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ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
ドイツ・猿の手編
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解除の疑惑と神卵融合


「……あまり大っぴらに公表したくなかったのですが」

「諦めろ。もうここに神事警察が居るんだ。どう足掻いてもここを徹底的に洗えば何らかの証拠が出てくるのは確実だ」


 急展開過ぎてついていけねぇ。周りを見てると神事警察+ELOのメンバー(ただし俺を除く)は顔色一つ変えていないのに対し、笛吹神社の面々はまぁ当たり前なことだが、信じられないとでも言いたげな表情を見せていた。大丈夫だ、俺も信じられない。


「……あれは一年前の事です。本殿を掃除しようと本殿に入ったとき、本殿が自棄に明るかったんです。いつも夜に掃除しますし、本殿には幾本かの蝋燭しか置いてないんですよ。でも、蝋燭にしては明るすぎたんです。蝋燭ってのはなんと言うか暖色系の色でしょう? なのに本殿から見えた光は寒色系、白っぽかったんですよ」

「白い光……?」

「えぇ、それでちょっと違和感を覚えまして、本殿を見に行きました。するとですね、中に……天女が居たんですよ」

「天女?」


 その単語を聞いて姉ちゃんは呆れたような表情を見せた。もしかしたら、姉ちゃん以外にも呆れていたのかもしれない。

 天女と言えば羽衣伝説が思い浮かぶ。羽衣を落としてしまった天女がそれを取りに行こうとしたが、一人の男性に羽衣を拾われてしまい、その男性が天女に恋をする……という説話だ。昔の各地域の説話などを収録した風土記によく描かれており、有名なものは滋賀県の余呉湖を舞台にした説話が収録されている近江国風土記だろう。……なんでこんなに詳しいのかは聞かないでくれ、何と無く説明したまでだ。


「……それでその天女に見とれてると奥から咆哮が空に放たれて……!」

「……笛吹き男がそれで解放された、と」


 姉ちゃんの言葉に玉城さんは頷いた。要するにそういうことらしい。


「……となると、神卵と融合を果たしたのか、一片の説話に出てくる伝説が?」


 神卵。名前だけは聞いたことがある。

 たしかカミサマの生まれる前の姿だったと思う。胎児とは違う、人間でいう受精卵に近い。

 つまり笛吹き男は神卵と融合した――ということは。


「笛吹き男はカミサマにでもなったと……!」

「その可能性が、充分に高い。現に本殿や離れを一通り見させてもらったけど、神卵やカミサマがいるような気配はなかったし」


 いつの間にそんなことを……と思ったがよく考えれば先程アドルフさんたちを連れて神社を巡っていたっけ。日本神道の紹介かと思ったがそんなことをしていたとは。


「……笛吹き男はカミサマとなった今も辺りを廻っているのでしょうか……?」

「さぁね。笛吹き男の伝承なんて言ったらそれこそ色んな街で伝えられてる。今でもどっかの街では夜になったら軽やかなホルンの音色が聞こえてきて、それを外で聞いたらどっかに連れてかれるって話もあるし。そういうのはハーメルンだけじゃないと思うがね」



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