魂と胎児と融合個体 -邱-
「だが、それでも実験は失敗している」
「……なんだと?」
「神降ろしを強引に行った。『拒否反応』がある身体を薬で無理矢理に順応させたりしたわけだ。……その中に悪い副作用を持つ薬があったっておかしくないよな?」
「……まさか!」
「そうだ、ソドム・ゴモラで神降ろしの実験に参加した被験者、三千七百九十八名全てが『今後五年以内に死亡する』と、風羅博士が述べられた」
俺はそれを聞いてツェペリの肩を掴んだ! ツェペリはもう上半身のところまで炎が侵食されていた。原理は解らんが、まだ生きていた。
「……俺を恨むか? プロジェクトに俺は殆ど関係ないんだぞ?」
「ソドム・ゴモラ……! 俺は絶対に許さない……!」
俺はそう言って拳を振るった。感触なんてないようなものだった。
「殴られても痛くねぇ……。死ぬってこんな感じなのかね……」
「感傷に浸っていられる場合か?」
「……、」
ツェペリは答えることはなかった。その前に、燃え尽きてしまったからだ。
「さて……、これで一件落着……」
と、俺が振り返ったそのときだった。
「リトー!」
むぎゅ!! なんだこれ、この感覚!!
「ゆ、祐希……?」
「良かった、ほんとにリトだったんだね。変なカミでも降ろしたんじゃないかと思ったんだよ」
……どんだけ俺は信用されてないの?
そんな自問自答をしてみたが答えが見つかるわけもなく。
「……あ、あれ? なんでわたしこんな格好しちゃってるわけ?」
「そんな悠長なこと言ってるけど、あとちょっとでヒトじゃない何かになるとこだったんだぞ」
「そ、そうだったのか?」
あとちょっとで俺達死ぬところだったぞ。
「……ま、戻れればいいんじゃね?」
……そりゃそうだな。




