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ルームメイトが幽霊で、座敷童。  作者: 巫 夏希
ドイツ・猿の手編
65/212

晴天と飛行機と渡航目的(前編)


 成田空港。

 千葉県成田市にあるハブ空港の一つだ。そこに俺達はやって来た。


「旅行バッグすら持ってないんだぞ……」

「大分ご不満だなリト。海外だぞ? もうちょい嬉しいと思えよ」

「わーいうれしー」

「それって確実に嬉しいと思ってないリアクションだよな?!」


 だって急に連行されたらどうテンションとっていいかわかんねぇじゃん!


「まぁまぁ、とりあえず荷物は心配すんな。現地のスタッフに衣類やら何やら任せてある」

「嫌な予感しかしない……」


 祐希が珍しく愚痴を溢している。そういえばさっきから髪型がロングからショートになってるのは何でだ?


「パスポートの写真はショートで撮ってるし、おそらく性別も男でやってあるんだろ」

「なるほどね……」


 もう碧さんに心の声読まれてもつっこまない。というかツッコミがめんどくさくなってくる。

 パスポートチェックを済ませ、ようやく俺達の旅がこれから始まるところだった。


「そういや私の席って取ってあるの?」

「幽霊にパスポートなんてなかろう?」

「……あんた意外と悪だね」

「パスポートない者にどうやって航空券を渡すか聞いてみたいもんだけど?」


 なんだか碧さんと姉ちゃんが怪しげな会話をしているけど、全体的にトーンが抑えられていたからか、あまりよく聞こえない。

 祐希は祐希でいつの間にか買ったアイスクリームを頬張っていたし、姉ちゃんと碧さんは少し俺達の前を歩いているし(ちなみに幽霊との会話とバレないよう携帯で通話しているように見せかけている。用意周到ではある)、なんかさっきから(主に女性の)視線と(主に男性の視線からの)プレッシャーをも感じる。残念ながらそういう関係じゃないんですけど。


「リトも食べる?」


 ずっと祐希を見ていたせいか、祐希が食べ掛けのアイスクリームを差し出してきた。遠慮なく一口頂く。


「おっ、こりゃうまい」

「でしょ、このアイスクリームほんと美味しいよね〜」

「……で、だ。お前出発前からそんなに冷たいの食べていいのか?」

「お腹冷やしちゃうって? ところが僕は今この下にカーディガンを着込んでいるのだよ!!」


 いや、そういう意味じゃねぇって!! お前カーディガンとかそーいうの関係ないから!!


「……まぁ、ドイツはこの時期寒いからなぁ」

「北海海洋性気候は夏は涼しく冬はクソ寒いことで有名だからな。そりゃあやる気を無くすくらいに。防寒装備はきちんとしとけよ? ほっかいろでもいいかもしれんけどな」


 姉ちゃん、俺はほっかいろを常備してないんだが?


「それくらい考えとけ。いつ海外に出張になるか、解らないんだからな?」

「……あぁ、そうかい」


 もう話す気にもならねぇ。


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