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ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
ドイツ・猿の手編
68/212

欧米と日本の文化格差


 車内でのこと。


「……にしても俺海外初めてなんだよなぁ」


 まさか初めての海外がこんなことになるとは思ってなかったがな。


「初か。まぁ良かったじゃん? 埃のかぶったパスポートが役立ったんだし」

「俺はそんな生きてねぇぞ……?」

「まぁまぁ、大事なのはやる気・気合い・勇気だからね」

「「大体同じじゃん(じゃないですか)!!」」


 姉ちゃんの言葉に俺と祐希の気持ちが同調したのか(大半の日本人は同調するはずだろ……と信じたい)同時に同じ言葉を発した。そして、それに気付いてちょっとだけ祐希が顔を赤らめた。おい。


「……面白いですね、やっぱ日本人は違いますよ」


 土岐津さんは大爆笑していた。ドイツでは見慣れない光景なんだろうか?


「ドイツは双務的契約性が今も根強く残る国ですからね、『人の上に立つものはその人よりも十倍賢くあれ』ってのがあるくらいです。だからこういうのって……あんまり、いや殆どないんですよね」

「それって遠回しに私が馬鹿って言いたいのか?」


 訂正を求めているらしいが、姉ちゃん、あなたはあなたが思ってるよりよっぽど馬鹿なんですよ。


「しっかしまぁ……高速道路が広いよねぇ。今何キロ……ひゃ、百キロ?! あんたキップ切られないの?!」

「ここはアウトバーンですよ? 制限速度がない高速道路として世界的に稀有な存在です。古くは第二次大戦中にヒトラーが戦車をも走ることが出来る巨大な高速道路を作るよう命じたのが始まり……だったと思います」

「あ、アウトバーンか。あぁ、はいはい」


 絶対姉ちゃんは理解してねぇな。


「ところで今回は何を探しに?」

「酒飲みに」

「副局長違うでしょ。……あ、僕は河上祐希って言います。祐希って呼んで下さいね。それとこの隣にいるのはリト」


 さらっと自己紹介したなおい。あ、よろしくです。


「……で、僕たちが探しにきたのは『猿の手』なんです」


 猿の手、とは――。

 イギリスの小説家W・W・ジェイコブズによる短編小説だ。だが何も俺達が探しているのはその本じゃない。日本で簡単に購入出来る代物だからな。

 この物語のあらすじを簡単に話しておくと、ある夫婦のもとに干からびた猿の前足のミイラが届くことが始まりである。そのミイラは持ち主の願いを三つ叶えてくれるものだった。

 ……というのがこの話のあらすじだ。発表された時はただのお伽噺に過ぎなかったが、それが違った。

 百年以上前から持ち主の願いを叶えてくれる猿の前足のミイラがヨーロッパに出回り始めた。誰がそれを作ったのかは解らない。しかし……その話は広まっていき……最終的には都市伝説として扱われるようになった程だ。


「なるほど、猿の手ですか。確かにここドイツでもよく噂されてます。……持ち帰られるつもりで?」

「ああ、ハンブルク空港まで政府専用機で来たからね。準備は万端だよ」



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