魂と胎児と融合個体 -弐-
「……今だヴンダー!」
「あいよ、任せろ!」
しかし。
助け船ってもんはほんとにヤバイ時に限ってやってくるもんだった。
祐希とその憑いてるカミサマ(ヴンダーとか言ってたな。一体どんな感じなんだろうな?)が雷神にタックルをかました。霊体に人間の攻撃は無意味だが、霊体に霊体なら何てことはない。寧ろ互角に戦う事が出来る。
ひとまず戦闘はヴンダーに任せたらしい。ちらっと目配せしてこちらに向かってきた。なんだ、仲良いんじゃん。
「――祐希!」
「これはどういうことなんだ?」
「話せば長くなる……」
「じゃあ三行で!」
「姉ちゃんが
カミサマになるまえに
あいつをなんとかしないとヤバイ」
「なんだか良く解らないけど、大体解った!」
おい、それ矛盾してねぇか? まぁさっき起きた事を一発で理解出来たらそれはそれで凄いんだが……。
「……とりあえずヴンダーに雷神の事は任せちゃって……、次はここか。なんだか嫌な気がドロドロとしてる。正直入りたくないくらいだ」
「やっばり祐希もそう感じるよね? いやー、こいつそんな気配も感じ取れないんだよ。使えないだろ?」
せめてオブラートに包んではくれませんか碧さん。そう直接に言われると凹んでしまうよ。
「……リトがそんなのは仕方ない。行くよ!」
そう言って。
祐希は襖を思い切り開けた。
まず、一言目として。
部屋全体を覆う鼻をつくようなアンモニア臭が、この部屋に入ってからのファーストインプレッションだ。なんだ、この鼻が曲がりそうな臭いは?!
「……遅かったな」
そこに居たのは、玉城さんに二人の巫女さん……あれ、巫女さんは三人居たような?
しかし。
俺にそんなまともな思考が出来たのは、それまでだった。
ゴガッ!!
何が何だか解らんが……これは……鈍器の音。つま……り、これ……が、意味しているのは……!
「――実験は成功したようだな」
そこに居たのは姉ちゃん――だが、身体の至るところに半紙が貼られている。
なんだっていうんだ?! どっきり、なんてのは通用しないぞ!
「gガa匸mt……! Pj光wpエラーIw……。taaァgp珍to。tw歴g5a靈m……d略uチpfl知!!」
姉ちゃんが放った言葉は人間が言うような言葉とは程遠いものだった。……いや、もしかしたら人間とは違う言語なのかもしれない。
どちらにしろ、だ。
「厄介なことになっちまったには……変わりねぇ」
俺は自分に言い聞かせるように呟いた。




