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幽霊が呑気で貧乳幼女

「お待たせしました。私がこの家の大叔母でございます」


 そんなことをいって入ってきたのは薄紫色の和服を着た白髪混じりの女性だった。たしか九十かそこらを超えているはずなのに若い。実は偽物とかそんな展開はないだろうな。


「それではさっそく部屋へ案内させていただきます」

「はい、わかりました」


 というわけなので俺は大叔母さんとやらに連れていかれ問題の部屋へと向かう。問題といってもそこまでではない。悪さをしているだけだ。(なぜか美少女ぞろいの)幽霊が。

 しかも占い師に言ったら俺はそういう女難らしい。言われてみればそんな気もするなーとか思ったりしていた。そのはじまりは小学校二年生のころだろうか? たしかおかっぱ頭の和服を着た女の子と遊んでいたのだが、それが幽霊だったらしい。俺からそれはずっと十数年にもわたって幽霊に振り回され続けている。――まあ、今はそれを仕事に出来ているんだから、いいのかもしれないが。


「こちらでございます」


 そんな一人妄想をしていたらさっさと部屋についてしまった。とりあえずお礼を言って扉を閉める。

 さて、周りを見るとそう変わった場所でもない。普通の――客間みたいな部屋だ。窓もあいているし、電気も付く。ほんとにここに幽霊だなんて――


「あの……あなたは?」

「いましたね確かに幽霊いましたね」


 なんで俺は俳句である五七五で言ってしまうんだ?! そんなことは別に構わないんだけど、まさかいるとは! しかも決まって和服! 今回は水色の和服におかっぱで貧乳で幼女! 俺にロリコン趣味はねえよ!


「けれど巨乳も好きじゃないだろう?」

「ええそうですけど?! だからって胸を押し付けないでいただきたい!!」

「あの……それじゃ私も……」

「なんであなたもするんです?! あなたに押し付けるだけの胸は存在するか?!」

「失礼な、私だって……」

「別に脱がなくていいです!! 俺のどっかが反応しそう!!」

「あーずるーい、わたしもー」

「あんたは明らかにグラマラスなんだから脱いじゃだめっ!!」


 ぜーはー、なんで俺がこんな目に合わなくてはいけないんだろうか。まあ、依頼を受けたから仕方ないんだがな。それでもまさかこんな手ごわいとは。でもすぐ終わるだろう……意外と普通だし。


「ねえ、客人さん」

「ん?」

「……ちょっと私と結婚しません?」


 ……は?

 前言撤回。こいつは厄介な幽霊だ。退出して頂くには、充分な時間がかかりそうだぞ。


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