に胡散臭い影が出していた声が聞こえた。


「じゃあ、頑張っていってね〜」


その言葉はかなり無責任な言葉だった。

備わった能力


イバイレーションLevel1


1相手の能力変化をゼロにし相手のスキルによる一切の干渉を無効化する。

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