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ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
ドイツ・猿の手編
96/212

魂と胎児と融合個体 -陸-

陸:六の大字です。

『……「光輝の分水嶺」は大きな決断をその人間に委ねる場所だ。それに行ける人間は大きな決断をして成功か失敗かを繰り返したんだという』

「いかにも御伽噺にありそうな話だな。……で、ということは俺にも何らかの決断をしろってことになるのか?」


 俺はその何者かが言ってることが解らなかった。


『……さて、この分水嶺では大きな決断が出来るといった』

「そういえばそうだったな。……どんな決断なんだ?」

『まあこれを見てくれ』


 刹那、俺の目の前に何かが現れた。

 巫女服のようで、そうでない女の子……年齢は十歳くらいだろうか?

  きぬ倭文布しづりの帯、肩から領巾ひれをかけている。この領巾は横長の布を体にまとって衣服としたころの名残りである……ってのも聞いたことがある。これは古墳時代の服装ってことになる。

 しかも首に大きな勾玉がかかっていた。なんじゃこりゃ。


「こいつは……天照大神(あまてらすおおみかみ)だ」

「まじで」


 まさかこんなところで太陽神と出会えるとは……、俺にも予想がつかなかった。


『こいつは、すこし厄介でな』

「厄介?」

『使い方を間違えたらゲームオーバーなんだよ。だからあまり勧めはしない。どうだ? 「日本神話最強のカミの力」、手に入れてみる覚悟はあるか?』


 その言葉を聞いて、俺はようやく自分が立たされている現状を思い知った。

 どういうことなんだろうね。おれはただの主人公だったのに、気付けばなんだって。日本最強のカミの力? なんで俺はそんなアブノーマルな話をしているんだ?

 ……結論は急がなくてはならないだろう。ここがどこだか知らねえし、外の様子がどうなっているのか気になる。


『……すぐ決まらないのも解る』


 声は話を続ける。


『神憑きになろうとした、人間が「拒否反応」を起こして死んだ。そのことが君の心理世界の根底にあるらしい。そうだろう?』


 俺はそれに頷いた。

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