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ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
ドイツ・猿の手編
82/212

神社と油揚げと状況把握(後編)


「……胎児はカミサマだ? なら人間は神堕ちだって言うのかよ?」

「あくまでも論文での話でしかないけど」


 神堕ちは名前の通り神から堕ちたモノを指す。……しかし、それなら人間に霊体が憑きやすいわけも何と無く解った気がする。

 だが……それが今回の笛吹き男事件(実際被害があるのかは聞いてないから解らないが)を解決する鍵と為り得るのだろうか?

 というか何でここに来たんだろうか?

 疑問は雪だるま式に速度を増して大きくなっていく。


「あっ、帰ってきた」


 しかしそこでタイムアップとなったようだ。しかし、長かった。半日くらい会話してたかのように時がゆっくりだったぜ。


「よーっ、お二人さん。仲良くイチャイチャしてたか?」


 やっぱ狙っていたな。


「ジャパニーズシントーはやっぱり面白いな。何しろ深みが違う」

「……というかまだあの人たち戻って来ないの?」

「ここに居ますが」

「うわっ、幽霊の後ろに憑くとは……! この子幽霊の素質があるわね……!」


 幽霊の素質ってなんだよ。人間皆死んだら大抵幽霊になるってのに。


「いやぁ、大所帯でいらっしゃって。生憎歓迎出来るようなものもないんだけど……」


 恵美さんの後ろには優顔の青年が立っていた。服装は巫女装束に近かった。しかし竹籠を背負っていて中には何かが大量に入っている。


「では、貴方が?」

「……神事警察の方々ですね。僕は笛吹神社神主を勤めている玉城矢門たまきしもんといいます。どうぞよろしく」

「山菜すごいなぁー。日本のやつばっかじゃん。菘とかドクダミとかあるじゃん! ねぇねぇ、これって自生の山菜なの?」

「えぇ、食べますか? ……ってよく見たら幽霊さんか。道理で美しい訳だ」

「……そ、そんなこと言ったって……。か、代わりにこのどうしようもないチビをあげることしか……」

「おいこら待ちやがれ!! なんで俺を?!」

「あんたは私に優しくしてくれないしなぁ」

「毎日最新型の3DCGゲームにアニメに甘いものを食わせたりしてるのはどこのどいつだっけ??」


 そんなことを言ったら下手くそな鼻歌を歌い始めた。バレバレだ馬鹿野郎。


「はっはっは。楽しい方々だ。それで? この神社に何の御用で?」

「そんな大層らしいことじゃない。なに、ちょっとした状況把握の為にだな」

「……と言うと」

「解っているはずだ。この笛吹神社は笛吹き男を封印するために日本から態々やって来たものだってことは」


 え? さっきこの人『日本に来て神社を作った』って、まぁ確かに言ってはいたが……。


「……笛吹神社に封印されている筈の笛吹き男が今、ドイツ各地に居る。これはおかしな話ではないかな?」

「マリナめんどくさいから結論だけばーんと言っちゃえば?」


 碧さんは本当に雰囲気を壊すだけならピカイチだよな。


「……そうだな」


 姉ちゃんは溜め息ひとつついて、

 そして呟いた。


「さっさとそれだけ言ってしまおう。『笛吹き男、誰が解放した』?」



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