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ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
ドイツ・猿の手編
85/212

神社と宿泊と巫女二人(後編)


 俺はその言葉を碧さんから言われて暫く理解出来なかった。俺の中にはちゃんと今日の記憶が残っている……にも関わらず、これは偽りの記憶だという。何を言っているか解らないだろうが、安心してくれ。俺にも解らない。


「……まぁ、それが確実だと解ったのは食事前の巫女さんの会話だ。『ホテルは遠いんじゃないか、なら泊まればどうだ』という流れにもっていった。あの時は気付きにくかった……。恐らく、何らかの暗示がかけられていたに違いない」

「……いや、そんな馬鹿な……。俺はともかく他の人間はオカルトを専門とし、それを長らく職にしてる、謂わば専門家スペシャリストだぞ……!」

「だからこそ今回の泥沼にはまったという考えは?」

「……なん、だと?」

「確かにマリナや祐希、それにELOの面々はそちらの道でのプロだ。プロにはプロなりの意識がある。さらにその人間にはその人間なりの流儀がある。……果たしてそれが今回の泥沼を抜け出す手段として当てはまるか? 私は当てはまらないと思うね。寧ろ足掻き、泥に縺れて沈んでいくのがオチだと思うんだが」


 つまり、この犯人は専門家の思考を敢えて利用して術中にはめた、ってことか……?


「そっ。だけどその術はあんたには甘くかかっていたし、私に至ってはかけられてすらいなかった。何でだと思う?」

「人間の専門家に対応した術な分、幽霊や俺のような独学でいる人間にはかかりにくい……?」


 ぴんぽーん、と言って碧さんは腕で丸を作った。何だかいらっと来るがそんなことを言ってる場合ではないのは明らかだ。

 厄介なことになってきたな……笛吹き男のことを調べていた、いや元を辿れば猿の手を探しにドイツに来たはずなんだ、そしたら今度は専門家に記憶障害を負わせるカミサマだかヒトだかはたまた幽霊が現れたわけだ。あまりにも論点がずれすぎる。これって本当に『猿の手』を回収して日本に帰れるんだよな?


「……まずはこの状況を何とかしてからよ。見当はついてる。あの神主だ」

「……玉城さんか?」

「そう、あいつが持ってきた山菜、なーんか怪しいと思ったのよ。でもこの状況で確信した。あれは山菜じゃない、薬草だ」

「……薬草?」

「それを何に使った、というのは言わなくても解るだろ?」

「待てよ……。でも碧さんが今の状況に確証を得たのが巫女さんの会話だったんだろ」

「それが何か?」

「ならちょっとおかしくないか」


 もし碧さんが言ってることが正しいとしたら、俺らは“巫女さんとの会話の時に既に偽りの記憶にすり替えられていた”ことになる。果たして、それは可能なのか?


「確かに不可能だよね。……巫女さんが神主に操られてなかったら、の話だけど」


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