表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
ドイツ・猿の手編
86/212

催眠の術式と深夜一時(前編)


「……なんだって」

「考えてもみてくれよ。巫女さんの会話、ちょっとおかしくなかったか?」

「そうだったか?」

「……あんた以外の人間にもちゃんと接しているように見えて、あんたにその会話の殆どが割かれていたと思うんだが? さっきの食事の流れを思い出してみなよ」


 碧さんに言われて、俺は頭の中の整理を開始した。大まかに言えば、やることは一つ――『巫女さんが本当に会話の殆どを俺に割いていたのか』という事実だ。

 確か今晩は鍋だったはずだ。幽霊のくせに碧さんがでしゃばってあろうことか肉をすべて奪おうとしていた。祐希と俺がとっさに封霊銃を構えてなきゃ、鍋の中身はキャベツと山菜と大根おろしだけだったなぁ……。


「そんなことはどうだっていいのよ。……はぁ、あの時はガチで死ぬと思ったわ」

「いや、もう貴方死んでるからね? あと貴方が十割悪いからね?」

「そんなことはどうだっていいのよ。さぁ続き続き」


 あしらわれてしまった。

 まぁここで第二ラウンドを繰り広げるつもりはないからまた過去に戻ろう。

 鍋を食べたのは事実だが、俺は鍋の中でもある物だけ食べてない。

 ――そう、山菜だ。現代人が山菜をあまり好まないように、俺も好きではなかった。

 なんというか山菜って独特のえぐみがあるだろ? あんまりそれが好きではないのさ。

 だが祐希とか姉ちゃんとかは逆にそーいうのが好きだったらしくパクパク食っていた。まるでなにかに取り付かれていたみたいに。いや、これは言い過ぎか?


「……そこよ。祐希とか山菜を、“まるで取り付かれていた”かのように食べていた。そこが大きなポイントだと思う」

「……?」

「恐らくここで“記憶の改竄”が行われたに違いないわ。なんでもかんでも術式を行うにはスタートは大事だからね。そのスタートとなったのがそれ」

「ならば巫女さんとの会話は?」

「あれは前提条件。言うならば準備の段階だった。……それがそうだと解ったのはついさっきのことだけど」


 つまり碧さんはこの推理を立てたのは今さっきなのか?


「……まぁ、そういうことね。とりあえず今から神主のとこ行きましょ。やるなら早い方がいいわ」

「……やる、って」

「解ってるでしょ。術式の解除、それが出来ないようなら術者の命を断つ。まさかそれくらいの決断力は備えているよな?」


 つまり……碧さんは俺に玉城さんを殺させようとしているのだ。玉城さんが本当に“自分の意志で”やったのか解らないのに。


「さぁ……どうなんだ。やるのか、やらないのか」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ